はぐれDEATH[24]はぐれの電波妄想はWi-Fiリストに恐怖する/藤原ヨウコウ

投稿:  著者:  読了時間:9分(本文:約4,000文字)



別にボクが電波系とかいうお話ではない。電波系かもしれないけど(笑)

京阪電車に乗って京橋駅で降り、JR環状線京橋駅に乗り換え、鶴橋駅で更に近鉄に乗り換える。で、いちいちiPhone君がWi-Fiを拾ってくれるのだが、とにかく量が凄まじい。

ボクはiPhone以外のスマホを使ったことがないので分からないのだが、とにかくWi-Fiのリストがずらっと並ぶ。使えないのばっかりだけど。

Wi-Fiに関しては伏見の仮住処と出向先で繋ぐだけ、その他は普通に(?)4G通信となるわけだが、これをボクはほとんど使わない。月に1GBいかない。歩きスマホもしないし(老眼のせいで出来ない)せいぜい業務メールぐらい。

ボクのスマホネタはかつて記したのでここまで。本筋はここからである。





目に見えない電波を気にする人は稀だろう。よほどの山間部にでも行かない限り「この国は得体の知れない電波に覆われているのでわ?」と勘繰ったりするのは、ボクのようなひねくれ者だけかもしれない。ちなみにボクの生活圏内では、無数のイマイチ役に立たない電波が飛び交っている。

いつの間にか日常生活の一部になってしまっている、この目に見えないヤツらがスマホのWi-Fiリストという形で目の当たりにして、薄々気になっていた電波に気持ちの悪さを感じ始めている。

関東にいたときは全然気にならなかったのに、ナゼか京都に戻ってきて京橋経由で出向をするようになってから、ひどい違和感というかなんというか、妙な感じなのだ。

伏見が長閑(のどか)すぎ、という指摘もあるかもしれない。否定はしないけどね。じっさいボケボケしているので、ボクは気に入っている。伏見以外の場所で見るWi-Fiのリストは、何某かの強迫概念をボクに与えているのかもしれない。主に京橋だけど。

一般家庭にある通信機器が固定電話しかなかった頃は、こんなアホなことを考えもしなかったが(もっとも固定電話は有線だが)携帯電話が普及し始めて、ボクの電波妄想は始まった。

一般家庭に無線電波が最初に普及したのはラジオだろう。日本初のラジオ放送は、1925年(大正14年)3月22日9時30分、社団法人東京放送局(JOAK:現在のNHK東京ラジオ第1放送。略称:AK)が東京・芝浦の東京高等工芸学校(千葉大学工学部の前身)内に設けた仮送信所から発したものだそうだ。

テレビが始まるまで、一般家庭での電波系媒体の主流だったことは敢えて書くまでもないだろう。

ボクが中高生ぐらいの頃は、深夜ラジオを聞くのがちょっとした流行だったのだが、ボクは寝るのが早いので(昔からだ)肝心の深夜には爆睡している。

同級生の会話には当然ついていけないのだが、夜は寝る時間と頑なに信じ込んでいる節があるので、当時(今もだけど)会話についていけないからといって疎外感を味わったことはない。むしろ「そんな時間まで起きてて、朝よう登校できるなぁ」と感心してたぐらいだ。

ラジオの娯楽も掘り出すと面白そうだが、キリがなさそうで、面倒くさいのでいつも通りじゃんじゃん飛ばす。

とここまできて、ふと「場所と設備を選ぶが電報というのもそうなのか?」と思って、ちょいとググったらこっちは有線だった。逓信省の管轄だったようだ。

ついでにちょろっと調べたのだが、ボクが「電波」と呼んでいるのは「電信」と呼称するのが通例のようだ。ラジオも後述するテレビもアマチュア無線も、この中に含まれるらしい。この稿では、あくまでもボクのうやむやな定義の電波で統一表記することにする。

で、テレビだ。1953年(昭和28年)2月1日、日本放送協会(NHK)のテレビ放送が開始だそうだ。普及の歴史もじゃんじゃん飛ばす。

ちなみにボクが、無線電波というのを初めて意識したのはタクシー無線。続いてアマチュア無線となる。ラジオもテレビも生まれたときには一応あったので、無線電波を意識することはなかった。

それでも、母方の祖父の家は周りを山で囲まれていたので、受信状態はとてもじゃないが良好とは言えなかった。あの時の体験で「テレビも無線電波なんや」と確信したのだ。今からでは想像もできないだろうが、そんな時代もあったのである。

携帯電話の前にはポケベルなどというものもあったが、もう今や完全に化石やな。短い生涯だった。合掌。

そして携帯電話が登場する。気がついたら周りは携帯電話一色で、ただただ狼狽していたのだが、祇園祭の大工さんのお手伝いの直前になって「どうやら携帯を持たないとマズイっぽい」と思い、ボクも持つことにした。大工さんのお仕事中に、本業の依頼電話が入ってくるのを恐れたのだ。

