エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[10]第二回文学フリマ京都の「超短編マッチ箱 関西支部」ブースに来て下さい 食パン真珠の鏡
── 柴田友美 ──

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◎第二回 文学フリマ京都の「超短編マッチ箱 関西支部」ブースに来て下さい

2018年1月21日(日)に「第二回 文学フリマ京都」が開催されます。「みやこめっせ 京都市勧業館」というところが会場で、京都の三条の平安神宮のすぐ近くです。

色々なブースが出展するようですが、その中の「超短編マッチ箱 関西支部」というところに、『チョコレートタンタン』を置いていただく予定です。値段は600円です、よろしくお願いします。

もし万一「超短編マッチ箱 関西支部」になければ隣の「闇擽(あんらく)」のブースにあるのではないかと思われます。

また『群青コースター』のチラシを、文学フリマのチラシコーナーに置いてもらう予定です。ぜひ持ち帰って下さい(文学フリマが終わった後に、チラシがまるまる残ってたら悲しいです)。

以下が、第二回 文学フリマ京都の「超短編マッチ箱」ブースの詳細です。
https://c.bunfree.net/c/kyoto02/!/%E3%81%8F/2





京都に来て、四条で抹茶パフェを食べて、三条でニシンそばを食べて、平安神宮の大きな鳥居を目指して来て下さい!

『チョコレートタンタン』は、10年位前に新風舎より出版した本です。

普段は大阪のcalo(カロ)とiTohen(イトヘン)というお店で買うことができます(たぶん)。どちらもめっちゃ素敵なお店です。

大阪・肥後橋の本屋さん calo(カロ)
http://www.calobookshop.com/


大阪・中崎町の本屋さん iTohen(イトヘン)
http://skky.info


どうかよろしくお願いします! 今回は自分の本の宣伝でした!


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◎食パン真珠の鏡 柴田友美

ちくわを食べると、自己が分散される。ちくわを食べた翌日は注意力が散漫になるので、みなちくわを食べるときは注意をするようにしている。

ある時ある青年が、机の上にあった誰かの手鏡を落としてしまった。青年がそれを拾い上げて鏡を点検しようとすると、鏡から突然小麦粉のようなものが吹き出して、青年は真っ白になり、鏡の破片で少しけがをした。

そして青年は、気がつくと全く違う部屋にいた。そこでは何か会議が開かれているようだった。会議に参加していた人たちは一斉に青年の方を見た。

「あなたはどうやってここに来たのですか」

「分かりません、手鏡を拾ったら、その拍子にワープしたようです。ところでこれはなんの集まりですか」

「これは町内会の会議です。ちくわを食べると、翌日気分がぼーっとする現象をご存知ですね。誰かがちくわを食べると、真珠が一個出来るんです。町内会で、それを密かに蓄えています。真珠がたまってきたので、それを今度はどうするか、話し合っていたとろです。あなたにも意見を聞きたいのですが、どのようにするのが良いと思いますか」

「なるほど、それなら、食パンの周りに飾り付けて、それを色々な所に貼り付けていくというのはどうですか。女優さんが楽屋で使う鏡って、周りに電球みたいなのが付いてるじゃないですか。ああいう感じに飾りつけるんです」

「なるほど、映らない鏡というわけですか。じゃあさっそくそれを作って、色々な所に付けましょう。公園のベンチ、電車の扉の上、コンビニのアイスクリームのケースの中。じゃあ今日はこれで解散にします。次回は食パンを各自持って集まりましょう。お兄さん、ありがとう。食パン真珠の鏡をみた人は、きっと何か励まされるでしょう」

そして気がつくと青年はもとの場所にいた。小麦粉とガラス片は消えていたが、小さな傷は手に残っていた。青年はそのままスーパーに行ってちくわを買った。明日には食パン真珠の鏡が街にあふれているだろう。ちくわを食べて自分をなくし、映らない鏡を見るのだ。


【柴田友美(しばたともみ)】

短いお話を書いています。
huochaitomomi@gmail.com

群青コースター(Kindle版)発売中!
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01MF8HE57/dgcrcom-22/


私個人のホームページ
http://mrs-mayo.babyblue.jp/menu/index.html