食欲の秋に突入している。夏まではさっぱりしたものを求めていたのに、9月に入った頃からこってりしたものが食べたくなってきた。自分で作る料理は和食が多い。外食も好きなので、お好み焼きやお寿司、焼き肉など自宅のそれとはちょっと違う、臨場感のある料理を外に求めてしまう。
最近ハマっているのは「アメリカン・レストラン」だ。その名の通りアメリカっぽい食べ物「アメ食」がある所。アメリカのドラマも「アメリカン・アイドル」も好きだし、いっそ住んでしまうのはどうかと思うけれど、私には日本での暮らしの刺激としての「アメリカ」程度がちょうどいいのだと思う。
最近ハマっているのは「アメリカン・レストラン」だ。その名の通りアメリカっぽい食べ物「アメ食」がある所。アメリカのドラマも「アメリカン・アイドル」も好きだし、いっそ住んでしまうのはどうかと思うけれど、私には日本での暮らしの刺激としての「アメリカ」程度がちょうどいいのだと思う。
●魅惑のアメリカ系チェーンレストラン
アメ食はハンバーガーとかステーキとか既に日本になじみきっているものを含むけれど、単品だと日常すぎておもしろみがない。そこで簡単にアメ食の舞台がセットで整っている「アメリカ系チェーンレストラン」が魅惑的だ。いわゆる日本のファミレスの元になっていそうな店。代表的なお店はHard Rock Cafe(ハードロックカフェ)だろうか。一歩店に入ればそこはアメリカという感じで店内が装飾されており、アミューズメント要素もたっぷりだ。お客の外国人率の高さも特徴のひとつだろう。
他には「T.G.I.フライデーズ」「アウトバックステーキハウス」など。場所はたいてい大型ショッピングセンターや、アミューズメントパーク内にあり、家族やカップルにぴったりだ。遊びでお金を使った後でも、なんとかなりそうな価格設定も入り易くていい。
・Hard Rock Cafe
< http://www.hardrockjapan.com/
>
・T.G.I.フライデーズ
< http://www.tgifridays.co.jp/
>
・アウトバックステーキハウス
< http://www.outbacksteakhouse.co.jp/
>
こういう店舗の共通点は、〈ボックスシートにステンドグラス風照明〉〈ハデな盛りつけの料理写真入りメニュー〉〈大きすぎるグラス入りドリンク〉〈勢いのある店員〉などがある。私が好きなこの手のお店の写真入りメニューにもまた共通点があり、前菜のページにドンと大きなオニオンリングの写真があり、なぜか最後のデザートのページはアイスのせチョコレートブラウニーで終わるのだ(笑)。盛り盛りのホイップもお約束。なんでこうも見事にパターン化されてるのか、楽しくていつもチェックしてしまう。
・T.G.I.フライデーズ メニュー
< http://www.tgifridays.co.jp/menu/
>
・アウトバックステーキハウス メニュー(日本)
< http://www.outbacksteakhouse.co.jp/menu/pdf/Menu_B.pdf
>
しかし、不思議なことにレストランのアメリカ本家のサイトのメニューは、写真がないものが多い。アメリカでは、写真は少なくて文字の羅列のメニューというのが一般的なようだ。文字だけでは寂しい気がするけれど、料理の名前だけでどんなものが来るのかわかるようになっているのも、アメリカがパターンを変えない国という特徴を表していると思う。定番は想像通りの定番ということか。
・アウトバックステーキハウス メニュー(アメリカ)
< http://www.outback.com/menu/pdf/C203.pdf
>
日本では、日本人の好みに合わせて大きな料理写真のメニューにしているのかもしれない。まだ料理名だけでは想像できない料理でも、そのものを見せられればイメージしやすい。日本人は食品サンプルが好きなように、ビジュアルに触発されやすいのだ。
●日本人向けオーダーのすすめ
店について座席に通された後、パッとメニューを開いた時に最初に目に入る、オニオンリングやチーズがけナチョスのページ。前菜ジャンルの位置づけに惑わされてつい頼んでしまうけれど、味もヘビーで量も多いことを忘れてはいけない。
最初に浮かれ気分で選んでしまうと、メインのステーキやデザートをおいしく食べられないという失敗をまねく。実はメインにも十分な量の付け合わせや、サラダがついてくることが多いので、まずはメインを先に決めてしまうのがおすすめだ。