大工さんのお手伝いの期間は文芸雑誌の締め切りと被るので、当然依頼そのものも被ることになる。

お仕事さえ入ってしまえばこっちのものだが、とにかく文芸雑誌は時間が勝負なのである。来るお仕事はきっちりゲットしないと困る。実に分かりやすい理由である。

もっとも、大工さんのお手伝いをしていないときは家にいるので、携帯はあんまり役に立たなかったりもするのだが。

21世紀の現代は、ボクが生まれ育った昭和の日本の空間を飛び交っていた電波の量とは桁違いだろう。情報そのものの量は言うまでもない。情報の質はあえて言及しない。

ここも掘り出したらキリがないからだ。ボク如きが口を挟む件ではないし、その気もまったくない。ややこしい事に首を突っ込むのは御免である。なのでどんどん飛ばして先にいく。

ちなみに現代のテレビ電波に関してはもうさっぱり分からない。BSくらいまではなんとかついていけたのだが、CSだの地デジだのになると、使ったこともないのでチンプンカンプンである。

実家の今あるテレビのリモコンの使い方も、ボクは分からないのだ。あのボタンの量で触る気すらしなくなる。多すぎやろう。この辺は察していただきたい。

テレビついでに、最近4Kだの5Kだのが会話の中で出てきて、大ボケをぶっかました。バブル末期の印刷会社に勤務していたので、つい3K(きつい、きたない、きけん)を思いついてしまった。

「最近また何か加わったのかなぁ」と思って話をしていたら、話が全然繋がらない。画面解像度の話だということに気がつくにの、かなり時間がかかった。おまけに、今のテレビって液晶なんですね……でかいけど薄い。

実はこの時流にもしっかり乗り損ねているのだがまぁ良かろう。どうせ見てないんだし、必要性も感じない。

脱線ついでにもう一つ。地デジになった時にNHKはなぜスクランブルを導入しなかったのだろう? ちょうど買い換え需要があったはずなんだから、そこに紛れ混ませれば良さそうなものをそのままスルーしてしまうから、受信料の件がいつまでたってもややこしいままになるのだ。アホちゃうか……。

電波といえば人工衛星からのものもある。こっちは宇宙からですぞ。通信用は言うに及ばず、GPSだのなんだの(GPSしか思いつかなかったのは内緒だ)色々あるだろう。世間様は自然界の紫外線で大騒ぎしているが、個人的には衛星からの電波の方がよほど気になる。監視されてるみたいだし。

直接、日常生活とは関係ないが、レーダーだって色んな種類のものがあるらしい。らしい、というのは興味があんまりないからだ。レーダーの基本原理は電波を対象物にむけて発信し、その反射波を測定する事で様々な情報を得る。航空用レーダーなどは分かりやすい例だろう。

これに軍事が絡むともうワケが分からん。どこの国がどんなレーダーを使って何を監視しているのか、もちろん分からないし、ステルスがどうのチャフがどうのと言われても混乱するだけである。

そういえば、ひと昔前は携帯電話から出る電磁波が、人体に及ぼす影響がどうのこうのという話もあったが、いつの間にか聞かなくなった。結局、どんな結論になったんだろう? ただの都市伝説か? それとも業界をあげてウヤムヤにしたのか?

このようにして、ただでさえ怪しげな電波はどんどん怪しくなる。ボクが知らないだけかもしれないが(実際知らないんだけど)、ボクの中では電波が得体の知れない何かにどんどん変化していっている。

ボクが過敏なのか、世間が鈍感なのか、そもそも世間様ではこのような事は気にするようなことですらないのかもしれない。ただボクは気になるのだ。

前にスマホの件でも白状したが、今の日常生活の中の常識とやらが、ボクには胡散臭くて仕方がない。デジタル一辺倒になってから不信感は増すばかりで、それこそ電波系的な被害妄想になりかねない。

いや、何かの電波を受信してこの作文を書いてるわけではありません。多分、自分の頭で考えていると思う。無意識にのうちに変な電波を受信して書いてるとかはイヤやなぁ……五感ははたらかせているつもりですがね。

ボクが素直に信用できたり、諦めたりできるのは、あくまでも自分の五感である。万能ではないので取りこぼしや変な歪みがあるだろうが、それでも自分にもともと備わっている自然な能力である。

基準になるのは五感を通じて感じたり、考えたりしたことしかない。もちろん、他者からの意見に耳を貸さない、というわけではない。肯定するかしないかは、あくまでもボク自身である。決めるのだって基準がなければどうにもならん。

極端な自然主義者ではないし、テクノロジー否定論者でもない。

それでも京橋の駅に着いてWi-Fiのリストがずらり並ぶと、「電波にだまされてるのでは?」とつい思ってしまうのだ。

これもまたはぐれの歪な価値観なのだろう。


【フジワラヨウコウ/森山由海/藤原ヨウコウ】
YowKow Fujiwara/yoShimi moriyama
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装画・挿絵で口に糊するエカキ。お仕事常時募集中。というか、くれっ!