2000年以降、2003年に閉郎するまで、岡画郎の展示は5つしかありません。
この間、岡画郎界隈のメンバーの関心は岡画郎の外に向かっていて、演劇(岡画郎演劇部)、映像、ライブ、ポエトリーリーディング、DJパーティー等の活動を行なっていました。
これらの活動もある程度記録しているのですが、それらの紹介は他の機会に回し、今回は残りの展示を紹介します。
・2000年1月-3月「ポセリ」
各自の不用品を展示し、ポエム(詩)でセリおとすという展示。
おそらく、詩人である小川てつオ君の発案で、てつオ君は詩を貨幣の代わりに流通させられないかと話していました。
展示は最初の週の定例会しか顔を出さなかったのですが、この時扇風機が展示されていました。
その扇風機を欲しい人が思いを詩にして応募、多数決で選ばれた詩を書いた人に扇風機を贈呈するということでした。
が、冬場ということもあり、その週の詩の応募はなかったと記憶しています。扇風機自体、かなり後まで(もしかすると最後まで)売れ残ったという話を聞きました。
・2000年12月 高橋敦彦「カラー」
高橋(アット)君は、「色を感じ」てもらうために、岡画郎内の照明の色を週ごとに変化させました。
1週目:青
2週目:ピンク
3週目:黄
4週目:七色

写真は2週目のピンクの展示で、この頃しばらく定例会に顔を出していなかったのですが、岡画郎で展示をやっているらしいという話を聞いて、見に行きました。
ところが、平日の夜に行ったので岡画郎には誰もおらず、ドアにも鍵がかかっていたので、郵便受の隙間にレンズを突っ込んで部屋の中を撮影しました。
3週目の黄色の展示は定例会を撮影した写真があります。

・2001年1月 富永剛総「新しい窓枠」
コンクリートで作った16×16の格子状の枠にろうそくを置き、毎日炎で違う絵柄を浮かび上がらせました。


毎日の絵柄の図案は剛総さんが用意していて、写真のように図案を元に、岡さんがろうそくを立てて火をつけました。
・2002月4月 大塚秀記「ふくら見」
大塚さんはつげ義春(と言っていた記憶がありますが、詳細は不明)のマンガにインスピレーションを受け、部屋が膨張するというイメージを元に窓枠にビニールで作った袋を貼りつけ、中から空気を送りこんで膨らませました。


・2003年3月 「閉郎展」
岡さんは1999年に松澤千秋さんと結婚、その後、二人で暮らす家を建てるための土地を探していましたが、2001年頃、港区の三田に狭くて使い道のない土地があるのを見つけ、交渉の末、相場より安く入手しました。
そのため、岡さんは高円寺から三田に引っ越すことを決意、岡画郎は部屋の賃貸契約の更新があった2003年3月に、閉郎することになりました。
そこで、最後の一週間に展示を行うことになり、希望者が作品を持ち寄って展示しました。


最終日には、岡画郎の道の向かいにあった、双眼鏡を入れておくための箱を御神体とする神輿を作り、高円寺の街中を練り歩きました。


写真は神輿を部屋の中に引き上げた時のもの。何十人もの人たちが、狭い部屋の中に集まりました。

【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://www.geocities.jp/sekinemajp/photos
1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔。