はぐれDEATH[95]これが現代の挿絵画家の本懐かも
── 藤原ヨウコウ ──

投稿:  著者:



●ちゃんとお仕事をしたいだけの話

引っ越しを機に、伏見での悪い思い出を想起させるようなものや習慣を、徹底的に排除した。

最も思い出したくないのが、言うまでもなく一連の創作騒ぎだが、これに関するものはもう徹底的に捨てた。

データはもとより原画から絵の具、筆、紙等の道具に至るまで、とにかく捨てられるものは全部捨てた。高い筆と普段のお仕事に必要なものは残しましたが。廃業する気はさらさらないし、こんなアホなコトで廃業するほどボクは潔くないし、他にできることもない。

まぁ八つ当たりといえばそこまでなんですが、とにかく見るのもイヤだし、見て思い出すのはもっとイヤ。

良く言えば「思い切りの良さ」ですが、ボクに関しては完全にベクトルが違う。前向きじゃないし。もうとにかく逃げたくて仕方なかったし、イヤな思い出や出来事は全部捨てるなり、伏見に放置してきたかった、というのが本音です。





もっとも、こちらにきてからイヤでも思い出すどころか「マジで仕事できんな。こっちから切って正解やったわ」という、アホな事件やら何やらは残ってる。

引っ越し通知を送ってるのに、源泉徴収票を前の住所に送るってもうどうしようもないでしょう? こんなコト他のクライアントはしてないし、初歩の初歩ですからね。

預けている原画(完全に手描きだ)は、取引停止を通告した時点で返却を求めているワケですが、なしのつぶて。本気でアホらしくなっているのですが、まともに相手をする気にもなれん。また神経を疲弊させてくれるようなアホな問答にしかならないだろうから。

まだ静観しますが、ほっとくわけにもいかないので、いずれ全面的な大攻勢をかけるつもりです。もっとも、それはボク自身の心身のリハビリを経て、ゆとりができてからの話。

ここの出版社でやっていた連載に関わる雑誌・書籍も、当然のことながら全部廃棄しました。関係ないのも混じっていたのですが、とにかくもう思い出したくもない。

絵はお仕事以外では一切描いていません。描く気にすらならん。エカキにここまで深刻なダメージを与えて、アフター・フォロー皆無どころか、責任はボクに全部転嫁するという悪行を、いまだにやっているっぽいので(調べるまでもなく、そんなことは黙っていても耳にする)どうしようもない。

ちなみにボクは、公的な場では一切の発言を拒否しています。揚げ足取られるのが関の山だし、それで頭に来るもの面倒なので。それで尾ひれ羽ひれが付いて業界に見捨てられるようなら、そんな業界はこちらから願い下げである。

ちゃんとお仕事をしたいだけの話なんですよ。そこさえきちんと押さえてくれれば、なんでもしますよ。それでなくてもお仕事には飢えてるんだから(笑)

●ぼーず頭をやめたはいいが

おねえちゃんの大学進学とそれなりの(!)大学生活を確認したので、ぼーずも止めました。こちらはボク自身の子離れ策です。

きっかけはロベルト・カルロスの黒光りするスキンヘッドに憧れたからですが、ここまで長々とぼーずにしていたのは、とにかくおねえちゃんの「ぼーず頭大好き」が強く影響していたのは、言うまでもないでしょう。

ボクもおねえちゃんは大好きなので、あの子が喜ぶことなら何でもしますが、ぼーずはその象徴みたいなもんです。

そのおねえちゃんも大学生になったので「もうそろそろよかろう」と。想定外に近い場所に引っ越してしまったのも一つの理由ですが、分かりやすく「本格的におとおさんはもう頼りにならんよ」を自分に(!)言い聞かせるためでもあります。

おねえちゃんが大好きなのには変わりないですがね。世界中敵にまわしても、おねえちゃんだけはボクが過保護に守る覚悟は、生まれる前からできているので(笑)

まぁ、こういう親というのは、娘からすれば迷惑千万でしかないのも分かるんですよ。それでなくても、他の親御さんとは明らかに異質なんだから。ここにぼーずが加わると、もう決定的ですね。

大学というところは、色々な地域から色々な学生さん達が集まってくる場所で、学問とはまた異なる知見を広げる場でもあるのです。ボクの異質さが全国レベルであることを、おねえちゃんは大学に入って思い知ったことでしょう。

