もじもじトーク[98]聴講者の満足度4.9(満点5)のセミナー
── 関口浩之 ──

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こんにちは。フォントおじさんこと、もじもじトークの関口浩之です。

今年も残すところ、あと半月あまりになりました。一年って、ほんと早いですよね。今年最後の「もじもじトーク」です。今日も元気に楽しくやっていきましょう。

今回で98回目のデジクリ。もう少しで100回かぁ・・・…。2014年7月に寄稿開始してから4年5か月。いつも読んでいただき、ありがとうございます。




●!importantセミナーとは

先週土曜日、福岡でセミナーを開催しました。

!important #10 -ウェブと紙- powered by FONTPLUS DAY /
2018/12/8(土)福岡開催
https://important.01w.jp/post-1001/


主催は、福岡在住の永野英二さん。ジョージとかケバブとか、呼ばれています。合同会社01waveの代表であり、全国各地のセミナーでよくお見かけする方です。

合同会社01wave
https://01wave.co.jp/


01waveのウェブサイトみたら、おおぉ、素晴らしい。社員ひとりひとりが紹介されている。しばらく、サイト見てなかったことがばれてしまった(笑)

このサイト、好きです。「クリエイティブおねぇさん、マネジメントおじさん、開発おじさん、フロントエンドエンジニア」と書かれていて、ほっこりします。

最近、こんな素敵なサービスも開始しました。ぜひ、使ってね〜〜

らくらくURL短縮サービス
https://01w.me/


では、話を戻します。

日本全国で、いろんなセミナーが開催されています。企業主催セミナー、イベント会社主催セミナー、コミュニティ主催セミナーとか、いくつかのパターンに分類されます。そして、無料セミナーと有料セミナーがあります。

この「!importantセミナー」は、どちらかといえば、コミュニティ主催に分類されます。

主催が「合同会社01wave」代表の永野英二さんで、共催が「FONTPLUS DAY(ソフトバンク・テクノロジー株式会社)なので、企業主催セミナーにようにも思えます。

「どちらかといえば、コミュニティ主催」と書いた理由は、製品PRはセッションの中では、ほとんどなかったからです。

ここでは、会社主催またはイベント会社主催とはセッション自体も主催者目線(主催者の製品PRの場)、コミュニティ主催は参加者目線(参加者の知識や知見向上の場)、と定義しています。

そして、会社主催セミナーは平日開催が多いですが、コミュニティ主催セミナーは、土曜日開催が多いです。

●第10回!importantセミナー開催報告レポート

セッション概要はこんな感じでした。

◇セッション1
Adobe XDの基本と応用、アドビ最新事情 / 鷹野雅弘
http://swwwitch.com/takano/


昨年(2017年)10月に正式版となった以降、毎月、アップデートを続けているAdobe XD。待望のレスポンシブリサイズが加わり、“使える”ツールに成長しています。

その一方、Adobe Senseiと呼ばれるAIフレームワークが、Photoshopをはじめとするツール群に導入され、クリエイティブ制作での自動化の時代が現実のものになろうとしています。このセッションでは、Adobe XDの基本と応用、および、アドビ最新事情をお送りします。

◇セッション2
フォントおじさんのWebフォント最新事情 / 関口浩之
https://event.fontplus.jp/about/hiroyuki_sekiguchi.html


当たり前のように使われはじめた、日本語Webフォント。アクセシビリティやUI/UX観点からも、サイトリニューアルの際にWebフォントの導入検討が必須要件になってきました。

大手企業の実案件を紹介しつつ、Webフォント導入理由や導入効果を解説します。また、「どうやってクライアントを口説けばいいの?」「メリットやデメリットは?」「どんなフォントが人気あるの?」などの制作現場の疑問にお答えします。

また、知ってるようで、意外と知らないフォントの世界。街中で見かける看板の書体を題材にして、フォントソムリエ感を磨くためのコーナーも設けます。

◇セッション3
筑紫書体のこれまで、と、これから / 藤田重信
https://fontworks.co.jp/company/designer/01


本年(2018年)8月にリリースした筑紫ヴィンテージ明朝、そして、来年にリリースを控えている筑紫アンティーク丸ゴシック等が、どのような背景や経緯で書体制作されてきたかをお話します。

