ローマでMANGA[25]例年とちょっと様子が違うMangaセミナー
── midori ──

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もう一月も末になって今更という感を拭えないけれど、私は今年初めてなのでご挨拶致します。
「新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」
さ、これで始めのおまじないを済ませました。今回は漫画学校のお話を。

今年度のMangaセミナーは、例年と違うことが幾つかある。まず、参加者のコース。いつもだと、圧倒的にコミックスコースの生徒が占めるけど、今年度は何故か、コミックスコースの生徒は半分で、残りをアニメーションコースとイラストレーションコースの生徒で二分している。どの生徒もMangaを読んでいるという共通点はあるけれど。この割合は初めてのこと。今のところ、その意味というか理由はわかっていない。

次に参加頻度。毎年、初回の授業は30名を超える。冷やかし、好奇心がほとんどだ。二回目で半分になり、だんだん減っていって年が明ける頃には一桁になり、学年度が終わる頃には3人程になる。毎年『Pochi ma buoni(少数精鋭)!』とお決まりのフレーズを言うことになっている。



今年度の最初の授業は30名に満たなかった。でも、年が明けてから、まぁ、9名だから一桁ではあるけれど、そこそこ人数を保っている。

次に授業内容に変化をつけた。ここ3年、年間を通して8ページの作品を一遍作ってもらったけど、4ページを2回にすることにしてみた。何しろ殆どの参加者が一度もManga作品を作ったことがないのだ。ネームは一人づつ見ていかないとわかってもらえない。私が短い時間で指導できるためにも、参加者がより軽く作品を作れるためにも、短くしてみた。

プリントを用意していたのをやめた。プリントを見直す必要があるのは確かだが、デ・アゴスティーニの仕事のせいでその時間が取れなかった、というのが真相だ。しかし、話だけにしてみると、殆どの生徒がノートを取っている。自分で書いた方が血肉になるだろうね。

プリントを用意していたのは、そうやって書きためて、いずれは本に...という下心があった。この下心はそのまま持っていようとは思う。

さらに、予定になかった授業法が降ってわいた。前回のコラムで触れた『漫画関係の企画出版をする出版社に務めていたけれど、イタリアにも興味があるのでローマで語学留学をする、という方で「何ができるかわからないけれど、是非お手伝いさせてください!」と元気な25歳の女性』が、私の授業を参観に来るようになった。

せっかくなので、授業に参加してもらっている。彼女が講談社の「別冊フレンド新人賞」に応募した作品コピーを持ってきていたので、それを皆に見てもらい、コマ運びの解説に使った。

さらに、さらに、前回は皆の目の前で、4ページのネームを作ってもらった。『自分が体験したこと、何でもいいから4ページのネームにしてみてくれる?』と水を向けると、始めてから10分足らずでぱぱっと描き上げてしまったので、9名の参加者は唖然としていた。こういうライブは刺激になるんじゃないかな。

ところで、彼女が作ったネームは、イタリア語の学校での話。ある日の授業であったひとつのエピソードを自分の感想を交えて、軽い調子で、ユーモアたっぷりに、簡潔に語っていてとても楽しく読めた。来週また来るというので、もうひとつ4ページを作ってもらって、「モーニング」の知り合いの編集者に見せてみようかな、と密かに企画中。

もうひとつ、Mangaセミナーのブログを作ってみた。
< http://manganosensei.blogspot.com/
>

私のセミナーはカリキュラム外で自由参加だから、課題が忙しかったりするとスルーする生徒が多々いる。授業に毎回通わなくても、なんとか進めるような方法はないかと思っていたので、お試し。

生徒が提出したものをスキャンしてコメントを書く。自分へのコメントだけじゃなくて他の人のも読んでね、と言っておいたけど、いまのところ、訪問者は2人。うーん、コメント、興味ないのかなぁ。

『教える』というのは『伝える』ということ。ネックは、伝える側にとってあまりにも当たり前のことを、受け取る側が承知していない、ということを伝える側がどのくらい承知できるかどうかにかかっていると思う。二度三度と同じことを繰り返す、あるいは言い方を変えて繰り返す、というのはかなり有効だと思う。

もうひとつの問題は、専門学校だから、生徒、つまり受け取る側のレベルがまちまちで伝達深度に差が出てしまう。それをどうやって埋めたらいいのかと、提出されたものを見てうなるのであった。

【みどり】midorigo@mac.com

iPhone いいなーほしーなー。ハマムラさん紹介のVoiceBandおもしろいね。でも、音楽の基礎がないとパーツごとに『ぱーぱぱぱぱーぱぱ』とできないね。

iMacを買ってMacBookからデータを移行して90%は問題なく移行完了。残りの10%は、ソフトを再インストールしたり、『コンピュータの認証』というのを行うことで、数か月かかってようやくほぼ解決を見た。何しろワケが分からずにコンピュータを使っているのだから、言われたとおりにやってるのに、コンピュータが言うことを聞かないと、眉間のシワが深くなる。

日本のオンラインサービスに二件、ユーザーヘルプにメールで相談したら直ぐに返事をくれたけど、2〜3回のやり取りで解決を見ないと、イタリアのプロバイダがバグのもとと答えてきた。その後、両方とも自力で解決したので、イタリアプロバイダのせいではない。だいたい、MacBookでは使えていたのだから。「分かりません」って言うわけにはいかないからだろうか。

イタリア語の単語を覚えられます! というメルマガ出してます。
< http://midoroma.hp.infoseek.co.jp/mm/menu.htm
>