装飾山イバラ道[23]グリーンは部屋を救う──ハイドロカルチャー/武田瑛夢

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涼しくなって季節の衣替えをする。ついでに部屋を片付けたら、殺風景さに気がついた。白い壁側はテレビと中途半端な棚、全く使っていないハイチェア。椅子だけは妙にたくさんあってスッキリもしていない。

参考にインテリア雑誌を見ると、かっこいいグリーンが部屋のポイントになっている。最近は人工の観葉植物でも光触媒で部屋の空気をクリーンにしてくれるものがあるし、フェイクでも良いなと思って探し始めた。

光触媒の造花は白いカサブランカのものを持っている。白い造花はどんなへやにも合って素敵だけれど、ホコリがたまりやすいし汚れたら雰囲気も台無しなので光触媒加工のものがお勧め。本当にホコリがつきにくいし、少しくすんだ程度なら逆さまにしてパパッと振れば綺麗になってしまう。造花はバスケットタイプで小さいので、空気の浄化についてはいまいち実感はない。

ただ造花の悲しいところは、世話いらずなので置いた場所に一旦なじむと溶け込みすぎてしまうことだ。そこにあるのを忘れてしまう。デパートの屋上への階段の踊り場でホコリをかぶって忘れ去られている人工グリーンのように。

どんなに小さくても本物の植物なら、状態を気にする癖がつくのでコミュニケーションがある。小さなコップに挿した本物の葉っぱのかわいらしさは、ゴージャスな造花に負けない。生きているかいないかの違いは大きい。



私にとっての生きた観葉植物の入門編は、下北沢のグリーン店で高さ20センチサイズのサトイモ系のものを、2つ目は大学でもらったオリヅルランの子株を自分でグラスに植えたもの。育てやすいものでないと、結局かわいそうなことになるので扱いのやさしいものからスタート。

いろいろ探した結果、3つ目は本物の大きなモンステラを買った。ホップ・ステップ・ジャンプの最後で突然無茶をした感じ。夏がとっくに終わって時期を外している気がするけれど、寒くなる前に購入しておこうと思った。観葉植物の生産地の鹿児島から直送してもらう。高さ1メートル20センチを超えるタイプ。テーブルグリーンはかわいいけれど、いくつ並べても大きな変化はない。このさい、インテリアとして部屋に変化を与えるパワーが欲しかった。緑に頼ったのである。

生ものと冷凍食品が届く時はいつも必ず家にいるけれど、植物の場合も確実に家にいる時間を指定した。鹿児島からやっと届くのに、うっかり不在で配送センターに逆戻りはさせられない。到着時間になると、ガラガラと音を立てる台車に乗ってモンステラは長旅を終えた。段ボール箱は目線の高さはある大きなものだ。

箱の外側には、天地の指示や絶対に倒さないようになどの注意事項がうるさいぐらいにマジックで書いてある。中には、陶器製の鉢に植えられた生きた植物が入っているのだから、気をつけて運んで欲しいという生産者の想いが伝わってくる。

開けてみると、これまたがっしりと固定された鉢とソフトにビニールでまとめられた葉のモンステラが入っていた。植物や花は梱包の手間にかなりの神経を使うものなんだな。私は額縁などの梱包はよくするけれど、これを見ると植物を自分で送るのは自信が持てない。今回は無事に届いて良かった。

慎重に梱包を外して壁際へ置いてみる。スマートでなかなかの雰囲気だ。少し葉っぱの数が少ないけれど、これから増えるだろうか。

・モンステラ
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拡大(640×480)
< http://www.eimu.com/dgcol/mon2.jpg >

iPhoneで写真を撮ってみる。サイズは手前に置いてあるジョーバとの比較でおわかりいただけるだろうか。部屋がスッキリしない理由が、こういった電気製品のせいでもあることに気づく。むしろサルの方が目につくのかも? しかし、モンステラのおかげで部屋に有機的な変化がついて良かった。

モンステラというのは、ラテン語で「怪物」という意味を持つモンストラムという言葉から来ているそう。モンスターってことでしょうか。うちに来たものにも葉のやぶれがあるけれど、もっと大きなものだと本当にオバケのように迫力がある。私は上にボリュームがある形が好きなようで、オーガスタなども憧れだ。しかし、モンステラの方が室内の明るさ程度で耐陰性、耐寒性があるというので選んだ。

私の観葉植物はすべて、「ハイドロカルチャー」という水耕栽培のものだ。土を使わずに、セラミスやネオコールというような人工の石の粒のようなものを入れてある。この粒は粘土を焼き上げて発砲させたものや炭のようなもので、保水効果があり水やりの回数が少なくて済む。なにより清潔だ。

土は栄養豊富で植物には良いけれど、どうしても虫の発生などがありそう。私は超がつくほど虫が嫌い。土のように有機物が豊富ということは、絶対に「何かいる」感じがするのだ。実際にいるし。

ハイドロカルチャーの利点はたくさんあるけれど「鉢底に穴がない」というのも良いところ。水が容器の中にたまるようになっている仕組みで、底からの水のしみ出しがないのでリビングにも安心して置ける。

もしかすると、今以上に大きく育てるには、ハイドロカルチャーのままでは無理かもしれない。様子を見ながら鉢を変えていこうと思う。身長を超えるサイズになるだろうか。なんといっても、まだ観葉植物は3つ目だし、冬を越えたこともない。うちの母はベランダが鉢だらけでいつも注意していたけれど、自分もそうならないようにセーブしよう。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
ノートパソコンを運ぶリュックを新しくしたら、重さの感じ方がぐっと減った。私のはだいぶ古い白いiBookなので、新しいMacBookだと軽そうでいいな。大きい方のProだと、せっかく買ったリュックに入らないだろうななどと思いめぐらす。

装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
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やさしいデザイン―誰でもかんたん、レイアウト・配色・文字組
武田 瑛夢
エムディエヌコーポレーション 2007-09

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by G-Tools , 2008/10/28