もじもじトーク[132]フォントおじさん第二章、はじまる
── 関口浩之 ──

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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。

おとといの2020年6月30日は、一生で一度しか経験できない(たぶん)、記念日でした。さて、なんの日でしょう?

答えは、定年退職日でした。記念日と書きましたが、花束をもらうわけでもなく、普段と変わらない日常の一日でした。

ちゃんちゃんこは着たくなかったですし、定年退職の儀式はないほうがうれしかったので、日常と変わりない形で、定年退職の日を迎えることができて幸せでした。

定年退職と言えば、会社で花束もらって挨拶して、そして家に帰ると「あなた、長い間、お疲れさまでした」と妻から晩酌されるイメージですが、そんなのはやりたくなかったですし良かったです。

おとといは、二週間ぶりに時差出勤でオフィス出社したのですが、東京メトロ東西線も都営地下鉄大江戸線も、乗車する人がますます増えてきました。19時台に東西線に乗りましたが、ラッシュアワーの混雑には戻ってないですが、かなり人が多いです。





●自分をほめてあげたい

1984年4月に社会人になってから36年と3か月、会社勤めをしてきました。

社会人になって入社した電子機器メーカーでは、11年間、勤務しました。始業8:30という早めの出社時間でしたが、その11年間、無遅刻無欠勤という快挙を達成しました(笑)

当時は、どこの会社も、社員毎の厚紙カードをタイムカード機にガチャンと押すタイプだったので、ズルはできなかったです。

そこに勤務していた1980年代から1990年代半ばまでの時代、企業でオフコンやIBM AT互換機やNEC98シリーズが徐々に普及しつつありましたが、一般家庭へのパソコン普及率はまだ非常に低かったのです。

徹夜した次の日も、飲み過ぎた次の日も、気合いを入れて、8:30までに会社に通っていました。すごいよね……。当時、テレワークやフレッスクスタイムという制度は、耳にしなかったような気がします。

ワープロや日本語DTPやプリンタを製造するメーカーに11年間勤務したあと、1995年にインターネット関連の会社に転職して、Yahoo! JAPANの立ち上げとか、新規事業とか、開発案件の仕事を中心に仕事してきました。

転職当初、孫さんの近くで仕事することがありました。その頃から、「志は大きく持ち、頭がちぎれるまで考えなさい」「ITの力で人々を幸せにしよう(本気で心から)」とか「普通の人の倍の速度は当たり前、あっと驚く速度で仕事しよう」という考え方は、ごく普通のことでした。

そんな感じでやっていたら、あっという間に36年の歳月が経ってしまいました(笑) そっか、36年間、会社勤めしていたのね。その事実こそ、凄いことじゃないですか! そんな自分を褒めてあげたいwww

この36年間、大変なこともたくさんありましたが、勉強になることが多かったです。そして、多くの人との出会いがありました。彼らから得た知識と人脈が、現在の宝物になっています。

●フォントおじさんを名乗ってまだ3年

36年間、会社勤めしたわけですが、新規事業プロジェクトに関わることが多かったです。

とりわけ、いまの会社では、新規事業の立ち上げは10件ぐらい担当しましたし、100件以上の開発プロジェクトに関わりました。また、ほとんどすべての部門(営業、開発、企画、業務、運用、マーケなど)を経験しました。

新規事業を立ち上げると、実際に自分がプロジェクトオーナーになることが多いのですが、1〜2年でビジネスが軌道に乗ると(軌道に乗らないこともあるけど……)、別の新規事業に異動することが多かったです。

ただし、10年前に企画立案したフォントプラットフォーム事業の立ち上げに関しては、自分が事業オーナーになり、がっつり情熱を注ぎ、異動もなく、そのまま、定年退職日を迎えました。

3年前に「フォントおじさん」と名乗りはじめ(ただのニックネームですけど)、フォントに対する「愛」がさらに加速しました。

現在、その事業は組織で運用していますので、僕がいなくても事業継続しますが、フォントやデザインの分野の仕事は、今後も続けていきたいと思っております。

●情報通信技術賞(総務大臣表彰)を受賞

うれしいニュースがありました。

先日、発表された「情報通信技術賞(総務大臣表彰)」という賞に、「次世代Webブラウザのテキストレイアウトに関する検討会:通称、縦書きWeb普及委員会(座長は村井純氏)」が選出されました。

