最近[番外編]が多いような気がするが、たぶん暑さのせいだ。何せ命に危険を及ぼす暑さなのに、わが家にはレジアイスもないので(注・ポケGOネタです)頭を冷やすこともできないのだ。だから、小説が・・・え、台風北上で危険な暑さが和らぐ? そうなの? まあいいよね。
パソコンの前にいる時間が長い私だが、WEBのニュースの見出しが時々おかしくて精神が落ち着かなく、ついつい冷蔵庫に常備している茎わかめを食べると歯にはさまってさらにいらつく、ということがある。
前から時々書いたと思うが(書いてないかもしれないが)、長年小さな街の極小新聞社にいたせいで、またその社長が日刊の硬〜い業界紙の出身だったもので、新聞流の硬〜い見出しのつけ方はもうええわと言いたくなるほど教えられた。そうやって教えられて、今も身についているやり方は基本、昔から続いている古いやり方なのだけど、新聞の見出しのつけ方はそんなに変わってないようで、さすがオールドメディアと揶揄されるだけのことは、じゃない、すでに確立されたスタイルを持っている歴史あるメディアだけのことはあるんである。
そして、新しい媒体であるネットのニュースの見出しも基本、同じような考え方でつけられているようで、だからこそ、時々おかしくなっているようなのである。
去年、ニュースの見出しが話題になったことがある。
(2017年5月29日 NHKニュースWEB)
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官房長官 隠岐諸島から約300キロの日本海に落下か
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内容は「菅官房長官は、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことを受けて改めて記者会見し、ミサイルが島根県隠岐諸島からおよそ300キロの日本の排他的経済水域の中の日本海に落下したと見られることを明らかにしたうえで、制裁や圧力の強化に向け、アメリカや韓国など関係国と連携して対応していく考えを示しました(以下略)」というもの。
もちろん落下したのは北朝鮮のミサイルであって菅官房長官ではない。でもこの見出しだ。ネットでは「NHKの報道は雑すぎだろ。頭から落ちたのか足から着水したのか腹を盛大に打ったのか、それとも菅の四肢がバラバラになって着水したのか詳細に報道しろよ」等々「一瞬で大喜利化」し、コラがいくつも出現する騒ぎとなった。「端折りすぎてておかしなことに」という書き込みも見られたが、これは端折りすぎたのではなく、単なるミスだと思う。
正しく伝えようと思ったら、この場合まず考えられるのは
官房長官「隠岐諸島から約300キロの日本海に落下か」
と、かぎかっこをつけて引用部を区別する方法。でも、「官房長官」をあえて入れず、
ミサイル 隠岐諸島から約300キロの日本海に落下か
としたら済むか。こういうときに官房長官が出てきて、政府の見解を伝えるのは特筆すべきことでもないからわざわざ見出しに入れなくていい。やっぱり受け狙いだったのか。まさか。
今年の1月30日のWEBの産経ニュースの見出しを読んだときに一瞬、悩んだのは私だけか。(2018.1.30 16:40 産経ニュース)
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PC売却候補にシャープ 東芝、ASUSと交渉停滞
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見出しで「シャープ」と「東芝」と「ASUS」という三つのメーカーが並んでいるので、一見してその関係がどうなってるのかわかりにくい。「、」があればそこで一旦切れると思う。
ということは「、」より前はひとつながりだろうから、売却候補としてシャープ、東芝の二社があがっている・・・ようにも思えるけど、違うみたい・・・。
で、記事を読めば「経営再建中の東芝が検討しているパソコン事業の売却先候補に、シャープが浮上していることが30日、分かった。先行して進めていた台湾大手ASUS(エイスース)との交渉が停滞していることが背景にあるとみられる。(以下略)」というものだった。ああ、確かにそう言われたらそのように見える。そのようにしか見えない。
つまり、「シャープ」の後で改行すべきだったのではないかと思うが、見出しをつけた本人は「はあ? アキがあるじゃないですか。そこで切れてるっていうか、改行したようなものでしょ、ふつう」と言うのだろうか。すみません。
しかし、同じ内容の記事が京都新聞のネット版では改行が入って2行になり、さらに語順が整えられて
東芝、PC売却候補にシャープ
ASUSとの交渉停滞
これならすんなり読める。
またSankei Bizでは
東芝、PC売却候補にシャープ浮上 台湾大手ASUSと交渉停滞
改行しなくてもわかりやすい。語順の問題か。産経ニュースとSankei Bizの関係はよく知らないが、とりあえず産経ニュースの見出しはあまりよくないよね。
次の見出しも「?」だった。(2018年6月17日 Yahoo!ニュース)
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19人殺害 中3訴えた人の価値
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「中3訴えた人の価値」のどこに意味の切れ目があるのかわかりにくいので、何かの事件の裁判の話だろうか、だれかが中3を訴えたのか、中3がだれかを訴えたのか、何を訴えたのか、「中3訴えた人」って誰なの? とか、いろいろ考えてしまう。
見出しのすぐ下の記事はと見ると
「〈やまゆり園〉中3が作文に 人の価値、誰にも決められない入所者らが殺傷された相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」の人々と交流があった中学3年の男子生徒(14)が、園への思いを作文につづり、「第37回全国中学生人権作文コンテスト」(法務省など主催)の中央大会で奨励賞を受けた。題名は「人の価値」。(以下略)」
となっている。なんだそういうことかい。
Yahoo!ニュースはいろんなところからニュースの提供を受けているわけだが、見出しは自分ちでつけるのだろうか。
