このところの暑さと、数日前のお墓参りで少々夏バテぎみの私。それでも何があっても毎日するのが「料理」だ。料理好きかと聞かれれば「好きな方です」と答えられそうになってきた最近だけれど、夏になると外気温に反比例して料理熱が冷める。本当にさっぱりと冷める。今、世の中の自炊人のかなりの数がウンウンとうなづいた気がする。夏だけはなぜだか知らないけど、料理なんてしたくないのが本音だもの。
テレビ番組でも、キッチンで火を使わずに済む方法を提案する電子レンジ調理とかをよくやっている。いわゆる「時短」で、時間も手間も節約してエコな生活をというやつ。私もかぼちゃの煮物なんかは、電子レンジで蒸し料理ができるマストラッドなどを使うのが定番。今回は、そういった「便利鍋」たちの良いところと悪いところを考えてみたい(私の知っている鍋限定で)。
テレビ番組でも、キッチンで火を使わずに済む方法を提案する電子レンジ調理とかをよくやっている。いわゆる「時短」で、時間も手間も節約してエコな生活をというやつ。私もかぼちゃの煮物なんかは、電子レンジで蒸し料理ができるマストラッドなどを使うのが定番。今回は、そういった「便利鍋」たちの良いところと悪いところを考えてみたい(私の知っている鍋限定で)。
●電子レンジ調理容器の場合
私の持っている電子レンジ調理容器「マストラッド」は、黒色で深型のパピヨットという種類で、ショップチャンネルで購入したもの。これは最近流行のシリコン製の容器で、電子レンジ調理のために使う。蓋の裏に溝がある独特の形状で、中の蒸気をうまく循環させるそう。触った感じはやわらかいゴムのようでよく曲がる。
・マストラッド
< http://www.mastrad.jp/
>
実際に使う時は、切ったかぼちゃと砂糖としょうゆなどで作った煮汁を一緒に入れて、電子レンジにかけるだけ。一度で全部仕上げずに、数分ごとに開けてかぼちゃの上下を入れ替えて、混ぜながら作ると味が均一になる。色が黒いパピヨットは、雰囲気があって見た目も素敵で食卓にもそのまま出せる。調理に使わなくても食器がわりに十分使えるのが便利だ。
耐熱温度が220℃と高いので電子レンジだけでなく、オーブン料理もできる。グラタン皿として使ってチーズがとけても、このやわらかい容器はへっちゃらなのだ。内側はツルツルなのでチーズがこびりついても洗うのも楽だし、食器洗い器にもかけられてらくちん。しまうところがなくても、食器棚の上の奥の方のデッドスペースへ、つぶして押し込めることができる。シリコン食器なので、割れる心配が一切ないのも気楽だ。
悪いところを言うならば、色が黒いせいか綺麗に洗っておいてもうっすら水の跡が白く残った感じになるところ。そして通販番組のショーで見たほど、自分の料理レパートリーが広がるわけではなかったところ(これは自分のせい)。
●圧力鍋の場合
メイン料理となるとやっぱり、しっかり作ったおいしさが必要なので、圧力鍋や保温調理鍋の登場となる。どちらも火を使う時間はかなり節約できるので、暑い夏には重宝だ。
圧力鍋は、2年くらいはどの鍋を買うか悩んでいたと思う。カレーを作るたびに、「圧力鍋があったらなぁ」と思い続けていた。そして「WMF」のパーフェクトプラス4.5Lを楽天で購入。実売価格にはかなりの幅があるのでよく調べて買った。
・WMF 貝印
< http://www.kai-group.com/jp/products/brand/index/wmf/
>
この鍋は流線型のハンドルが美しいし、フタについたハンドル部分は外れるのでとても洗いやすい。そして圧力のピンが大きいので見やすいのと、調理中に音がほとんど出ないのもポイントで決めた。私にとって初めての圧力鍋なので、圧のかかり方などは他と比較ができないけれど、豚の角煮やカレー、おでんの大根、骨まで食べられるさんまの煮たのなどに大活躍している。ステンレスの鍋だと焦げつきやすいかと心配だったけれど、少々焦げても洗うと落ちるので、そこそこ綺麗なまま保つことができている。
悪いところを言うならば、やっぱり重たい。本体約3kgに、料理の中身3kgくらいが追加されて6kgくらいの重さになる。フライパンじゃないので、ふるうわけではないけれど、ガスレンジのとなりの口に移動するだけでも「フッ!」と力が入る。
洗う時にも鍋の中でお湯を湧かしてふやかしたりするので、6kg位の鍋をシンクまで移動させる。これではどんどん腕力がついてしまう。
他のマイナス点は、消耗品のパーツの値段が高いところ。シリコンのパッキンは圧を保つのに一番大切なので堅くなる前に交換が必要だけれど、これが送料込みで3千円くらいはかかってしまう。どの圧力鍋でもパーツが高いのは同じみたいなので、しょうがないけれど。
