1997年の後半は車椅子にペインティングしたり、商店街の店のシャッターに絵を描いたり、「デザインフェスタ」でライブペインティングしたり、新宿梁山泊公演用に段ボールハウスペインティングをしたり、イベント的なペインティングがいくつもあった。
1997年11月15・16日、デザインフェスタでのライブペインティングの写真
また、コリーヌ・ブレの友人が主催するパーティに行くと、日比野克彦が来ていたり、コリーヌに黒田征太郎のオープニングパーティに連れて行って貰ったりと、いわゆる「有名人」と会うことも出来た。
しかしながら、うまく取り入って仲良くなって将来に繋げる、などという器用なことは何一つできなかったのだが。
日比野克彦さんとの初対面では、泥酔して「アートなんてギャラリーや美術館にはない! ストリートにある!(俺を見ろ!)」などと息巻いて喋っていたことだけが記憶にある。
新宿西口地下道にも相変わらず通っていた。1997年12月3日(水)制作ノートNo.12よりこの段ボールハウス絵画を描いていたことが分かった。
●『鳴神』に役者として参加
12月、オブスキュアギャラリーでは歌舞伎役者・中村しのぶさん主催主演『鳴神』の公演が開催された。僕も役者で参加している。キョージュこと関根正幸氏のテキストでもで触れられている。
Scenes Around Me[26]東京大学駒場寮の事(5)鳴神[1]/関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20180424110100.html
Scenes Around Me[27]東京大学駒場寮の事(6)鳴神[2]/関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20180522110100.html
キョージュが撮った写真が見つかったのでアップ。
関根正幸氏が撮った写真・1
関根正幸氏が撮った写真・2
舞台の美術と衣装はしのぶちゃんの友人で、イラストレータの「麻子ちゃん」が担当した。衣装は凝っていて、ずっしりと重かった。
みんなで舞台の飾りを作ったり、衣装を縫ったり、稽古をしたり、文化祭のような楽しさがあった。演劇には憧れがあったので、それをほんのちょっと体験できたのはありがたかった。
主人公はしのぶちゃん扮する「雲の絶間姫」、僕は「鳴神上人」の出来の悪い二人の弟子の片割れで、コミカルな役どころだった。みんな役者さんだったり舞踏家だったりと舞台の人だったので、足を引っ張らないようにと懸命だった。
鳴神のストーリーはこちら。
http://www.eonet.ne.jp/%7Ejawa/kabuki/enmoku/narukami.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B3%B4%E7%A5%9E
最後に鳴神上人が暴れて、弟子の首を絞めて投げ飛ばすのだが、怒り狂った表情の演技と僕の首を締める力のあんばいのギャップが印象的で、今でも首を絞める柔らかい手の圧力は覚えている。やっぱりそこは丁寧に気を使うのだ。
『鳴神』の打ち上げの写真
舞台が終わったらそのままオブスキュアギャラリーで打ち上げとなった。誰が撮影したのか覚えてないのだが、後日この打ち上げ写真に写ってる僕を見て、しのぶちゃんが大笑いしていたのを覚えている。ちなみに左の奥にはキョージュが写っている。
●三度目の神戸
これまでに二回ほど神戸に行った。一度目は1996年10月5日(土)〜7日(月)、占い館からのオファーで神戸に壁画を描いた。
羽化の作法[41]神戸占い館での製作と写真展への参加
https://bn.dgcr.com/archives/20170620110200.html
二度目は1997年10月4日(土)〜5日(日)、仮設住宅とテント村「しんげんち」を訪ねた。
羽化の作法[54]コリーヌと神戸行きのこと
https://bn.dgcr.com/archives/20180123110300.html
そして慌ただしく年末を過ごすのだが、その間にコリーヌにもちょくちょく会う機会があって、三度目の神戸行きが決まって行く。
コリーヌは、「僕のようなアーティストが被災地に行くべきだ」と強く主張していた。被災者たちが公園に自主的にコンテナを建て、テント村を作っている非公認避難所「しんげんち」で何かやってみよう、ということなのだ。
「なぜ神戸に行くのか?」「何しに神戸に行くのか?」「具体的な運営はどうなるのか?」「何かフォローしてくれるのか?」そういう最も基本的なことをまったく定めないで、「行ってみて僕が現場でなんとかする」というプロジェクトだった。
震災の年の95年に新宿西口地下道の段ボールハウスに絵を描き始めたのだが、震災に対しては何もして来なかった。そんな後ろめたさのようなものがあった。
だからと言って「復興アート」をやりたい訳ではなかった。被災地に行って、さも意味ありげな「アート」をやりたい訳でもなかった。
「ガチンコでぶつかってみたら何かが生まれるだろう」という方向しかなかった。そして「見知らぬ土地にポンと放り出されて何かやる」という方法は、当時の僕にとっては魅力的に感じられた。
1997年11月1日(土)の制作ノートNo.12にこう記している。
“僕は来年 神への戸をたたきに行く そして向こう側を感じとって行きたい”
(つづく)
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