元の毎日新聞のサイトでは最初から見出しが「やまゆり園 中3が作文に 人の価値、誰にも決められない」となっている。よくわかる。なぜそのまま使わず、余分な(しかもわかりにくい)見出しをつけたのかと思う。
そもそも見出しに「訴えた」という言葉を持って来たのがあまりよくなかったと思う。直前の「殺害」という言葉に無意識のうちに引きずられ、なんとなく事件性のある「訴えた」に思えてしまう。違うかな。
次のは、意味がわからないというのではなく・・・。(2018年6月29日 産経新聞)
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給食の「香味漬け」にゴキブリの死骸 校内アナウンス間に合わず食べた生徒
も 群馬の中学校
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この見出しを見たらだれでも「ぎゃー」とか「おえー」と思う。絶対「ゴキブリの死骸」を「食べた生徒も」いたのだと解釈するはずだ。
でも、記事を読むと
「群馬県館林市教育委員会は29日、市立第四中学校で26日に提供された給食で、メニューの「香味漬け」に体長約3センチのゴキブリ1匹の死骸が混入していたと発表した。市教委は27日、岩上博志校長と保護者に文書で謝罪した。生徒の健康被害などの報告はないという。」ということなので、ちょっと違うようだ。
まさかこれは「ぎゃー」とか「おえー」と言わせるための見出し? それはないだろう。週刊誌の見出しでは「えっ」と思わせておいて、本文を読めば「なーんだ」ということがしょっちゅうあって、もはや週刊誌の見出しをそのまま信じるほうがあほだったりするが、これはそうではないよね? 単なるうっかりであることを望む。
さらに、つい最近のニュース。(2018年07月05日 京都新聞)
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大雨で増水の川にシカ取り残される 京都、自力で泳いで脱出
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西日本豪雨関連のニュースだが、なぜ「京都」の後に「、」をつけるのだろう。これだと「京都が自力で泳いで脱出」したみたいに思う。菅官房長官が日本海に落下するのだから、京都が自力で泳いで脱出してもいいのか。
いやあ京都はんも思い切ったことしはりますなあ、どこに脱出しはりましたんやろ、和歌山あたりですかな、意味わかりまへんわ・・・。だいたい京都新聞の記事やから、わざわざ「京都」と入れんでもええような気もしまっせ。
紙の新聞の見出しの場合、メリットはなんといっても自在に変化がつけられること。見出しには1行ですむ「1本見出し」もあれば主見出し・副見出しの2行になる「2本見出し」、さらに「3本見出し」もあったりする。
でも、2本でも3本でもそれぞれの文字の大きさや書体を変えたり、高低差(縦書きの場合)をつけたりできるのでわかりやすく、読者が混乱することは少ない。でも、WEBで同じようにできないから(いや、できないことはないだろうけど)、やっぱりそれなりの工夫が必要になってくるのだ。
読売オンラインを見ると、「…」を活用しているようだ。(いずれも2018年7月25日)
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西日本などで酷暑…台風29日にも本州上陸か
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着服・備品売却・横領か…吹奏楽部顧問を懲戒免
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東京駅で「張り水」…丸の内広場に涼しい光景
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そうなんですか…。
ハフポストは従来のニュースサイトとはちょっと違うかもしれないが、見出しに「。」を使っている。紙の新聞の見出しではありえないので軽く驚くが、確かに、どこで切れるのかわからなくなる心配はない。言葉遣いも、何が何でも簡潔にという縛りから自由なようで、わかりやすい。(下。いずれも2018年7月24日)
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甲子園の京都予選、猛暑で異例のナイター開催。高野連「どうにか対策を練ら
ないと」
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渡辺直美さんが「グレーテスト・ショーマン」の髭女に大変身。クオリティが
高すぎてヤバい
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「:」も使っている。
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エレベーターのボタンの配列:研究員の眼
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あーなるほど。そうなんだよね。要はわかりやすく事実を伝えるということなんだから、そのために記号を使ったり、いろいろ試みられていいはずだ。
というわけで今後の変化に期待しつつ、ニュースサイトの見出しウォッチングは続く(たぶん)。
【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
http://midtan.net/
http://koo-yamashita.main.jp/wp/
何回か前に財布を買った話をここに書いたが、その財布が使いにくくて、結局その後も財布を求めてさまよっていた。その過程で財布にはアウトドア用とかトラベル用とかいうカテゴリーがあることを知る。
長財布派の女子がパーティーなどではパーティー用バッグに入らないからわざわざ小さな財布を別に購入することもある、ということも。財布の世界も広い。
で、私は無印のトラベル用ウォレットを購入して現在使用中。めちゃコンパクトで感動します。もっと派手だといいんだけど、なにしろ無印だから……というより、トラベル用はスリに遭ったりしないよう目立たないほうがいいんだそうだ。