装飾山イバラ道[53]池袋三昧な日/武田瑛夢

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テレビ好きでお風呂のテレビも飽きずに見ている私だけれど、さほど機械や家電が好きというわけでもない。でも、小さい時から家の中で電気製品を選ぶ役目になったり、電話工事みたいなことをしてきた。うちは母子家庭だったので家の中の大人は母しかおらず、私たち姉妹はいろいろなことが自分でできるように育てられたのだ。

ところが母ときたら、時計の電池も自分で替えられないタイプの人だ。腕時計の電池交換は一般的に時計屋さんに頼むのはあたり前だけれど、普通の目覚まし時計なのに時計屋さんにまるごと持って行って、電池を替えてもらっていたのを覚えている。それはダメでしょうと気づいた時には、私はもう大人だったけれど。母が電気オンチ的な自分を自覚していたからこそ、子供に自分で処理する能力が身に付けば良いと思っていたのかも。

ということで、電気製品について教えられた覚えもないし、自ら興味があったわけでもない。ただ必要であったことは確かで、誰かがやらねばという状況が自然とできるようにさせたと思う。

私のだんなさんも押し入れの中が自作PCの墓場みたいな人なので、彼の実家にいた当初から、家の中で家電部門や配線部門を任せられがちだ。今回はお義母さんの実家のテレビを購入するのを頼まれて、池袋のヤマダ電機に行って来た。昨今の家電ブームでバラエティ番組にもよく登場する。特に池袋は今は秋葉原よりも熱い激戦区らしい。東口の「LABI1 日本総本店 池袋店」に行ってみて、そのテレビ販売の本気ぶりにはびっくりした。



・ヤマダ電機
< http://www.yamada-denki.jp/ >

●たぶん日本一テレビが売れている現場

まず1階の入り口を入ってテレビ売り場のフロアを探そうとすると、もう1階のフロア全てがテレビ売り場というストレートさ。32インチの液晶テレビを頼まれていたので探そうとすると「32」と大きく書かれた看板が目に入るし、そもそも売り場中央のほとんどが32インチのテレビだった。まだ店に入ってちょっとしか時間が経っていないのに、探しているものが目の前にあるのだ。

というのも、32インチはとても売れているサイズらしい。行ったのが休日だったせいかものすごい人だかりで、店員さんに質問する隙がない。他店のように、今話している人が終わったらすぐにその店員さんを捕まえようかと狙っていたけれど、ここはそんなに甘いものではなかった。

店の中央付近に、謎のすごく長い人の列がある。何かの特売かしらと思ったが、実はその列が「店員さん待ちの列」だったのだ。買う気がある人が、具体的に店員さんに相談するには、まずはその列に並んで権利を得ねばならないらしかった。さっさとテレビを注文したら「ナムコ・ナンジャタウン」にでも行って遊ぼうと思っていたのに、このままでは丸一日潰れてしまいそう。

特に看板で誘導もしていないこの列が、そういう列だということをなぜ皆知っているのかとっても不思議だった。皆決めるまで何回も来ているのか、ネットで情報を調べてるのかな。他の作業途中の店員さんに、アンテナ工事費は別に見積もるということだけを聞いてその場を後にした。予定をガガッと変更して、とりあえずナムコ・ナンジャタウンで遊んでテレビの件は後で考えよう。

●ナムコ・ナンジャタウンで暇つぶし

ナムコ・ナンジャタウンは手軽さが気に入って何度か訪れている。いろんな餃子が食べられる「池袋餃子スタジアム」や「アイスクリームシティ」があって、遊園地的なアトラクションも入っている。ビルの中にあるので天候を気にせず気楽に行けるところがいいし、アトラクションに興味がなくても大人300円の入園料で入場できる。

