AKIRAさんが主催する、のざらし画廊ですが、AKIRAさんが海外から戻ってきた1997年4月に、第2弾となる「いい人」展を開催しました。
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のざらし画廊は、美術館や貸し画廊に取り上げられてしまったアートをストリートに引きずりもどす、というコンセプトのゲリライベントで、第一弾として、1996年11月に捨て看板に絵を描いて、銀座の街中に展示するというイベントを行なっています。
「いい人」展はあらゆる人をほめるという内容で、街中で出会った人物、ポスター、看板、彫像などに「いい人」シールを貼ることで、勝手に「いい人」として表彰してしまうという企画でした。
http://www.akiramania.com/nozarasi/ng2/ng2contents.html
AKIRAさんは「いい人」展に使用する「いい人」シールを、展示の数か月前には準備していて、偽アンディ・ウォーホル展の頃には「いい人」シールを手渡された記憶があります。
そして、AKIRAさんたちが海外に行っている間の宿題として、実際に「いい人」シールを使った写真を撮って欲しいと言われました。
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私自身、のざらし委員長として「いい人」展に参加するつもりでしたが、どちらかというと裏方に回った気になっていたので、あまり目立つつもりはなく、おとなしめの写真を撮っていました。
当時住んでいたアパートの玄関に貼ってあった森昌子のポスター

が、写真を岡画郎の定例会の参加者に見せたところ、「(お前の写真は)そんなものか」と揶揄されました。
そのことにカチンときて、「いい人」展の本番当日は発奮しました。

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「いい人」展は、ネガアルバムの日付によると、1997年4月19日に開催されました。
参加者は渋谷のハチ公前に集合、AKIRAさんに「いい人」シールを手渡され、都内に散って行きました。
私は自転車で駒場東大前に移動、駒場キャンパスの新歓の立て看板に「いい人」シールを張り付けたりしました。

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高円寺岡画郎に移動しました。
以前紹介しましたが、当時、「生きる」展をやっていたナナ君

TOTOTOというミニコミを作っていた作郎さんと悦子さん

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「いい人」展の参加者たちは、最終的にAKIRAさんのアトリエであるA倉庫に集合、撮影したフィルムを近くのDPEショップに出してスピード現像してもらい、出来上がった写真をその場で講評して1位を決めました。
結果、リンク先の画像の通り、本来の使用目的を大きく逸脱した写真が上位入賞したのは流石でした。
http://www.akiramania.com/nozarasi/ng2/ng216japan.html
最後はいつものようにパーティになりました。

偽アンディ・ウォーホル展に出展された、麻原彰晃のシルクスクリーンが写っています。

【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://www.geocities.jp/sekinemajp/photos
1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