装飾山イバラ道[95]3月になると考えること/武田瑛夢

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震災から一年が経つが、あの時のことを思い出す場面は減ることがない。3月の季節の温度からも、異なる季節を通り過ぎていた時とは違う、鮮明な記憶が蘇って来る。昨年の今頃の記事をリンクしておく。

装飾山イバラ道[74]キツツキを見上げた日/武田瑛夢
< http://bn.dgcr.com/archives/20110412140200.html >

布団をかぶってニュースを聞いていた、震災の頃に危惧したいくつかのことは本当になり、いくつかのことは取り越し苦労だった。そして、震災ではいくつかどころではない程の、悲しい出来事が起こっていたことを知った。まだ知らないことも多いだろう。

大変な思いを経験した数多くの人たちが、少しでも時間によって癒されているといいと願うけれど、時間が経ってしまうこともまた同時に辛いということもあるかもしれない。




●いつもと変わらぬ日常に感謝する

結局、私は今年もこの時期にはだんなさんと確定申告を提出しに行ったり、お墓参りをしたりしていた。羽根木公園にも行ったし、おいしいお寿司も食べた。意識的に昨年と同じように過ごしたようなところもある。

確定申告はたった一年にあったことをまとめる作業だけれど、お墓参りで家族の過去を振り返ったりすることは長い時間に想いをはせることになる。子供の頃には怖かったお墓。今はお墓参りの季節のお墓なら、知らない人たちのお墓にも新しいお花が添えられていて清々しい感じがする。

あいかわらず水や食べ物は自分の考えで調達しているけれど、そのやり方を決めてしまったことでだいぶ楽になった。近所で買えるものと通販で買うものとをしっかり分けているので、重たい買い物はかなり減った。

非常用の備えとしては、手回しでiPhoneを充電できる充電器付きラジオを注文した。いろいろな機器が役に立ちそうだけれど、やはりiPhoneがON状態だということが一番安心できそうだからだ。外で何をしたら良いかわからない時でも、手回し作業でいったん落ち着けそうな気もする。

非常食のアルファ米は残念ながら入荷待ちだ。水のストックは使わない部屋に並べているけれど、自分の家にいられれば使えるものばかりなので、実際はどうなるかはわからない。いつも持ち歩く小さい非常用のセットを作るつもりだ。緊急持ち出し袋というよりも、外にいる時に何かあった時のために便利なものを入れておきたい。

そしていつ何があってもいいように備えるのは、命の時間の心配だけじゃなく、人生の心配もあることを最近思う。いつでも今日が最期でも構わないような充実した日々を送らななくてはと焦っても、それほど変わるわけではないけれど。多くの人の経験から「大事にする」ということを学んだ。人との関係も時間も過去の人生も全部を大事にする。

人への感謝って伝えにくいところが難しい。非常用の備蓄のように簡単にはいかない。感謝をなんとか良い行動へつなげて行きたいと思う3月であった。

【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/ >

「世界の料理ショー」の録画をお風呂で見ていると、豪快ながら繊細な作業が多いのに驚く。結局は「ワインとバターを大量に使った甘酸っぱい味付けの肉料理」が圧倒的に多いので(笑)、自分の料理にそのまま生かせるものは少ないけれど、焼き色を付けるための工夫はとても参考になる。肉の水分やソースの糖分、鍋肌の温度にきっちり注意するのがコツみたいだ。