逆に「お父さんスゴいカッコイイね」という、勘違いをする同級生も出てくる始末で(!)、おねえちゃん的にも辟易しているはず。見た目だけでも少し常人に戻さないと(戻らないんだけどさ)、おねえちゃんが気の毒すぎるし。

……で、髪の毛がなかなか伸びない。

昔ならイライラしてたところですが、もうさすがに歳も歳なので諦めた。イライラして伸びる速度が速まるなら話は別ですが。

それはともかく、ぼーずにしていて気づかなかったのですが、実にみっともなく、異常に白髪が増えている。まぁ白髪の原因は察しが付いている。

自然に白髪になっていく過程は、ぼーず頭効果で視覚的に完全遮断されていたので、ボク自身がびっくりしているところだ。ホンマになぁんかサマにならんのですわ。おまけに髪の毛の長さもちょー中途半端なので、「さて、どうしてくれよう?」と思案しましたよ。

ぼーず頭が面倒になったという感覚もあります。実はぼーずをキープするのは、ものすごく大変なのです。当たり前のようにやっていましたが、止めて「こんな面倒なことを、よう長々とやってたなぁ」と逆に感心する始末。

まずお風呂掃除がめちゃめちゃ大変。本当に細かい毛が浴槽に付いてしまう上に、掃除しても掃除してもどこかしらからか剃った毛がわき出してくるのですよ。時々、意地になって猛烈なお風呂掃除をしないとどうしようもない。

さらにカミソリのコストも半端じゃない。一番安い使い捨てのカミソリは、逆に不経済なので(一回使っただけでそっこーでダメになる)それなりのカミソリを買うわけですが、まぁ一週間保たないですね。

髪質もあるのかもしれませんが、とにかくそっこーでボロボロになる。月一で5本入りのヤツを買い換えなきゃいけないのも、貧乏人には結構なコストなんですよ。

「髪の毛伸びたら散髪行かなきゃあかんやん」と思われる方も少なくないと思いますが、ある程度の長さになったら、もうほったらかしの伸ばしっぱなしにするつもりなので(!)ここはスルーだ。長さを調節するくらいなら、ボクが自分でできるので無問題。ハサミで切ればよろしい(雑やなぁ)。

ちなみに、この作戦は奧さんもおねえちゃんもやっているし、以前はボクがイチイチ狩り出されていたので(!)できるんですよ。上手な美容士さんのカットをロン毛時代に散々見ているので、やり方は憶えちゃってるし。

そういう風にしかハサミ使わないし、奧さんもおねえちゃんもそれで「問題ナシ!」と太鼓判を押してくれてるので、それなりにできているのでしょう。

ああ、ややこしいカットは無理ですよ。あくまでも毛先を揃えたり、長さを調節するレベル。

伸ばしっぱなしで一番楽なのは、ワンレングスと相場が決まっているので(多分、そう思ってるのはボクだけだろうけど)、その長さになるまでがネックかな? 引っ越してからは、面倒くさそうなことはじゃんじゃん放棄しているので、それが救いといえば救いですが。ほっときゃイイだけの話だし。

ただ思わぬ弊害が……。副業探しの面接でややこしいことになっている。

ぼーずなら面接をして下さる方も「ああ、こういう人か」で済ませてくれるんですが(?)、とにかく長さは中途半端だわ、白髪はまだらで脈絡もなくあるわ、それでも見た目は無駄に若いわで、混乱させてるっぽい。実際、決まってないしね(執筆時)。

自分で見てもどうかと思うもん。「お前何もんや?」と突っ込み入れたくなる。

日常生活では京都の底冷えもあるので、外出時には帽子をかぶっているので特に問題はないんですよ。帽子さえかぶれば、ぼーずとさして変わらんし、まだその程度の長さですから。問題は面接と暖かくなってからだろうなぁ……。

あと、脱ぼーずで厄介なのは祭関係者対策(笑)

以前、おねえちゃんの高校受験時に、願掛けと称して髪の毛に一切刃物を入れなかった時、おねえちゃんをはじめとして、ボクの周囲の人達にはめちゃめちゃ不評だったので、ぼーずに代わるそれなりのインパクトが必要になる。

