大学も始まりすっかり秋の空気になった。同じ教室に一同が集まるというのはやはり良いもので、春とはまた違った緊張感がある。
日本人がノーベル賞を受賞したニュースを、スポーツジムのサウナのテレビで見た。偉業のニュースをサウナの雛壇で、裸のおばちゃんたちと一緒に聞く不思議な時間。悪いニュースよりもハッピーな話題の方が、良い汗が流せる気がする。
ふとラッセル・クロウ主演の「ビューティフル・マインド」という映画を思い出したりした。想像を超えてしまう展開の映画だけれど、すごくいい作品なのでお勧めだ。
・ビューティフル・マインド
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0007WADH6/
>
素粒子と言えば、だんなさんが大学の時の専門分野なので聞いてみたけれど、私にわかる訳がなかった。理系から最も遠いところにいる気分。そういえば、昔から何度か「素粒子って何?」と聞いてきたけれど、「目に見えないくらい小さくて、ある意味モノを突き抜けてしまうもの」だそう。
日本人がノーベル賞を受賞したニュースを、スポーツジムのサウナのテレビで見た。偉業のニュースをサウナの雛壇で、裸のおばちゃんたちと一緒に聞く不思議な時間。悪いニュースよりもハッピーな話題の方が、良い汗が流せる気がする。
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素粒子と言えば、だんなさんが大学の時の専門分野なので聞いてみたけれど、私にわかる訳がなかった。理系から最も遠いところにいる気分。そういえば、昔から何度か「素粒子って何?」と聞いてきたけれど、「目に見えないくらい小さくて、ある意味モノを突き抜けてしまうもの」だそう。
見えてても気づかないということかもしれない。では「見える」というのはどういうことか、というようなループにはまるのでいつも考えるのをあきらめてしまう。
偉大な研究の積み重ねが、現代の暮らしに生かされていることはわかる。青く光るダイオードのおかげで長持ちする信号機ができ、緑に光るたんぱく質の発見のおかげで、がん細胞の広がり方が観察できるようになった。そういえば、私がノーベル賞という言葉を最初に知った頃に読んだ「キュリー夫人」(絵本)でも光るラジウムを発見していた。「光る」ものを探しあてた人がもらえる賞ということで、私なりの納得ができそうだ。
何かを発見するときに、「そのものが光っていた」というのはとても印象的なシーンとなる。光はいろいろな現象や理由があって起こるものだけど「人間の目にみつけやすい」という性質を持っている。人間にみつかるために光ったのかもとか、SF的な妄想をしてしまう。ただ光る性質が元々あっただけなのだけれど。
私の秋の授業にある「情報デザイン論」でも、情報を伝えるために「光」を使うという話をする。人は音や図や振動などから情報を得るけれど、「光」もかなり強く人の注意をひきつけることができるものだ。命の危険に関わるような場合に光るサインが多く使われるし、海で遭難した時にみつけてもらうためのグッズに光を反射させるミラーがある。手に納まるような大きさの鏡でも、ヘリコプターからみつけられるほどの光を反射できる。
ここで素粒子の話における、「見える」とはどういうことかをもう一度引っ張り出すと、「見える」には光が必要ということになる。そもそも、人の目に見えるためには光が必要なのだ。光にあふれた世界にいると気が付かないが、夜の闇では光がなければ何も見えない。
人間以外に光を利用する生き物は、蛍やホタルイカなどの発光生物ぐらいだろうか。Wikipediaによると、ホタルイカの発光は海底から見た時に海面からの光に溶け込んで、見えなくなるために使われているという。人間以外に彼らを捕食する敵は、きっと下から来るんだろう。
光の中では光っていた方が目立たないという、「カウンターシェイディング」の効果だというからすごい。だから、敵から見えないホタルイカの海面側の体には、光る組織がほとんどないらしい。ホタルのようなアピールや交信のための光ではなく、ホタルイカの場合は「自分を消すための光」だったのだ。小さい体で光学迷彩か。
光を操って生きている私たちは、何かが光るとそこにすごく積極的な存在を感じるものだ。ディスカバリーチャンネルの「海底探査船」という番組で見た、探査船が海に眠るタイタニック号を最初に発見した時の映像でもそれを感じた。
完全に光の届かない水中に沈む船を、ゆっくりと撮影した映像。暗い海底に沈んでから70年ぶりに光をあてられた姿だ。無残にも腐食した甲板の様子。突然そこに暗い船内からこちらを照らす灯りが、ふわっと現れて撮影者が一瞬ドキッとする。背筋の凍る思いをしたと語る。実はたんに船の窓ガラスに撮影用のライトが反射しただけだったのだけれど、「光」=「人の気配」というのは人間に染み付いているセンサーなのかもしれない。
海底といえば、深海の生き物はある程度の深さまでは、美しい体の色を持っている。光が届かないところで生きているのに、なぜ鮮やかな色なのかと不思議だけれど、私はたぶん人間が来た時のためだと思っている。
「そんな深さまで来ることができる生き物」=「人間」ならきっとライトを持っていて、自分たちを照らす。太陽の光から守るメラニンとか濁る細胞を持たない体は、美しい純色で鮮やかに見えるだろう。深海の生き物はこの「美しい」という保護色で身を守っているのではないだろうか。そうでないと、光を照らさないと見えないあれだけの美しさを持っている理由がみつからない気がする。
人間の立場から見た身勝手な思い込みかもしれないけれど、世界はなぜかうまい仕組みで回っているように見える。地球は太陽から程よい距離にあったおかげで「光」の恩恵を受けているし、適度に闇の時間帯と光の時間帯を繰り返している。光をみつけて、使って、コントロールする力は、光の中で回る地球の生き物の共有財産なのだ。
これからどんな新しい「光」の発見や発明があるのだろうか。人間のことでも動物のことでも、まだきっと私が知らないだけのものの方がずっと多いので、勉強してみたい。
【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
蛍光灯が中に入っているエコな電球を買った。玄関用なのに青っぽい光のを買ってしまって、暖色系のを買い直した。使ってみると、やっぱり普通の電球のポワンとした灯りの方が、実際熱いだけに暖かみがあって良いような気がする。灯りの色の効果って大事だ。
装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
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