もじもじトーク[146]大好きだったFMラジオ番組「FM STATION」
── 関口浩之 ──

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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。
 
早いもので4月になりました。今年もあっという間にゴールデンウィークがやってきて、そして暑い夏が訪れ、気がつくと年末年始を迎えるというパターンになりそうです。

この一年間、新型コロナウイルスの影響で外出する機会がすっかり減ってしまいました。運動不足の人も多いのではないでしょうか。

昨年秋に、「週3回、8kmぐらい早歩き散歩しよう!」という計画を立てました。今のところ、半年間続いています。すごいでしょ!

「散歩が好きな犬の気持ちになろう!」と自分に言い聞かせていたら、近所の河川敷や公園を散策するのが楽しくなってしまいました(笑) 毎日は無理ですが、もし、スケジュールに余裕があるなら、毎日、散歩したくなりました。

最近、散歩コースで歩道橋を発見すると、横断歩道で渡るよりも歩道橋を登りたくなります。また、エスカレーターやエレベーターで上るよりも、階段で上がりたくなりました。





運動することが努力目標でなく、毎日の生活の中で習慣化することで、「運動しなくっちゃ」という義務感ではなく、気付くと、なんとなく、週3回ぐらいはランニングシューズに履き替えて一時間ぐらい早歩きで散歩していました。

スケジュールが立て込んでいて、毎日散歩するのは無理なので、土日を含めて、週3回ぐらいは散歩するというルーティンが、僕にとってはちょうどよいみたいです。

この半年で体重は3kg減りました。本当は5kg減量したかったけれど、徐々に減らしたほうがリバウンドしないらしいので、これででよしとしよう。

今回の減量作戦は、カロリー計算だけでなく、食事の内容(糖質やタンパク質、ビタミン等バランス)もちゃんと改善し、継続的な運動で筋肉量を増やしつつ、体脂肪率を3%ダウンさせました。

ということで。3月の定期検診では、血液検査のいろんな項目の数値が正常値に戻り、久しぶりに健康な状態になりました。

無理のない範囲で、早歩き散歩を習慣化することは健康にも良いし、部屋の中でずっとパソコンに向かいあう単調な生活に、変化を持たせることができます。そして、四季の変化も楽しむことができるので一石二鳥、いやっ、一石三鳥ぐらいの効果があります。

散歩コースの様子を何枚か掲載します。きれいでしょ!
http://bit.ly/mojimoji145sanpo


散歩コースは10パターン以上、開拓しました。運動不足の方、犬の気持ちになって、早歩きで散歩する習慣を身につけることをおすすめします。

さて、今日のもじもじトークですが、僕の好きなFMラジオ番組についてお送りしたいと思います。

●「FM STATION」というFMラジオ番組

僕の好きな番組シリーズ、前々回は「小林克也のベストヒットUSA」、前回は「1970年代のオールナイトニッポン」でした。

今回は、「FM STATIONというFMラジオ番組」です。この3番組に共通する点は、1980年代に流行った番組であること、そして、音楽番組であるということ、なのです。

音楽が生活の一部になっている人、多いのではないでしょうか。僕は60年間、そうでした。ものごころつく以前は、親から子守唄を聞かされていたということにしましょう……。

「FM STATION my sound graffiti」という番組は、エフエム東京(TOKYO FM)で、1981年5月1日から1989年3月31日まで、約8年間、放送されていた音楽番組です。

当時のラテ欄(ラジオ・テレビ番組表)を。こちらです。
http://bit.ly/mojimoji145fmstation


パーソナリティは、番組進行役として大橋俊夫さん、曲紹介DJ役がウィリアム・ジャクソンさんでした。

僕は小さい頃、FENから流れてくる英語のDJが格好いいと思っていました。なので、そのスタイルが好きだったのです。洋曲だけでなく邦曲も英語で紹介されます。それが、なんとも格好いいんです。当時の録音テープがあるので、著作権が許せば、みなさんにお聞かせしたいです。

FM STATIONは平日朝3時から45分間の音楽番組で、毎日、さまざまなアーティストの特集、夏のドライブミュージックおすすめ特集等が放送されたのです。朝3:00(深夜27:00)からの早朝番組なので、タイマーセットしてエアーチェック予約するのが日課でした。

お小遣いでレコードを買ったり、レンタルレコード屋さんでドーナツ盤を借りたりしなくても、新曲を無料で聴くことができたのです。貧乏学生にとっては、この番組は神様のようにありがたい番組だったのです。