普通はインパクトなんて考えなくてもいいんですが、基本ボクは現場ではイジラレ役なので、楽しく突っ込みやすいようにしとかんとあかんわけですよ。ぼーずの印象は強いしね。

実際、当時は巡航の時に「藤原がいない」と一部で騒ぎになったくらいなので(ちゃんと鉾に乗ってたわ)それなりの対策を講じないとまずいのです。

イヤじゃないですよ。そうやって、ぼーずのボクに親しんでくれてたんだし。だから逆に「今度はあっちの方に行っちゃったか」というようにしとかないと気の毒で。こうなってくると作戦もややこしくなる。

「普通」は恐らくダメだろうなぁ。まぁこうなると行き着く先はピンポイントでしかないのですが、「振り幅の無茶ぶりはこれくらいないと」とも思っている。もっとも今年の無茶ぶりによっては、再来年以降に影響が出かねませんが、その時はその時でまた考える。髪も伸びてるだろうし。

で、肝心の作戦ですが、こうなるともうブリーチするしかないっしょ(笑)

ネットを覗くと、髪の毛のダメージに関する記述がやたらと多かったのですが(多分事実なのでしょう)、髪の毛が伸びるのも遅いし、今年に関してはもう髪の毛のダメージもクソもないのでサクッと決めた。

ブリーチなんて事は生まれてこの方やったことはないので(意外かもしれませんが)、どうこけるか分からない。祭前に慌ててやってヘマをするのもイヤなので、さっさ実験しましたよ。もちろんセルフ・ブリーチだ。ドラッグストアで普通に売ってるヤツを買ってきて、一人でやった。

こういうフットワークの軽さが戻ったのは嬉しい。少々(?)ベクトルが明後日の方向だが、これはでふぉ。「思いついたら即実行」のフットワークだけでやってきたようなところがあるのに、このフットワークが完全に死んでいたからなぁ。

で、実験の結果ですが、完全にヤンキーやな(笑)

ぼーずでスーツ着てれば、ビジネスヤクザクラスくらいにはなっていたのですが、完全に下っ端に逆戻りである。ってか反グレ? まぁいずれにしてもカタギじゃないわな。もっともこのへんは、とっくの昔に諦めてるので問題無しだ。

ブリーチに関しては、本職の大工さんに一人いるので(いるんかいっ!)、比較的安全に移行が出来そうな気はする。祭までにあと一回くらいかなぁ……。

マジ、ヤンキーみたいな赤みのある金髪になっているので、もっとプラチナ系に持っていきたい。今の状態でも白髪はほぼ埋没してしまっているのですが、この際だからね。素直に納得できるところまで持っていかないと意味ないし。

おかげで副業探しに支障をきたすことになりそうだが、もうこっちはこっちで開き直るしかない。あれもこれも、というわけにはいかないのだ。

あとは左京区でのヒートショック対策ですね。これについては、ぼーずよりも髪の毛があった方が明らかに安全。髪の毛の保温力は本当にすごくて、あると無いとでは血流量が圧倒的に違う。

もちろん、ぼーずの方が血流量は上がります。脳が凍るわ。血流量が増えれば、当然血管に負担が掛かるので、ヒートショックによる脳内出血の可能性は一気に上がる。単純な算数の話です。

元々、冷え性で低血圧なのでぼーずはそれなりの効果をもたらしてくれてはいるのですが、副作用はもちろんある。リスクを天秤に掛けたら、伏見より寒い上に、歳を食ったボクにぼーず頭はヒートショックのリスクが確実に高くなっている。

あって当然のものを剃ってたわけで、ぶっちゃけ自然な状態に戻したという方が素直な話だし、もう無理やり血圧を上げる気にもなれないしね。独居老人の風呂場事故は悲惨やからなぁ……ハゲの家系でも何でもないので、これがでふぉなのだ。だから白髪が目立つんだけどさ。

●食生活に明らかすぎる変化

その他、伏見に来て始めたことに関するものは、すべてとことん捨てた。おかげで、7年半前に上京した時とほぼ同じくらいまで荷物の量は激減した。本は残してますがね。

逆に、引っ越して始めたこともこれまた多々ある。まず食生活に明らかすぎる変化が出た。

一日一食は変わっていないのですが、この一食が夕方から昼に移行した。朝夕のトレーニングと木登りが最大の原因なのですが、あれほど馬鹿の一つ憶えみたいに同じ料理しか食べなかった(内容はあまりに悲惨すぎるので書かない)ボクが、あれやこれやとレパートリーまで増やしだしたのには、自分でも驚いている。

