こんにちは、森和恵です。いよいよ秋めいてきましたね。今回は、AdobeMAX・アプリのバージョンアップなど最近のAdobe関連のニュースをまとめます。
さてまずは、台風19号でたいへんな思いをされていらっしゃる方へ、心よりお見舞い申し上げます。
わたしは関西に住んでいて今回の被害は免れましたが、いつ自分の身に降りかかるかわからないと気を引き締めております。
支援活動もすでに始まっているようで、現金だけではなく各社ポイントで支援する募金もあるようです。わずかながらですが、少しでもお役に立てていただければと思います。
▽楽天クラッチ募金-令和元年台風19号被害支援募金
https://corp.rakuten.co.jp/donation/typhoon201910_ja/typhoon201910_ja.html
▽令和元年台風19号緊急災害支援募金(Yahoo!基金)
https://donation.yahoo.co.jp/detail/1630043/
●今年の〈Adobe MAX Japan〉は、12月3日開催
毎年開催される Adobeのイベント〈Adobe MAX Japan〉のサイトが公開され、受付がスタートしています。今年は少し遅めの12月3日開催で、とうとう有料になりました。
▼Adobe MAX 2019
https://maxjapan.adobe.com/
今年はウェブ系のセッションが少なめで、イラストや動画などのセッションが目立ちます。動画の需要が上がっていることや、新製品の関連でそうなっているのだと思います。
動画のセッションには力が入っているようなので、Premireや After Effectsなどに興味のある方は見に行って損はなさそうです。
わたしは、ウェブ系、特にコーディング系のセッションが少なめなので、参加しようかどうか迷いましたが、日帰りでサクッと気になるセッションだけを見に行こうかと思っています。
まだ発表がないだけかもしれませんが、有料イベントになったことで、ライブでのセッション配信はされなさそうですね。あっても、後日録画公開となるような気がします。
後でネットで見ればいいや……ができないかも知れないので、セッションを覗いてみて、気になるものがあれば参加してみてはいかがでしょうか?
●Creative Cloud デスクトップアプリケーションのバージョンアップ
Adobe CCのアプリをインストールしている場合、『Creative Cloud デスクトップ』が常駐アプリとして動いています。
Windowsだとタスクバー右側の通知領域(タスクトレイ)に、Macだとメニューバー右側のステイタスメニューに『Creative Cloud デスクトップ』アイコンが表示されています。
『Creative Cloud デスクトップ』を起動させないと、アクティベーションが有効にならず、アプリケーションを起動時に「ライセンスが認証されていない」とメッセージが表示されて、アプリが利用できないこともあります。
それ以外では、アプリのバージョンアップ時ぐらいしか目にする機会がなかった『Creative Cloud デスクトップ』が、大幅にバージョンアップされました。
▼Adobe Creative Cloud デスクトップアプリケーションのリリースノート
https://helpx.adobe.com/jp/creative-cloud/release-note/cc-release-notes.html
メイン機能のアプリのインストール管理は、[アプリ]タブでおこないます。ここに機能の追加はないものの、画面が広がったこと・UIが整理されたことで、使い勝手が向上しました。
アップデート可能なアプリがすぐ確認できたり、目的のアプリを見つけたり、アプリごとの詳細情報にアクセスしやすくなりました。
また、右上のアイコンから環境設定・ヘルプ・AdobeFonts・お知らせ・クラウドファイルなどにすぐアクセスできるようにもなりました。
▼Creative Cloud デスクトップアプリケーションを使用して、アプリケーションとサービスを管理できます。
https://helpx.adobe.com/jp/creative-cloud/help/manage-apps-services-desktop.html
ダメだしをひとつだけ。バージョンアップ後に古いアプリが消えてしまって驚いたのですが、[ファイル]→[環境設定]→[アプリ]の[古いアプリを表示]をオンにすることですべてのアプリが表示されました。
※Mac版は[Creative Cloud]→[環境設定]→[アプリ]です。
