装飾山イバラ道[239]「選んで」「使う」英語
── 武田瑛夢 ──

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だいぶ行っていなかった英会話のポイントが鬼のように溜まっているので、最近はマンツーマンの授業を取っている。グループレッスンの人数分のポイントを一気に使うので贅沢だけれど、フルに自分の時間として使えるので良い面も多い。

英会話って人前で間違うと恥ずかしいけれど、講師の前で間違うのは恥ずかしくない。自信がついたらグループレッスンも取ろうと思いつつ、今に至った気がする。

以前は長期ブランクがあると、レベルチェックテストをされたりと厳しかったけれど、今はゆるくなったのか普通にレッスンを開始できた。

オーストラリアやイギリス出身という講師と自己紹介を交わして、フリートークか教科書レッスンかを選ぶ。2コマ連続でレッスンが取れた場合は、最初のレッスンを教科書にして、次をフリートークにすることが多い。40分の授業を2回連続で受けると結構疲れるのだ。





●翻訳ツールの活用

インスタグラムの趣味用アカウントでは、割と英語のコメントをもらうこともある。幾つかのおきまりの挨拶や絵文字で済ませていたけれど、もう少ししっかりと相手のインスタグラムを見てから、内容に触れた返しをしたいものだ。

今は翻訳ツールがあるので、大まかにどんな文章かを出すのが早くできて助かる。ツールが作った文章を読んで、自然だと思えるものを自分で選べるようにすれば良いのだ。

おかしな言い回しに気づいて自分で直すなどすればいい。しかし、翻訳ツールって、日本語から英語に翻訳したものを、もう一度逆に入れ替えて訳し直してみると、間違いに気づくことがある。

これは、私が主語をはっきりさせていないとか、言葉を省略した時に起こりやすいようだ。

元の日本語の文は、誰が何をどうしたのかをきっちりと明確にして、堅いけれど間違っていない文章を作る必要がある。

例えば、海外通販では「自分に届いた商品に最初からキズが付いていた」というクレームを入れたい時がある。この日本語をこのままGoogle翻訳で英語にしてみると

Scratches appeared from the beginning to the goods that arrived at me.

なんか変なので、Google翻訳で英語から日本語に戻してみると、「最初から到着した商品に傷がつきました」となる。

これだとキズがついた瞬間が微妙な上に、誰がつけたキズなのかもわからなくなって、怒っている理由がわからない。「Scratches appeared」だけを訳してみれば「キズが現れた」だから、なんだか怖い。

日本語から自分で作り直してみると、「自分宛にあなたが送った商品は、最初からキズが付いていた。」

The item you sent to me was scratched from the beginning. Google翻訳

この翻訳文なら使える。しかし、最初の日本語の文章に少し加えるだけで、ほぼ同じ英文が出てくる。

「自分に届いた商品には、最初からキズが付いていた」
『商品には、』と変えただけだ。「は」をつけて、点で区切っただけだ。これだと

The item that arrived at me was scratched from the beginning.

が出る。使えそうな文章だ。

シンプルな英文を自分で作ればいいではないかというと、それも少し危うい。

You sent me the item with the scratch from the beginning.

これだとケンカ売ってるのかという文章なので絶対ダメだ。こんなことを言う人は、誰だって嫌いである。しかし英文だけを読むと、うっかり作りかねない文章にも思えて、「適当」なのは人間関係上ではとても危険なことだとわかる。

上を訳すと「あなたは最初からキズ付きの商品を私に送った。」これでは、相手が意図してキズモノを送ったと言ってしまっているのだ。

上のものはあくまでも一例なので、結局は翻訳ツールで使えそうな英文を出すコツは私にはわからない。

ツールの解釈のコツを探るよりも、しっかりと「誰から誰へ、何をどうした」というポイントを押さえるクセをつけるのが良いみたいだ。そんなの文章の基本でしたね。つまり、教科書っぽい言い回しが良いみたいだ。

ただ通販と違って、インスタグラムではこういったガチガチの言葉という感じではないですよね。堅い返しをするくらいなら、可愛い顔文字の方が相手も気分がいいように思う。タイミングも早めにね。

要は慣れることと、SNSで多くの他の海外の人たちが使っている言葉を読むことしかないのかもしれない。ちょっとした挨拶や返しというのものほど、何が普通かがどんどん変わるからだ。

そういえば、SNSのコメント返しというのは、日本語であってもセンスが見えてしまうのは同じ。短いけれど高難度のコミュニケーションの一つかもしれない。だからこそ難しいですよね。

それに比べると、海外通販のレビューや質問のやり取りの方が、ずっと初級英語で事足りる分野だ。

実は私が海外通販を好きな理由も、上のような簡単な文章を何とか作ったり選んだりすることが、とても良い英語のトレーニングになるからでもある。

今までも長い文章が必要になるトラブルというのはほとんど無かった。海外通販で使う英語は、海外旅行中の英語のようにすぐにリアクションする必要もなく、「調べる余裕がある英語」なのだ。

モールや店舗で買う以外でも、個人間の取引も増えていく時代。未開の地に足を踏み入れるのが結構好きな自分も発見できて、楽しいことがいっぱいだ。

海外通販は、日常で簡単な英語を「実用」するチャンス。自分で選んで使えれば良いのだ。

翻訳ツールが作った英文であっても「選んで」「使う」を繰り返していれば、ただ長い文章を読むのとは違う経験が身につく。相手がいるというありがたさが、ちょっとした物を買うだけで発生する。

英語以外の言語を使う人とも、ひとまず英語でやり取りができることが多い。いろいろな国の人たちと、お互いに初級英語でなんとかなっているのだ。

しかし、私世代ともなると興味や学習意欲、経験値が上がってきても、老化が迫り来る恐怖がある(笑)。

人生って厳しい。

【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


今日の英会話では、ニュージーランド出身の女性講師と、日本の豚の角煮やチャーシューの美味しさについて語り合った。「とろける脂身サイコー!」と言っていた(笑)。ヤバウマなものの魅力は世界共通だ。


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