食に興味がないのは事実ですが、伏見末期はもう本当にこのへんの感覚が麻痺していたことが、引っ越して判明した。柿の種やプロテインだけで一週間食いつなぐなんてアホなコトも、平気な顔してやってたしなぁ……。

ちなみに、栄養バランスなんてことは相変わらず考えてません。

ただ、トレーニングの関連で「卵・チーズ・納豆」が必須になった。母には「卵と牛乳と豆腐さえ食べてれば栄養失調で死ぬことはない」と散々言われているのですが、若干のアレンジを加えただけで、成分的には大して変わらないしね。

前稿でも触れたのですが、きっかけはプロテインを飲むのがイヤになったこと。なんか、狭いところに押し込まれたブロイラーの気分になるんですよ。必須アミノ酸だの高タンパクだのが、効率よく得られるのはそれなりに理解しているんですが、もうケミカルなものは可能な限り排除したい。

普段のお薬だけでも十二分に摂取しているし、食事だって何が入ってるか分からんようなもん食べてるのに、プロテインなりサプリメントなりを加えるなんて、とてもではないがご免こうむりたい。

タバコですら市販の加工タバコを忌諱してるんですよ。タバコ止めるのが一番なんだけど、こっちはドクター・ストップが掛かったまんまなので。

食の興味がないのは事実なので、特にベジタリアンになったわけでもないし、無農薬を気にするほど長生きしようとも思ってないし、そもそも幼少期にさんざん怪しげなものは口にしてたわけで「今更どうこう言ってももう無駄」としか思っていないので、ボクの食生活に関しては無頓着そのものです。

おねえちゃんは気になるけど、あの子は駄菓子なりジャンク・フードにまったく興味を示さない上に、上賀茂の地野菜と干し魚をこよなく好む子なので「まぁ、ええか」で済ませてる。

外食も大嫌いでマクドですら、おねえちゃんにすれば嫌悪の対象でしかないらしいので、ある意味健康的といえば健康的。身も蓋もない言い方をすれば「本格的におかしくなる前の昭和の食生活」を地でいってる子だ。奧さんの好みも大いにあるんですがね。まぁこの辺は任せっぱなしだ。

一食が昼に移行したことで、カロリー消費のサイクルが当然のことながら変わり、ここにトレーニングが加わっているので、それでなくても少ない体脂肪ががんがん減っている。

代謝や血行は良くなっているので、健康面から言えば極めて良好ではあるのですが、腰がまた細くなってきていて(痩せたのではありません。弛んでいた筋肉がシャキッとしただけ)困っている。

実年齢と見た目のギャップが、髪の毛効果もあり、もう本当にややこしいことになっていて、これまた面接官泣かせだ。ボクはボクで、対策に困ってはいるんですがね。

それでも、おかずのバリエーションは飛躍的に増えた。というか、以前がなさすぎた。3つくらいのレパートリーだけで回してたし、基本は玄米さえあればいい人なので、もう無茶苦茶である。それでも特に不満があったわけではないのですが、こっちにきてなんか心境が変わったみたい。

食材そのものは相変わらず安いものしか買いませんがね。それでも、学生時代の間抜けな食生活を思い出し始めると「あれどんなんやったけ?」となるわけです。

で、イチイチ感動するもんだから(簡単やな)またぞろ何かないかと探し始める。そうやって鵜の目鷹の目で探し出すと、これはこれでキリがないので当分遊べそうだし、まだ見つかってない食材もあるので、自然と行くスーパーのバリエーションなり行動半径も広くなる。

珍しいものを探してるんじゃないとボクは思っているのですが、ちょっとこのへんはよく分からん。

で、おかずのバリエーションが増えたおかげで、食器が著しく少なすぎることも判明したのですが、こっちはほったらかしにしてある。いずれお皿くらいは買うだろうけど(実はこれすらない)、他の人に食べさせる気は毛頭ないので、盛りつけとかも無茶苦茶である。ありもんで誤魔化してるしね。

