当初予定していた、エルエム(HAMADARAKA)がnou laboratoryで展示した時の写真は、ネガを探しそびれたため、代わりに以前flickrにアップしていた写真を紹介します。
nou laboratoryは代々木上原の井の頭通り沿いにあったバーで、アートブックOBSCUREにも参加していた作家、手裏剣くんが運営していました。
手裏剣くんはバーのオーナーと知り合いで、何をやってもよいからとバーの運営を任されたらしく、バーの名前をnou laboratoryとして、2003年頃から数年間、展示の企画を行いました。
nou laboratoryは2週毎に展示替えを行い、エルエム以外にもヨシカワショウゴさんの作品の展示も行なっていました。
手裏剣くん自身の作品は、廃材やFRPを使っていたように思います。

写真は、バー内のドリンク用の冷蔵庫の上に置いてあった、手裏剣くんの作品(のはず)です。
影になっていますが、左下に写っているのは、紐で縛られた人形です。
というのも、当時、私は「引き回し」というシリーズの写真を撮影していたからでした。
私は以前にAKIRAさんの「のざらし画廊」に関わっていたことから、路上で行われるパフォーマンスやイベントのアイデアを探していました。
そうしているうち、手元にあった「江戸東京重ね地図」という本に、市中引き回しの刑のルートが載っていることに気付きました。
当時、プチ耽美という女性の緊縛師のユニットと知り合いだったことから、メンバーのホタルさんに緊縛してもらい、引き回しのルート跡を移動・写真撮影することを思い付きました。
ところが、というかやはり、モデルの確保が難しかったことから、代わりにホタルさんが子供の頃から持っている人形を緊縛してもらい、私が行った先で、人形を撮影するということにしました。
引き回しのルート自体、当時を偲ぶものは何もなく、小さな人形を置いて撮るのには面白みに欠けたので、やめました。

この写真も、nou laboratoryのレジの下に人形を置いて撮ったものです。
次回、紹介する予定の写真にも、「引き回し」シリーズの写真があります。
「引き回し」の写真は20点ほど撮影したと思いますが、撮影する場所の選び方が行き当たりバッタリだったこともあり、結局、発表はしないままになっています。
【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
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1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