一度持ち手の反対側にある補助ハンドルを焦がしたことがある。これは私が使用ルールを守らず、火を大きくしすぎたせいだ。鍋の外にはみ出さない程度の火の大きさにするのが厳守みたい。替え用のハンドルを買って交換する時に、貝印のサポートの人と電話で話した。
まず、焦げてボコボコになったハンドルがなかなか外れないのでどうやって外すのかを聞くと、「特にコツはないです。あえて言うなら「力づく」で。」とコントのようなことを平気で言われたのがおかしかった。「力づくでやれだって。」と隣で鍋と奮闘していただんなさんに言うと、心おきなく力を入れられたようでガツッっと外れた。新しいハンドルを入れる時も力づくで。ドイツ製らしい男っぽい作りの鍋かもしれない。
そして、圧力鍋についていつも気になっていることがある。通販番組のショーなどでよく見る「1分調理」と言ううたい文句だ。1分なのは「加圧時間」であって、料理ができあがるまでの時間ではないのにと思ってしまうのだ。実際はこれに「沸騰させるまでの時間」と「圧が抜けるまでの時間」がしっかりとかかるのを、テレビではほとんど言わないことが多いと思う。それでも普通に作るよりはだいぶ時間短縮になるので、あったら助かる鍋には違いない。
●保温調理鍋の場合
保温調理鍋は、内側に入れる内鍋と外側の保温鍋とが分かれていて、内鍋だけを火にかけて料理を十分に沸騰させてから保温鍋に入れて、後は置いておくだけで調理が進むというもの。「シャトルシェフ」は人に勧められたのをずっと覚えていて、いつか欲しいと思っていた鍋。沸騰までのガス代しかかからないことになり、かなりエコな鍋だ。普通の鍋を毛布でくるんで保温してる人もいるというので、保温調理は昔からある調理方法のようだ。
・シャトルシェフ
< http://www.thermos.jp/Products/kitchenware/shuttlechef.html
>
最近になって16cm浅型という小さいサイズが出たので、卓上でもコンパクトに使えそうということで購入した。温かいご飯を入れたまま、仕事場へ持って行くのも便利だと思う。
実際使ってみると、鶏のもも肉もやわらかくゆであがるし、圧力鍋だととけてしまいそうなじゃがいもも煮くずれなかった。使い方は鶏のもも肉とゆで汁を入れてしっかり沸騰させたら、フタをして保温鍋に内鍋を入れる。保温鍋のフタをしっかり閉めたら後はゆであがるまでほっておけばいい。1時間後でもグツグツいいそうに熱々だ。
保温鍋の外側は熱くならないので、ダイニングテーブルに置きっぱなしで大丈夫なのも良い。ガスレンジがあくのでその間に他の料理ができる。もちろん料理を食べている間の保温用にも使えるので便利だ。沸騰状態で保温鍋にしまった料理が、数時間後まで熱々なのはびっくりする保温力。味をしみ込ませる料理に向いている。
圧力鍋と違って、内鍋とフタと保温鍋しかパーツがないので、細かな部品管理が苦手な人にも保温調理鍋はお勧めできると思う。フタをなくさない限りは買い足すパーツもない。
悪いところは特にないけれど、保温で加熱するので時間短縮できる鍋ではないのを、間違って買ってしまうと合わない人がいるかもしれない。鍋の前にいる時間は短いけれど、調理全体にはそれなりに時間がかかる。
まだまだ活用しきれていないので、もっと使わなきゃと思うけれど16cmのサイズは大きいじゃがいもなら3つでいっぱいなので、もっと大きいサイズの方が良かったかもしれない。
しかし、保温鍋は「鍋いっぱいに料理を入れて沸騰させ、その熱を全体にまわして調理する」もの。鍋の半量作るという訳にはいかない性質のものなので、作る料理の量でサイズをしっかり見極めて買う必要がありそうだ。便利なので大きさを分けて複数持っているユーザーが多いのもシャトルシェフの特徴。
こうしていくつかの便利鍋を見てみると、自分のライフスタイルに合うことはもちろんのこと、「自分の性格に合うもの」を選ぶことが一番大切だと思う。自分がせっかちさんなのか、おっとりさんなのか、何をめんどくさいと感じるタイプなのかをしっかり分析してから購入すると失敗しないと思う。
鍋を変えるだけで料理が変わり、料理が変わると生活が変わっていくのは実感している。でもやっぱり、早く涼しい季節になってほしいぃ。まだ夏休みはこれからなんだけれど......。
【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/
>
最近インコが飼いたくてYouTubeの動画をいくつも見てしまう。鳥のホケッとした雰囲気がいいし、しっかりとこちらを見ながらテケテケ歩くのとかがツボ。