わたしは、過去に作ったウェブサイトのメンテナンスのためにFireworksというアプリを使っているのですが、Fireworksをインストールしているのにインストール済みアプリの一覧に表示されなくなったので「とうとうアプリから外されたか……」とひやりとしましたが、残されていて良かったです。
アプリがなくなると、過去のデータが一切触れなくなってしまいますから、ドキドキでした。
わたしがどのようにこの情報にたどり着いたかというと、サポートページを検索して、次のページを見つけて知りました。
▼アドビがマイアプリの開発を中止した理由について
https://helpx.adobe.com/jp/creative-cloud/kb/why-has-adobe-stopped-developing-my-app-.html
Fireworksは開発が中止されてしまったアプリ、というのは理解しているのですが、せめて既にインストールしているマシンには、注意メッセージを表示するなどの配慮があるとうれしいなと思いました。許可なくいきなり変わってしまうと、本当に焦りますよね。
追加された新機能として、[作品]タブからCCライブラリにアクセスできるようになりました。
CCライブラリとは、各アプリで作ったパーツをクラウド上に登録したライブラリのことで、イラスト・写真・カラー・文字スタイルなど、さまざまな種類のライブラリを各アプリ間で共有できる仕組みです。
これまで、PhotoshopやIllustratorなど、各アプリのCCライブラリパネルでおこなっていたライブラリの管理が一括ででき、効率がよくなりました。
▼Adobe Creative Cloud アセットの参照、検索、同期、管理
https://helpx.adobe.com/jp/creative-cloud/help/sync-files.html
●Adobe XD 10月アップデート
先日、10月のアップデートが行われました。9月アップデートでは追加機能がなかったので、2か月ぶりのアップデートです。
今回は、ブレンド効果・位置とサイズの微調整・重なり合うレイヤーの順次選択と3つの機能が加わりました。
▼機能の概要 | Adobe XD 2019年8月および10月リリース
https://helpx.adobe.com/jp/xd/help/whats-new.html
ブレンド効果とは、PhotoshopやIllustratorでいう描画モードのことで、2つのオブジェクトの重ね合わせに、乗算・焼き込み・スクリーン・オーバーレイなどの効果を加えて色を混ぜ合わせる効果です。
例えば、Photoshopで写真の色が薄くぼやけている時に、レイヤーを複製して同じ写真を2枚重ね、上のレイヤーの描画モードを[乗算]にして色を重ねて色を濃くしたりします。
XDでは、オブジェクトを選択してプロパティの[描画モード]を指定します。
位置とサイズの微調整では、キーボードを利用したオブジェクトの移動やサイズの変更ができるようになりました。
選択したオブジェクトを、矢印キーでその方向へ1px移動することは以前からできましたが、今回からPhotoshopやIllustratorと同じように[shift]キーを押すと10px単位で移動ができるようになりました。
また、[Alt]([option])キーを押しながら矢印キーを押すと、その方向へサイズが変更できるようになりました。
重なり合うレイヤーの順次選択では、[ctrl]([command])キーを押しながらオブジェクトを選択すると、どの階層にあっても選択状態となり、同じ操作を繰り返すと、順次下の階層のオブジェクトが選べるようになりました。
これによって、オブジェクトがグループやシンボル化されていても、ダブルクリックで開くことなく、すぐに選択できるので、ストレスがだいぶ改善されそうです。
XDも毎月バージョンアップを続けていますが、今年に入って少しペースダウンしているような気がします。ある程度必要な機能も出そろって、操作方法も固まってきた印象がありますね。
これから使いたい方は、そろそろ安心して使える時期が来ているような気がします。
近日中に今回のAdobeXDの新機能を、次の再生リストに追加しますので、よかったら見に来てください。
https://www.youtube.com/playlist?list=PL7LtdGFp5DwR6RVe3q0p7Y8fia-iExJnU
さて今回はこの辺で。ではまた、次回お目にかかりましょう!
(^^)
追伸:前回のコラムで紹介した技術書典7で頒布した本、どちらも残り30冊となりました。残りのあるうちにぜひ、お求めくださいませ。
https://r360study.booth.pm/
【森 和恵 r360studio ウェブ系インストラクター】
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