エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[11]来て下さい、をもう少していねいに言おう。 冬の栞
── 松岡永子(超短編ナンバーズ) ──

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◎来て下さい、をもう少していねいに言おう。



今年最初のデジクリで柴田友美さんが紹介していたとおり、第二回文学フリマ京都が1月21日(日)11:00〜 京都市勧業館みやこめっせでおこなわれます。

柴田友美さんの記事
https://bn.dgcr.com/archives/20180109110100.html


第二回文学フリマ京都の開催情報
http://bunfree.net/?kyoto_bun02


超短編マッチ箱関西支部のカタログ
https://c.bunfree.net/c/kyoto02/!/%E3%81%8F/2


超短編マッチ箱関西支部のブースには、デジクリに超短編ナンバーズとして参加している人のほか、短い物語を書く人たちの作品が並んでいます。もちろん柴田さんの本もあります。

柴田さんは、本があります見に来て下さい、と早口で言ってしまって、自分の本がどんなに面白いかも書き忘れているようなので、屋上屋を重ねておこうかと思います。

柴田さんの記事で紹介されていた『チョコレートタンタン』以外には、たとえば豆本も置いてあります。





一辺5cmの正三角形の豆本には、ほんとうに少しの言葉しか入りません。だから、たとえば、柴田友美さんの「泥の道」のほんの一部分だけを載せています。こんな感じです。

《空が墨色に暮れ、心にぽこっとあの人の顔が浮かんだ。コーヒーを見つめていて、静かな何も映らない水面に私は「あの人の走るスピード」と名付けた。そしてはっとして、それを飲み込んだ。ねえ、気が付いて。》

「泥の道」の全文は柴田友美さんのHPで読めます。
http://mrs-mayo.babyblue.jp/menu/works2.html


他に、四角い豆本も、身に着けられる字のない豆本も、フォントにこだわった本(これは普通の大きさ)などもあります。ぜひのぞいてみてください。


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◎冬の栞

年のはじめに降るのはきまって大きな牡丹雪。くるりくるりと花弁を広げて、大粒の六花が降りてきます。ふしぎなことに、その雪を読みかけの本の頁に挟むと結晶の繊細さがそのまま美しい栞になるのです。

雪を栞にするための条件は、
1、読み始めてまだ半分に達していないこと。
2、大切な本であること。
条件を満たしていても、栞にできるかどうかは五分五分。

それに、雪解けの季節までに読み終えられなければやはり本はびしょびしょになってしまいます。

愛書家はそんな冒険はしません。


【松岡永子】
mail nifatadumi@gmail.com
blog http://blog.goo.ne.jp/nifatadumi


みやこめっせまでいらしたら、道路を隔てた向かい側、ロームシアター京都にも行ってみてください。

蔦屋書店入り口にペッパー君がいて、その後ろに現代版洛中洛外図があります。金色の大きな絵だな、と遠くから眺めたら、近づいて細かいところを見てください。京都のランドマークである五重塔や京都タワーが書き込まれています。そして、京都の町にはネコがいます。

わたしの書いたブログ記事
http://blog.goo.ne.jp/nifatadumi/e/07080cc086a2bb6da8db5880414bb7ab


作者・野口琢郎さんのエッセイ
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53213362.html