ローマでMANGA[42]無理やりMANGA作品制作作戦
── midori ──

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学校は今夏休みなので、その他の話題です。

●そこそこ進む「MangaBook(仮タイトル)」

前回、元MANGAセミナーの参加者であるアレッサンドラに声をかけたが、どうしても抜け出せない用事ができて、アポに来られなくなった話をした。
< https://bn.dgcr.com/archives/20110617140100.html
>

その後、無事に会うことができ、MangaBook参加に双手をあげて賛成。頼んだ絵をサクサクと描いてくれて、たちまち原稿が3枚上がった。
例えば......

依頼のラフ画
< http://p.tl/39Mj
>

アレッサンドラの鉛筆下書き
< http://p.tl/xKiu
>

アレッサンドラのペン入れ画
< http://p.tl/us7b
>

アレッサンドラにお願いする号は、フキダシの位置の重要性を語る。イタリアでは、状況を追っていく方式なので、人物や背景が大事。だからフキダシは絵の邪魔にならないところへ入れる。

MANGAは、キャラの感情を描くから、フキダシの位置は大事。フキダシの位置が顔に近ければ、カットが変わって、キャラの「映像」に切り替わった途端にしゃべることになるし、顔から遠かったりセリフが二つに分かれたりすると、ゆっくり言っていることになる。フキダシを話しだすタイミングや、ゆっくり話してるのか、速く話してるのかによって示す感情が変わってくる。という、ヨーロッパマンガにはない表現法を、例をたくさん出して解説するつもり。



マウロ君に作画を頼んでいる「ラフのキャラの性格を読み込んで物語を作る」号は、他の仕事(マンガ制作とは関係ない仕事)が忙しいらしく、なかなか進まない。

私も文を書かないといけないので、マウロのせいで先に進めないというわけではないけれど、マウロの1号、アレサンドラの2号に続いて3号をマウロに頼まないほうがいいか......と思ってしまう。仕事の早さって、仕事を依頼する側に立つと、どんなに大切な要素なのか、しみじみわかってしまう。

早く軌道に乗り、編集長であり校長の案である英語版、iPad版と進んで、MANGA構築法が広まって、ヨーロッパ産のMANGAが出てくる発端になるといいな、とワクワクしている。夢は大きく!

●デアゴの「宿題」

もう一つの仕事、デ・アゴスティーニの「MANGA&ANIME」のサイトで、6月に宿題を出した。1月と3月に、それぞれ女性キャラと男性キャラを考える宿題を出したが、今回はそのキャラを使って(宿題に参加しなかった人は、新たに作る)原稿を一枚作る。

シチュエーションを説明し、条件として
◯コマ数は最高6コマ
◯主人公を男キャラか女キャラに決め、その感情がわかるように描く
と、MANGA構築で原稿を作るのに慣れてない若者にはちょっと難しいかな、と思う条件を出した。

さらに、この後の宿題をやっていくと、4ページのショートショートができる仕組みにした。無理やりMANGA作品制作作戦だ。

7月後半と8月全般で、優秀作品4編を1編づつ、良い所、直したほうが良いところを解説していく。15編集まり、そこそこ見られる作品がちゃんと4編あった。最優秀に選んだものは、よく考えられていて、僅かな直しでぐっと良くなるものだった。
< http://p.tl/cg4k
>

オリジナル原稿では、読者の視線が無駄に右往左往して、焦点がややぼけてしまう。フキダシやト書きが、あまりにもきれいに散らばり過ぎて、視点がまんべんなくさまよってしまうのだ。
< http://p.tl/nLxc
>

そこで、いらないト書きを捨て、フキダシの位置をずらし、アップ時の視線を読者に向けることで、焦点をはっきりさせる、というお直しをした。
< http://p.tl/DKgW
>

2位と3位は、ジーーッと見ると、シチュエーションを読んで、そのまま6コマに振り当てたのだな、とわかってきた。そして、感覚的にコマの大きさを変え、アップを使い、結果としてちゃんと要求したものを提供していた(多少の直しは必要だけど)。
< http://p.tl/mYmu
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< http://p.tl/dfLw
>

感覚でMANGA構築法を使ったのなら、こんなに嬉しいことはない。レイアウトをしてみて、なんかイマイチだなー、と思ったときに、フキダシと顔の距離だとか、空間の取り方の理屈を使えば、大いに助けになると思う。

「MangaBook」が世に出て、こうした助けになるといいなぁ。そして、新しいマンガがボチボチ出始めるのだ......。いつか。

【みどり】midorigo@mac.com

言いたいことはたくさんあるけど、まとまらない。以下のURLの国会中継動画をぜひ見てほしい。このテキストが掲載される頃には、なにか良い方向に進展があることを祈りつつ(一部のマスコミしか報道していないというのも怒りを呼ぶ)

7月21日参議員予算委員会山谷えり子 「民主党裏の顔は北朝鮮」1/5
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7月21日参議員予算委員会 山谷えり子「外国人献金問題」1/3
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西田昌司「菅直人の4つの大罪」
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イタリア語の単語を覚えられます!というメルマガだしてます。
< http://archive.mag2.com/0000075559/index.html
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