・ナムコ・ナンジャタウン
< http://www.namja.jp/ >

いろいろ食べたけれど、餃子だったら「安亭」のベーシックなタイプが一番おいしいと思った。小さくて皮も薄い餃子なのに、私が餃子に求めているものがバッチリ入っている感じ。アイスクリームは未だに、これ! というものに出会っていないけれど、お土産で買って来た沖縄のブルーシールの紅芋アイスがなめらかでおいしかった。でも、ブルーシールならすぐそばに池袋サンシャインシティ店があるので、アイスクリームシティの入園料を払わなくても買えるんだけれど......。

・ブルーシール
< http://www.blueseal.co.jp/ >

アイスクリームシティでは、全国のカップのアイスクリームが買える「カップアイス博物館」があって、コンビニのような冷凍ショーケースにずらりと並んでいて壮観。懐かしいふるさとのアイスを買うチャンスかも。九州の天文館むじゃきの白くまとか、地方発送してもらうには送料が気になるものも、手持ちでお土産にできる。

お土産用のアイスのクーラーバッグは、2時間の袋か8時間のボックスかで選ぶことができ、今回はカップアイス5コだったので2時間の袋タイプに入れてもらった。池袋の駅まで帰る道すがら、だんなさんがもう一度ヤマダ電機によって様子を見たいと言う。確かに、閉店まぎわの電機屋さんにお得チャンスがあるのは知っていたので、ちょっと寄ることにする。

●休日でも買いやすい時間帯

店に入ると昼間見た混雑は消えてすっきりとしていた。しかも黄色い貼り紙で「本日価格!」というのが新たに貼られている。この貼り紙は昼間にはなかったし、だいたい1万円位づつ安いみたい。休日の終わりの遅い時間に安くなるというのは、私たちが自分のテレビを買った時にも感じていたことだ。

中央にあった「店員さん待ちの列」には3人位しか並んでいなかったので、今度は並ぶことにする。でも、私はだんなさんの背中のリュックに入れた、保冷袋入りアイスが融けないかが心配だった。「長引くようなら先にアイスを持って帰るから」と、自分にとっての優先順位を告げて一緒に並ぶ。

サイズや予算などの条件を話すと、おすすめのテレビへと案内される。特価の札を見つけた件を話すと、あっちは処分品だけれど、今話したこの現行品もポイントを考えるとそれ以下の価格にできると言う。

結局、ソニーの32インチの10万円位のテレビが、エコポイントやカードポイントを引くと4万円台になる計算。そうなるとうちの10インチの防水お風呂テレビとあまり変わらない値段かも。売れ筋サイズは流通量がハンパじゃなく多いから、値引率の旨味もたっぷりということか。

●販売システムの効率化

買う機種と工事関連の用件の書類を作ってもらった後は、お会計レジへと引き継がれる。店員さんとはそこでお礼を言ってさよならだ。他店だと会計まで担当者が同じことが多いけれど、商品知識のある店員がすぐに次のお客につくシステムは効率的だと思った。こういった流れ作業の方式でないと、昼間見た大量のお客さんは捌けないということだろう。今日一日だけで、いったい何台のテレビを売ったのだろうか。

今回は頼まれていたテレビだったので、なんとか決められてホっとした。アイスも融けずに持ち帰れた。ナンジャタウンに行く前に寄った駅前の「タカセ」という、昭和レトロな雰囲気のパン屋さんのこしあんパンもおいしかった。いろんな店がぎっしり詰まった池袋の町は、たまに行くと新鮮だ。

テレビは3月中に買うのが良いという噂が、情報番組の煽りだったのか本当だったのかはこれからになってみないとわからないけれど、春の嵐のようにテレビが売れた週末だったのは確かだ。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/ >

パラノーマル・アクティビティ [Blu-ray]「パラノーマル・アクティビティ」が見たかったので、だんなさんにまだ公開してる映画館を調べるように言ったのに、「ほぼ終わったみたい」とのこと。でも、池袋を歩いてたらしっかり看板があって「まだやってるじゃん!」。さては怖いから見たくないな。辛いものと怖いものは、私しか好きじゃないので困る。