1980年代は、カセットウォークマンが普及した時代でした。ウォークマン1号機の誕生は1979年7月1日でしたが、ウォークマンは高価なガジェットだったので、ラジカセを持ち歩いて音楽を聞くか、カーステ(カーステレオ)で聞くことが多かったような気がします。

この番組が絶妙だなと思ったのは「45分間番組」ということ。カセットテープで良い音質で録音するには90分テープが限界でした。90分テープの片面45分におさまる番組編成にしたことは、エアーチェックリスナーを考慮したナイスアイデアだと思いました。

流す曲は途中でフェードアウトすることもなかったですし、曲の音源とDJやCMの音声を被らせて放送することもなかった点も神対応でした。

そうすることで、あとで、「マイベストセレクション」というようなオリジナルカセットテープが作りやすくなるのです。

カセットデッキ2台、もしくはダブルカセットデッキを使って、ダビング編集することを前提に放送してくれる音楽番組は、エアーチェックに命を燃やしていた僕らにとって、ありがたい存在だったのです。

しかも、曲紹介のDJが英語なので聴いていて心地よいのです。そして、番組スポンサーが「FM STATION」というFMラジオ番組と同じ名前のFM雑誌を出版していたダイヤモンド社だったのです。

ダビング編集しなくても、45分の音楽番組がそのまま、ひとつの音楽コンテンツとして成り立つので、繰り返し聴けるBGMカセットテープになりました。

1980年代に放送されたこの番組を録音したカセットテープが20本ぐらい残っています。

引越しを繰り返すうちに、大半のカセットテープを捨ててしまったことが悔やまれます。今年は、それら生き残っているカセットテープ音源をデジタル化して、永久保存版にしたいと思っています。

●カセットテープで音楽を楽しんだ時代

インターネットやスマホで音楽を楽しむ昨今、サブスクリプションで聴きたい曲を選んで聴く時代ですが、1980年代はカセットテープを中心にして、音楽を聴く時代だったような気がします。

1970年代、音楽の入手ソースの多くはエアーチェック(FM放送)でした。お小遣いでは、レコードは数ヶ月に1枚程度しか買えません。

1980年頃からレンタルレコード屋さんが流行り始めて、僕が住んでいた元住吉のアパートの近くに、レンタルレコード屋ができました。感動でした!

それまではFM放送からエアーチェックした音楽を聞くことが多かったのが、レコードを借りて録音する割合が増えてきました。

その後、CDで音楽を購入する時代になります。1986年に販売枚数ベースで、CDがレコードを抜いたと言われています。

レンタルショップはレコードレンタルから、CDレンタルに業態が変わりました。高音質な音楽ソースを、手軽にカセットテープに録音できるようになったのです。あわせて、CDプレーヤー付きラジカセも発売され、音楽を持ち運ぶスタイルが、どんどん進化したのも、1980年代だったような気がします。

そんな時代の変化によって、「エアーチェック」という毎日の作業が不要になったのです。うれしいような、さみしいような……。

そんな時代背景もあり、1989年3月、惜しまれつつ、「FM STATION」というFMラジオ番組は幕をおろしました。

●番組とリスナーとのちょうどよい距離感

小林克也さんの番組も、オールナイトニッポンの番組も、FM STATIONという番組も、パーソナリティ(ディスクジョッキー)と視聴者とのディスタンスが、絶妙にちょうどよい距離感だったと思います。

この3つの番組、どれも、1970年代から1980年代にかけての人気番組でした。リスナーは数百万人いたと思われます。

読まれる確率は低いリクエストハガキをせっせと書いて、でも、自分のハガキが読まれると、そりゃー、すごくうれしいわけです。僕も5回ぐらい、読まれました。

ほかの人のハガキでも、自分と似たような境遇の話だったりすると、聞いているだけでうれしくなるのです。また、自分が応援しているアーティストの曲がかかると、それだけでハッピーな一日になったのです。

「NO MUSIC, NO LIFE」 ですね。

では、また、お会いしましょう。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com

関口浩之(フォントおじさん)

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1960年生まれ。群馬県桐生市出身。1980年代に日本語DTPシステムやプリンタの製品企画に従事した後、1995年にソフトバンク技研(現SBテクノロジー)へ入社。Yahoo! JAPANの立ち上げなど、この25年間、数々の新規事業に従事。現在、活字や文字の楽しさを伝えるフォント伝道師(エバンジェリスト)、フォントおじさんとして活動。