ぶっちゃけお椀系の食器しか持っていない。大きさのバリエーションはありますが、さすがにお椀に鰺の干物というわけにもいかないので(ここはナゼか譲れない)、まだお魚系には手を出していないのですが、時間の問題やろうなぁ。

●普通に一万歩

かつて述べたので詳細は譲るが、木登りとそれに関わるトレーニングも、今はノリノリである。特に木登りと小さい山のお散歩は楽しくて仕方ない。

タバコを吸うついでに行ってるのか、お散歩のついでにタバコを吸ってるのかよく分からないくらい、境界が曖昧になってきているのだが、そんなことはどうでもよろしい。「一度で二度オイシイ」でエエやんか。

お天気にもよりますが、今は一日平均で普通に一万歩を越している。平地の一万歩ではなく、それなりの上り下り(木も含めて)なので、筋肉への負担は相当なのだが(実際、軽く筋肉痛はでふぉになりつつある)、今までがだらしなさすぎたのだ。

膝への関節注射も継続中だが(あと二回で終わる)、さすがに注射当日はやりませんよ。と言いたいところだが、実はもう注射した日の夕方には木に登ってたりする。

ちゃんとサポーターなりなんなりはしてますが、リハビリにしてはヘビーすぎるでしょう。それでも膝の調子は確実に良くなってるので、ある意味ビックリしている。

幸い、田舎もんに安心の自然環境豊かな場所が、目と鼻の先にあるのも大きい。今は冬なので落葉しているが、春からの緑がめちゃめちゃ見込めるし、今だって十二分に満喫している。

小さな山な上に(傾斜はすごいけど)麓は天然記念物の深泥池。電線だの電柱だのも皆無なので、空の写真を撮るのも楽しい。

もっとも、あまりにスパッと空が見えてしまうので、空の広さが写真に収まりきらない。

ボクの腕の悪さがそうさせているのだろうが、とにかく広々とした空がどこまでも続く空気感が、写真には撮れないのだ。まぁボクは、木の上で素直に眺めてればそれで十分満足なので、それはそれでいい。足下にはこれまた、腐るほど写真のネタは転がってるし。

●素足もいいがこんな靴も

さらに、この時に履いている靴。いわゆる「ベアフットシューズ」という、底がうっすいシューズなのですが、この薄さが足下の凸凹をイチイチ全部拾ってくれて、ちょっとした足裏マッサージみたいで気持ちイイ。

ちなみにいま愛用しているのはこれ。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00BCO81S6/dgcrcom-22/

今は結構な値段だが、ボクが買った時はたまたまセール期間で、¥6,480で手に入った。

これはマリンスポーツやフィットネス用なので、それなりの耐久性しかないのが実に辛いところ。気持ちはいいんですよ。履き心地もものすごくイイし、グリップもしっかりしてるし、実際いま愛用してますからね。ただ、使用用途が明後日の方向だからなぁ……。

軽いランもしているので、トレック・ラン用のこの子の仲間を買うのが一番なのですが、今は金ケツなのでパス。

とにかく、指が全部広がる上に枝とか足で掴める(!)ので、便利極まりないのです。こんなアホな使い方をしている人は、世界でも相当珍しいとは思いますがね。

普通は裸足だ。ボクの足裏がそこまでのヘビー・ユースに耐えられないから、この子を履いてるだけ。

ちなみに、高いところで裸足と言えば、鉾立の大工さん。素足マストです。大工さんに行ったら、初めての時にまず「裸足でしないと危ない」と作業前に言われる。もちろん、みんな裸足です。

素足のいいところは、適度なグリップ。本当に一番イイ感じでグリップする。本当にこれが一番リスクが低い。裸足ならではの珍しい怪我もするけど、大怪我にはまずならない。

屋根の上とか、熱くてもやっぱり裸足の方が絶対安心なんですよ。雨で濡れてる時ですら、裸足の方がイイ。やってるボクが言うから、まぁ信じてもらって大丈夫です。だからと言って、素人さんにはさせませんし、推奨もしません。危ないのに変わりはないから。

とにかく、この子を履いて山をウロウロして、木に登ったりしてるわけです。ちなみに、履いたことがない人はいきなりこんなことはしないで下さい。普通の靴とは明らかに違う、筋肉の使い方になってしまうので。