また、筑紫明朝の制作に着手した1999年当時の秘話や苦労話、その後、豊富なバリエーション展開を進めてきた、筑紫書体シリーズの変遷や曲線美のこだわりも解説します。

さらに、Futuraに合うゴシックが欲しいとの声に応えて開発中の筑紫AMゴシック、筑紫楷書(仮)、筑紫宋朝(仮)などの筑紫書体群も試作中。今後、果たして、どこまで広がっていくのだろうか。など、開発中の裏話も紹介します。

筑紫書体の藤田重信さんのお話は何度も聴いてますが、今回は特に涙ちょちょぎれものでした。

筑紫書体の誕生とこれまでの変遷という歴史に、立ち会った感がありました。そして、その歴史はこれからも続くのです。

藤田さんは、写真植字機の株式会社写研・文字デザイン部門に1975年に入社。1998年、フォントワークス株式会社に入社し、筑紫書体ほか数多くの書体開発をしている方です。

1975年ということは、それまで伝統的な明朝体が主流だった書体から、「タイポス」や「ナール」という特徴のある書体が誕生した数年後に、藤田さんは写研に入社したことになりますね。

それ以降、新書体ブームとなり、さまざまなフォントが誕生することになったのです。

文字をつくる─ナール生みの親が公開する 文字デザインの原理とその実際
http://bit.ly/2C7SWfd


今回のセミナーは、共催者、登壇者、スタッフ、聴講者のすべての立場で参加のですが、今年一番のセミナーだったかもしれません。

「セミナーに参加して良かったですか」のアンケート結果も、5点満点中、4.9点でした。

セミナーレポートを書こうと思ったら、参加者の「つたちこ」(@tsuta)さんがすごくいいセミナーレポートを掲載しているので、それを紹介します!

セミナーレポ「!important #10 -ウェブと紙」フォントの奥深い世界の端っこを覗く
https://tsutachi.co/blog/2018/12/important10/


セミナー開催の二日後にアップされてました。仕事が早い! 僕はこんなに素早くレポート書いたことがありません(汗) 時間かければいいレポートになるわけでなく、気持ちが熱いうちに、そして記憶が残っているうちに書くのが正しいのです。

スイッチ鷹野雅弘さん、フォントおじさん(関口浩之)、筑紫書体デザイナー藤田重信さん、パネルディスカッションの各セッションの内容が、的確にまとめられています。

そして、「筑紫書体見本帖」の奥付をみて、名久井直子の作品であることを発見したり、フォントおじさんトートバッグ生地の品質まで観察している点もすばらしいです。

本セミナーに関連したツイッターまとめを二つ紹介します。

!important #10 -ウェブと紙- ツイートまとめ
https://togetter.com/li/1296597


藤田重信さんの新書体に関連した呟き
https://togetter.com/li/525569


最後に、僕が撮影したセミナーの様子を何枚か掲載します。
http://bit.ly/2UERhVl


次回お会いするのは、大晦日の「デジクリ、行く年来る年」、そして、2019年のお正月になります。

それでは、少し、早いですが、みなさま、良いお年をお迎えください。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com

フォントおじさん
https://event.fontplus.jp/about/hiroyuki_sekiguchi.html


1960年生まれ。群馬県桐生市出身。1980年代に日本語DTPシステムやプリンタの製品企画に従事した後、1995年にソフトバンク技研(現 ソフトバンク・テクノロジー)へ入社。Yahoo! JAPANの立ち上げなど、この20年間、数々の新規事業プロジェクトに従事。

現在、フォントメーカー13社と業務提携したWebフォントサービス「FONTPLUS」のエバンジェリストとして日本全国を飛び回っている。

Schoo、マイナビ IT Search+、日刊デジタルクリエイターズ等のオンラインメディアで文字に関する授業や記事を連載中。CSS Niteベスト・セッション2017にて「ベスト10セッション」「ベスト・キャラ」を受賞。

Twitter: @HiroGateJP
Facebook: フォントおじさん
https://www.facebook.com/hiroyuki.sekiguchi.8