そして、その構成メンバーに、僕の名前も連なってました。栄誉ある(と思われます)賞に名前がでると、正直、うれしいです。

では、その賞の盾とか表彰状などを、見せびらかしちゃいます。
https://bit.ly/mojimojitalk132

慶應大学で活躍されていた村井純先生や関係者の方々は、日本語という縦書きと横書きの両方の書字方向があるという、特殊文化を世界標準仕様としてW3Cへ提案してきたわけで、その長きにわたる活動の成果が評価されたわけであります。

僕も、ここ数年、全国約100か所のセミナーや勉強会で、約7,000名の皆さんに、縦書き横書き混在ウェブの事例紹介や、テキストレイアウトとフォントの楽しさを伝道してきました。多少なりとも貢献できたかなと思っております。

これからも、日本語ならではの縦書き横書きウェブの普及や、日本語Webフォントの機能改善の推進、文字の楽しさや日本語活字文化の伝道師としてがんばります。

●フォントおじさん第二章、はじまる

いまの会社と再雇用契約を結んで、昨日から嘱託で働くことになりました。ショクタクって響き、なんか古臭い感じがしますね。

僕にとっては、野球選手に例えると、ベテラン組の契約更新(単年度)ってイメージに捉えています。

僕が大好きなイチローのように、現役にこだわり、いいプレーができるのであれば、生涯現役にこだわりたいと思います。ただし、いつ戦力外通告されるかの緊張感がありますね。その緊張感、悪くないかも。

今後の僕の活動ですが、外部からは、変わらなく映ると思います。フォントおじさん、兼エバンジェリスト、兼フォントコンサルタントを引き続きやるのですから。

ただし、自分の仕事に対する考え方や行動様式は、バージョンアップしたいと思います。一度、過去の成功体験や既成概念をぶち壊して、再始動します。過去のそれらをぶち壊すのは、勇気が要りますが……。

●「フォントに関するライブ配信番組」始動

自分が主催している「FONTPLUS DAY セミナー」は、第25回からライブ配信版としてバージョンアップして、始動します。つまり、全国どこからでも、視聴できるようになります。

詳細は、明日7月3日(金)15時に募集開始します。

・FONTPLUS DAY セミナー Vol. 25 ライブ配信版
ライブ配信開催日時:2020年7月15日(水)19:00〜21:00
募集受付URL:
https://connpass.com/event/181456/

※7月3日(金)15時から受付ページが見えるようになり、申し込みもできます。それまでは募集ページは見えませんのでご了承ください。

今までになかったスタイルの「フォントに関するライブ配信番組」を、毎月一回、定期開催します。

フォントを作るプロフェッショナルな人、フォントを使うプロフェッショナルな人を中心にゲストとしてお招きして、フォントおじさんが突撃インタビューしながらクロストークします。

そして、ライブ配信中に、視聴者からの質問にたくさんお答えする番組にしたいと思っています。詳細は後日発表します。

参加費用は無料です。再放送はありません。ゲストの方から許諾がとれれば、15分程度のダイジェスト版アーカイブを、後日アップすることはあるかもしれませんが。

あれっ、ライブ番組の宣伝になってしまいましたが、初の試みなので、うまくいくかどうか不安もいっぱいですが、がんばります。

昨日始動した「フォントおじさん第二章」ですが、失敗を恐れず、チャレンジしていきますので、よろしくお願いします。

では、二週間後に、また、お会いしましょう。


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関口浩之(フォントおじさん)
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1960年生まれ。群馬県桐生市出身。1980年代に日本語DTPシステムやプリンタの製品企画に従事した後、1995年にソフトバンク技研(現SBテクノロジー)へ入社。Yahoo! JAPANの立ち上げなど、この25年間、数々の新規事業に従事。現在、活字や文字の楽しさを伝えるフォント伝道師(エバンジェリスト)、フォントおじさんとして活動。