この靴に関しては、川縁の未舗装で平坦な道や、芝生が敷き詰めたあるような場所を歩くことからお奨めします。いきなりアスファルトは、できれば避けていただきたい。筋肉が慣れてしまえばこっちのもんですが、素足に近いので油断すると色々エラい目に遭います。

それとベアフットシューズの最初の一足は、通販ではなくちゃんとしたショップで、ちゃんとした知識を持っている店員さんのアドバイスを受けてから、買うことをお奨めします。

きちんと細かく足のスペックも計ってくれるので、これだけでリスクは相当減ります。なくなりはしませんよ。使い方で身体を痛めることはあるんですから。なんか話が逸れた。

●自己チュー丸出しな生き方

引っ越し前後で一番大きい変化は、「我慢をやめた」である。

もともと「我慢」とか、「努力」とか、「根性」は大嫌いなのですが、引っ越してきて徹底的に放棄した。未だに絵を自主的に描こうとしないのはその典型で、「自然に描き出す時までほっとこう」と完全に居直っている。お仕事の絵を描くのは大好きなので、当然のことながら問題なしである。

「本業をなんとかしよう」も放棄したのは、もう白状したのでイイでしょう。廃業する気は一切ないけど、無駄にあがくのは止めた。出版社さん次第なので、本当にどうしようもないしね。無理に絵を変える気もまったくないし。依頼があればホイホイやりますよ。大好物だから。

そもそも自己アピールが邪魔くさいので(致命的やな)、必死で何か作戦を捻り出す、というのは苦痛以外の何ものでもないんですよ。実際やってきたけど、効果はゼロに等しかったし、もう今更どうこうする気は微塵もない。

副業の面接ですら、腹芸使うのを止めちゃってるし。使えばどうにでもなりそうな感じもするのですが、もう後のフォローとか想像すると面倒臭い。

別に今に始まった話じゃないですよ。会社員時代に所属部署のトップに、直接「社内で作業している日はジーパンで出社してイイですか? いざという時のためにスーツその他一式ロッカーに入れておきますから」と談判して、堂々とジーンズ+Tシャツ+フライトジャケットでお仕事をしていたのだ。

コソコソするのも面倒臭い人なのでさっさと直談判したのですが、今にして思えば「エエで」とあっさり許可して下さった、本部長も大したもんだと思う。他部署から何か言われるのは本部長だしね。もっとも、つまらんことであの人に噛みついたら、後で酷い目に遭いそうだけど(笑)

流行に一喜一憂するのも邪魔くさいし、乗る気ももう皆無。素のボクを面白おかしく使って下さればそれでよろしい。

「いつでも、どんなお仕事でも原稿さえあればウエルカム」なので、もう完全に出版社さん任せだ。ボクは依頼されたお仕事を、きちんとするだけに徹する。足りない分は副業で誤魔化す。これで「現代の挿絵画家の本懐」とすら思っている。

要するに「とことん我が儘に余生を過ごそう」という、自己チュー丸出しな生き方だ。死ぬまでは生きるしかないし。家族には迷惑千万だろうが(特におねえちゃん)、残念なことに素のボクは、これほどまでにどうしようもない人なのだ。

で、この振り幅の大きさこそが、本来のボクの姿であります。ネックでもあるのですが。

一つのところに心身が留まることを、本来はしないはずなのに、どん詰まってしまっていたのは、やはり相当精神的に追いつめられていたのだと思う。

本来は「大体ももち(猫の名前)並み」と思えば間違いない。それくらい落ち着きもなければ、すぐに面白そうなものに釣られる人なのだ。そのくせ警戒心は人一番強いし、逃げ足も早い。何か見つけるとしぶとく粘る。まんまももちやな。

引っ越しで最大の効果と言えば、こういう素の自分自身を取り戻しつつある、ということだろうか。まぁ反動はいずれ来るのだとは思いますが、その時はその時にまた考えればよろしい。

なんなら「野人に返る」くらいの勢いである。さすがにこれは普通にブレーキがかかってますがね。木登りで満足してるし。

今回は結果、京都に残ることになりましたが、いよいよになったら一族の所に帰るくらいの気分でいた方がいいかもしれないなぁ。


【フジワラヨウコウ/森山由海/藤原ヨウコウ】
YowKow Fujiwara/yoShimi moriyama
http://yowkow-yoshimi.tumblr.com