ワークショップ・ガロ(以下WSGと略)の事は、当初、一回で終わらせようとしたのですが、当時のことを調べるのに手間取ったのと、文章が少々長くなったので、三回に分けました。
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前々回紹介した、WSGのクロージングパーティー撤収後の写真ですが、写っている人が薄着なのと、同じネガの続きに数日後に撮影したと思われるバーベキューの写真があることから、1997年7月の中旬〜下旬の撮影だと考えています。
この時期は、前回紹介したWSGの開催期間からは外れているので、クロージングパーティーは別の機会に企画したのでしょう。
ただ、クロージングパーティーは、ガロに告知を打たなかったのか、該当する号を調べてもそれらしい記事は見つからず、そのため、パーティーの開催日、タイトル、ゲストについての詳細な情報が手元にありません。
もし、当時のことを覚えている方がいらっしゃれば、教えていただけるとありがたいです。
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私が覚えているのは、WSG顧問の今一生さんと司会進行役の二村ヒトシさんが、パーティーの挨拶で「(受講生は)なぜ、僕たちの背後にある膨大な人脈を利用しようとしなかったのか」と話していたことです。
それを隣で聞いていたスタッフの一人が、「何をやりたいかが見つかっていない受講生にそれを要求するのには無理があるし、何がやりたいかが分かっている人は、そもそもこのワークショップには参加しない」と突っ込みを入れていて、私も確かにそうだ、と思いました。
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WSGはワークショップの体裁は保ちつつも、当初の目的であった、ガロ発のクリエイターを育てるという成果は出せなかったと思います。
また、上に書いた今さんと二村さんの挨拶も、その事に対するある種のフォローだったのでしょう。
もちろん、私自身がワークショップの現場にほとんど顔を出さなかったので、WSGの受講生で、後にクリエイターとして成功した人がいなかったと断言は出来ませんが。
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受講生の中で個人的に印象に残っている人を数名、簡単に紹介しておきます。
イイ顔のオヤジ写真展を開催するために、WSGの打ち上げに残って、同じ飲み屋にいるオヤジ客の写真を撮らせてもらっていた海老名真衣子さん。
岡画郎で知り合った、ヒンズースクワットパフォーマーの梶間浩幸君。
また、各回のワークショップの内容をガロにレポートしていたライターのウメザワさんは、受講生からスタッフになったと記憶しています(違っていたらすいません)。
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最後に、二村ヒトシさんについての事を記します。
二村さんはパノラマ歓喜団という劇団を主宰する一方、ダイヤモンド映像で村西とおるの片腕として男優をやっていたそうです(作品は見ていない)。
ダイヤモンド映像は当時すでに倒産、二村さんは、素人の男性と女優との絡みを撮影したセルビデオ(レンタルにしないビデオ)のレーベルを立ち上げようとして、それに出演する男性を探している、と話していました。
私自身、レーベル立ち上げの話は面白いと思って聞いていましたが、何かの間違いで、私が二村さんのビデオに出演するつもりだと誤解されてしまいました。
結局、自分は役に立てないので、と断ってしまったのですが、二村さんは大層ガッカリしていたと、後から聞きました。
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昨年、神保町の美学校で行われた、会田誠さんのトークイベントで二村さんに久しぶりにお目にかかる機会があり、前々回紹介した写真を見せたのですが、幸い当時の事は覚えていない様子でした。
ただ、どういう経緯でこの写真を撮ったかについては、上に書いたことと、その後のガロ及び出版元が辿った運命を考えると、その場で明かす事は出来ませんでした。
そんな訳で今回は、その事情を明かすという話で、予想以上に長くなってしまいました。
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今回は、戸田市笹目の梅ノ木稲荷跡の写真を紹介します。
当時、戸田市内の庚申塔を探していて見つけたのですが、神社跡の鳥居が民家とアパートの間に押し込められるように残っているのが印象的でした。
昔の資料を調べたところ、神社はそれなりに大きかったようですが、社殿等はだいぶ前になくなっていて、参道の上にアパートや民家が建てられたため、写真のような状態になったということでした。
2014年に新宿眼科画廊で開催された「大トマソン展」に、この鳥居を報告、トマソン認定されています(写真はトマソン報告したものと別の日に撮影)
【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
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1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔。