歌舞伎「鳴神」を下敷きにした中村しのぶさんの芝居ですが、最終日は会場のオブスキュアギャラリーで公演の写真を撮りました。
当時使っていたカメラ(Contax TVS)はシャッター音が静かだったので、かなりの枚数写真を撮ったのですが、会場内が薄暗かったのと、目測でピントを合わせてノーファインダーで撮影したため、まともに写ったものはそれほど多くありませんでした。
ジャングルに迷い込んだ美女が上人に会おうとするが、武盾一郎さんと陽さん演じる従者に怪しまれて、面会を拒否される場面。
鳴神上人の居所は、単管を組んだ上に布を巻いたとてもシンプルなものでした。
上人が現れ、従者を人払いして美女と二人きりになります。
美女が乳房を触らせることで、上人が法力を失う場面。ここら辺のやり取りは、歌舞伎の鳴神と同じかも知れません。
芝居が終わった後、その場で打ち上げがありました。
芝居を見たお客さんに感想を聞くビデオを、長谷井宏紀(コーキ)くんが撮影して会場に流していました。
コーキくんはオブスキュアギャラリーを運営していましたが、コーキくんのことを知ったのは実はこの時が最初でした。
また、芝居の音を担当したサンカラゴンジャのメンバーに、武さんがボディペインティングを行い、メンバーが踊っている場面も撮影しています。
・ラムネ展
前回書いたように、「鳴神」の芝居が終わった後、楽屋として使っていたオブスキュアギャラリーの真上の部屋(北寮2階)が、そのまま蟻天嶽の部屋になりました。
「鳴神」から程なくして、のざらし画廊の副委員長だったミッシェル(中山裕子)さんは女子美術大学の卒業展に向けて、蟻天嶽の隣にあったギャラリーでラムネ展を開催しました。
ミッシェルは、ベニヤ板で作った家の外面にラムネ菓子を貼り付けて、ラムネの家を作りました。
当時、ミッシェルが会場を設立中の写真や、展示風景の写真も撮影したのですが、ネガはポートフォリオを作るためミッシェルに預けたきり戻ってこないので、今回紹介できるのは展示期間中に行われたライブイベント(1997年12月25日頃)の写真になります。
おそらく、イベント開始時にミッシェルが挨拶している時の写真で、左側に写っている四角い板は、石川雷太さんと昼間光城さんのユニットerehwonが演奏用に使った鉄板です。
また、ライブイベントの当日、またはその一日前だと思いますが、私が蟻天嶽にいると、のざらし画廊のスタッフだった蟲くんが「カメラを貸して欲しい」と部屋に駆け込んできました。
私がカメラを渡すと、蟲くんは大急ぎで外に飛び出した後、すぐに戻ってきました。
後日フィルムをプリントに出したところ、次に紹介する写真がありました。
ミッシェルのラムネ展のオープニングパーティーで、駒場寮の廊下に置いてあった冷蔵庫に入り込んだ石倉麻里さん。(蟲くん撮影)
【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://www.geocities.jp/sekinemajp/photos
1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