二人で行った場合、それぞれのメイン料理だけでけっこうな量になる。足りなかったら追加するつもりの方が余裕を持てると思う。もちろん大人数の家族やグループであれば心配はいらない。大学生風のグループを見かけると無茶な頼み方でも楽しそうで微笑ましい。
実際こういうオニオンリングは相当おいしいので、メインを軽くしてでも選びたくなるのが悩みだ。自分でも以下のyoutubeのレシピを参考に作ってみたことがある。動画で最後に食べてる音が聞こえるけれど、炭酸水と細かいパン粉を使うとほんとにこんな風にカリカリになっておいしかった。たまねぎ一個で大量にできてしまうけれどね。
・Crispy Onion Rings Recipe
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レストランでは注文の量がうまくいけばぜひデザートを。写真は、アウトバックステーキハウスの渋谷店で食べたチョコレートブラウニー。丸いホイップのボリュームがすごいけれど、ホイップ自体に甘みが少ないのと、下のブラウニーの塩気のおかげで食べやすくておいしい。間にはバニラアイスも隠れている。添えてあるスプーンはカレースプーンぐらいの大スプーンなので、ドーンと大きいのがわかるだろうか。
・アウトバックステーキハウスの「チョコレート・サンダー・ フロム・ダウン・アンダー」
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●化石スイーツ?
私のようなアラフォー世代だと「アンナミラーズ」も懐かしい。しかし、全盛期20店舗以上あった店舗も、現存するのは2店舗のみだと言う。先日のテレビ朝日「お願いランキング」の美味しい順ランキングで、アンナミラーズのパイを取り扱っていて、残念ながらその味の古さを指摘されてしまっていた。
古き良きアメリカを守りすぎたのが敗因かもしれない。私はあったかいアップルパイのバニラアイス添えとか好きだったけどなー。美食家の意見によれば、日本人の舌はこの10数年で驚く程洗練されたのだと言う。
コンビニスイーツでさえ、繊細でリッチな味になっている昨今、昔のままでは求められなくなってしまったのだろう。他のアメリカ系レストランの衰退も同じ理由だと思う。ただ、思い出の味が今も変わらなく残っている価値もおおいに認めていた。今はウェブショップで、通信販売している。ただしホールのみ! ホールで買う勇気はないのが普通だと思う私の、アメ食好きもたいしたことはないということか。
・井村屋ウェブショップ/アンナミラーズ
< https://www.imuraya-webshop.jp/user_data/foodindex.php
>
●衰退の理由
レッドロブスターのテレビCMを覚えている世代には、アメリカ風レストランの豪快で楽しげな雰囲気は魅力的だったはずだ。しかし、私は憧れていた頃には行けず、行けるようになったら店が減ってしまっていた。実際アメリカでの人気は衰えていないらしいけれど、うちの近所の店舗はすっかりなくなってしまって残念だ。そういえば、生きているロブスターをまずテーブルに持ってきて見せてくれるサービスがあった。その後に真っ赤になったロブスターが運ばれて来る。
きっとアメリカ系チェーンレストラン特有のサービスは、控えめな日本人には積極的すぎるのだろう。例えば、お誕生日の人がいるテーブルでのバースデーソングや、火花の散る花火付きのカクテル。バッと周囲が注目する瞬間が怖い人もいるだろう。食べきれないほどの料理のボリュームも、今の時代に合わないのかもしれない。それをマイナス面と感じるか「こうでなきゃ」と感じるか。顧客単価は決して安くもなく、もっと安くておいしいものはたくさんあると言われてしまうのかもしれない。
私にとっては日常の変化としてちょうど良い場なので、たまに行ってはその変わらないパターンを楽しみたいと思うのだ。次の日の朝ご飯は、やっぱり梅干しのお茶漬けがおいしいけれど。
【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/
>
最近電車の中でのiPhone率の高さに驚く。他の携帯電話を持っている人は、かなり顔のそばまで携帯を持ち上げて操作している印象。iPhoneの人は手の位置が低めな感じなのだ。離れても見やすいのかな。