もじもじトーク[70]「フォントおじさん」誕生まで/関口浩之

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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。

今日から九州出張です。生まれて初めて、鹿児島を訪問するのですが、事前に何も調べていないので、「西郷隆盛」しか頭に浮かびません(笑)

おまけに、どこに、西郷どんの銅像があるのかも理解していません……。よーし、これから調べよう。

あっ、鹿児島のことを調べる前に、やらなくてはいけないことがありました。記念すべき70本目の「もじもじトーク」を書きあげましょう。




●HTML5 Experts.jpからの取材

僕の好きなWebサイトのひとつに、「HTML5 Experts.jp」というWeb技術者向けの情報サイトがあります。

https://html5experts.jp/

このサイト、とても清々しいのです。広告が出てきません。ほとんどの情報サイトでは、広告スペース、ありますよね。それが一切ないのです。

広告が出てこない記事は、思考を妨げることなく、とにかく読みやすいです。

HTML5 Experts.jpは、限りなく非営利に近いこと、そして、限りなく中立に近いことが特徴です。「限りなく」という表現が好きです。

そして、Web技術者向けの質の高い情報を発信し続けるため、編集者は、その道のエキスパートのみで構成されています。日頃、お世話になっている方々がずらっーと出てきます。

エキスパート紹介
https://html5experts.jp/author/

前置きが長くなりましたが、先週月曜日、HTML5 Experts.jpの白石編集長から、取材を受けました。

白石さんのことは、以前から存じ上げていたのですが、セミナーで「こんにちはー」って、お互いに挨拶を交わすぐらいの関係でした。なので、じっくりお話する機会があるといいなぁーと、ずっと思っていたのです。

60分間という限られた時間の対談だったのですが、冒頭、お互いのバックグラウンドの紹介や、インターネットの夜明け話、お互いの黒歴史(?)など、もろもろ脱線話をしていたら、あっという間に30分ぐらい経過してしまいました。

後半は、白石さんからインタビュー形式で、サクサクっとテンポよく時間が過ぎました。

●「フォントおじさん」誕生まで

取材前に、「『フォントおじさん』誕生まで」という見出しが使われることは、想定してなかったと思います。

冒頭で、「どういう経緯で、フォントの仕事に関わることになったの?」という質問がありました。

その取材の日は、文字ネタとして、「1970年代のレコードジャケットの文字」を調べていたので、自分が40年前に買ったシングルレコード(ドーナツ盤)を三枚見せながら、フォント談義しちゃったんです。

その時、見せたレコードジャケットがこちらです。ジャーン!
https://goo.gl/xRFREq

アートディレクターがレタリングしたタイトルロゴだと思うのですが、高校生の時、初めて買ったこのレコードジャケットの文字が、すげー、かっこいいなと感動したのを今でも覚えてます。

ドン・マクリーンの「アメリカン・パイ」の文字、今みると、1970年頃にデザインされた文字とは思えません。テレビのテロップでよく使われている、フォントワークスの「スランプ」という書体に少し似てるような気もします。

ドン・マクリーンの「アメリカン・パイ」を初めて聴いたのは1971年だから、中学生の時だったと思います。そして、高校生になってから、自分のお小遣いで、初めて買ったレコードがこの三枚だったのです。

「アメリカン・パイ」はA面とB面あわせて、一曲の長さが8分以上なので、珍しいなぁと思ってたのと、とにかくその曲が好きで好きで、歌詞カードの英語を一生懸命に覚えようとしていました。

この話は長くなるので、別の機会のもじもじトークでいつかさせて下さい。

ポール・マッカートニー&ウイングスの「007 死ぬのは奴らだ」のジャケットもいいでしょ。007の「7」がピストルなのもイカしてますよね。

そして、この「007 死ぬのは奴らだ」の歌詞カードの書体が、なんと、写植の「タイポス」ではありませんか! 当時の高校生の僕が、この歌詞カードの書体は「タイポス」だよねーって、思わなかったことは言うまでもありません。

このレコードを買ったから、40年経過した今、その書体が「タイポス」だったのかぁー、と感動したのが、つい先日のことなんです。

「タイポス」という書体、ご存知の読者は、あまりいないと思いますが(一部の文字っ子を除く)、新しい書体デザインの革命を起こした書体と言っていいかもしれません。それまでは、書体と言えば、明朝体かゴシック体か筆書系書体だったからです。

その後、ナール、スーボ、スーシャなどが発表されて、新書体ブームへつながっていったのです。「タイポス」が写研から文字盤として発売されたのが1969年ですから、1973年発売の「007 死ぬのは奴らだ」で使われているのが納得できました。

ということで、フォントおじさんのルーツは、高校生のレコードジャケットにあったのです。

●一週間で200件以上のFacebookシェアされた記事

ということで、「フォントおじさん」の詳しい情報は、取材記事をご覧ください。ジャーン!
https://goo.gl/yxZUuY

HTML5 Conference 2017特集の「フォント素人のWebエンジニアが、『フォントおじさん』に聞いてみた! Webフォントの最近の事情とか 白石俊平(HTML5 Experts.jp編集長)」の記事が、一週間で200件以上のFacebookシェアされたことは、とてもうれしい出来事でした。

長い記事ですが、楽しく、バババーって読めるのではないでしょうか。後半は、僕が関わっているWebフォントの技術情報が掲載されていますが、技術者でなくても、理解できる内容になっていると思います。

一時間足らずの対談から、これだけの記事を、一晩で書き上げる白石編集長の瞬発力、文章力、構成力は、感動モノです。ありがとうございます。

対談中、白石さんのパソコン画面に、取材のストーリーボードというか、マインドマップのようなものがチラッと見えたのですが、さすが、編集の達人です。マインドマップの樹木にたくさんの枝や葉っぱが付いて、立派な巨樹が完成しました。

文章のテンポもすごくいいですよね! 取材を受けた人間が言うのもおかしいですが、読んでて、楽しかったです(笑)

●記事の続きはセミナーにて!

この記事、三日後の9月24日開催の「HTML5 Conference 2017」の予告記事でもあります。セミナーの予習記事にもなりますね。

HTML5 Conference 2017
https://html5j.connpass.com/event/64992/

1,600名の定員に対して、現在まで2,000名以上の応募があります。日本最大の「Web技術者の祭典」イベントです。

このカンファレンスのバリバリの技術テーマが多い中、「Webフォント」というデザイン要素の強いテーマのセッションは、今までなかったかもしれません。

僕のセミナーに出席する人は多くないかもしれませんが、聞いた方が持ち帰ってもらえる新しい気付きやビジネスのヒントになる情報を、しっかり準備したいと思ってます。

デザイナーに限らず、Webに関わるすべての人に知ってもらいたい「Webフォント」と「フォント」に思いっきりフォーカスしてお話したいと思ってます。

Webフォント最新事情2017〜導入事例も一挙紹介〜
11:20 - 12:00 ルームE(5号館3F)
http://events.html5j.org/conference/2017/9/session/#e1

ご来場お待ちしてます。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com

Webフォント エバンジェリスト
http://fontplus.jp/

1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。

その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。