最近映画に行っていなかったのだが、ようやく「ヒューゴの不思議な発明」を3Dで見て来た。マーティン・スコセッシ監督は好きだし、予告編のCMを見ても楽しめそうだったので、終わらないうちに見たかったのだ。
おすすめの映画なので見る前の人にも読んで欲しいけれど、今回の記事は映画のネタバレを少なめにしたつもりでも結局だいぶ含んでいるので、前知識をとりこまずに鑑賞したい方は読まずに映画館へどうぞ。
・大ヒット上映中 映画『ヒューゴの不思議な発明』公式サイト
< http://www.hugo-movie.jp/
>
3Dメガネにはだいぶ慣れたけれど、やっぱり私は鼻の高さが足りていない気がする。みなさんは本当に違和感なくかけていられるのだろうか。
映画館ではいくつかお知らせが流れてから、3Dメガネをかけるように表示される。映画の告知CMは3Dの作品がいくつかあって、「タイタニック 3D」のCMもあったのでその立体化具合が確認できた。撮影時に2Dだったのに今は後から3Dにできるという。
船の先っぽで二人でT字になるあのポーズも予告編に含まれていて、けっこうしっかり飛び出していた。今やギャグにもよく使われるくらい有名なあのポーズを、ドーン! と3Dで出すのってすごいなぁと、こっちが照れてしまったけれど。
おすすめの映画なので見る前の人にも読んで欲しいけれど、今回の記事は映画のネタバレを少なめにしたつもりでも結局だいぶ含んでいるので、前知識をとりこまずに鑑賞したい方は読まずに映画館へどうぞ。
・大ヒット上映中 映画『ヒューゴの不思議な発明』公式サイト
< http://www.hugo-movie.jp/
>
3Dメガネにはだいぶ慣れたけれど、やっぱり私は鼻の高さが足りていない気がする。みなさんは本当に違和感なくかけていられるのだろうか。
映画館ではいくつかお知らせが流れてから、3Dメガネをかけるように表示される。映画の告知CMは3Dの作品がいくつかあって、「タイタニック 3D」のCMもあったのでその立体化具合が確認できた。撮影時に2Dだったのに今は後から3Dにできるという。
船の先っぽで二人でT字になるあのポーズも予告編に含まれていて、けっこうしっかり飛び出していた。今やギャグにもよく使われるくらい有名なあのポーズを、ドーン! と3Dで出すのってすごいなぁと、こっちが照れてしまったけれど。
タイタニックは昔2Dで映画を見ていたので、泣けるシーンが映るとうるっとした。しかし、何と言ってもディカプリオの美しさのピークが記録されていることが一番にありがたい(笑)。過去の映画の3D化への興味も、この予告編を映画館で見られたことで充分なような気がした。
「ヒューゴの不思議な発明」は、冒頭の駅のシーンから3Dの技術をばっちり生かした遠近効果で、見る人を一気に昔の時代へ引き込んでくれる。これから始まる映画がどんなものなのか、期待を増幅させる導入の部分がとても丁寧なつくりだ。
舞台は1930年代のパリで、当時活躍していたのは蒸気機関車だ。駅の建物や乗客たちの服装のクラシックな雰囲気と装飾がすてきだ。色あせたゴールドのような真鍮の色が美しく、看板も椅子も駅にあるものはすべて人の手で作ったもので溢れている。そういった意味ではとても贅沢な時代だ。
主人公の少年ヒューゴが駅でせっせと働いていること、なぜか貧乏なこと、駅で見かけた人たちの日常などが点々と見えてくる。人々が何に注目して、何を楽しみにして、何を恐れているのかが徐々に分かって来て、気がついたらそれらがつながっているといったシーンの作り方だ。
決してつながらないだろうと思っていたところが、急激につながってストーリーの展開がスピード感を増すところがうまい。
出て来る人物の数は多いけれど、主要な人物の関係以外は分かりやすい関わりにしている。それだけに肝心の主人公回りの関係が、見ている途中ではまったく分からない。だから、何となく「?(クエスチョンマーク)」をずっと引きずりながら見る映画だった。
この映画は人と人との関わりが、簡単に「好き」とか「嫌い」とか「親しくなりたい」というものだけではないということを教えてくれていると思う。そしてクライマックス付近で自分の頭の中の「?」を吹き飛ばすように、「!」と大事なメッセージが突き刺さってくる。自分の涙で3Dメガネの効果が半減してしまうのは誰しも避けられまい。
私も常々「?」を「!」に変えるような授業をしたいと思っているけれど、まさにそれを映画でやられてしまったような感じだ。大人たちは遠回りしたり、ややこしくさせてがんじがらめになったりすることがある。そうならないために、バッチリなタイミングで大事なものを掴むには何をしたらよいのか。
この映画には少年の濁りのない瞳のアップが多く使われているけれど、本当に澄み切った目で周囲を見ていますか? と問われているような気がした。
3Dや美術、映像の美しさもよいけれど、人々の関係が一番素敵だ。映画のための映画とも言えるので、映画の歴史を振り返ってみたくもなるし、見た後で調べものをしたくなる映画でもある。
一緒に見ただんなさんは、見る前はCMの印象からSFアドベンチャー物だと思っていたようだ。私も物理的な魔法の映画を想像してしまっていた。もっともっと素敵な心の魔法があるのが分かる作品だ。
映画の技術でも過去のクラシックな映画が3Dで飛び出してくるシーンがあるのは、映画を作り込む側の遊びをチラリと楽しんでいるのだと思う。映画の「時代を遡って操る技」の可能性は「タイタニック」どころではないんだよホホホと監督が言いたい感じかな。映画館で見るのにぴったりで、何にせよすごく楽しめる映画でした。
【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/
>
最近おやつに「くるみ」をリスのように食べている。あまり食べ過ぎないように気をつけながら、そのままポリポリ。菜の花のくるみ和えもおいしいし、フードプロセッサーでバターと蜂蜜を足してクリーム状にして「くるみバター」にするのもおすすめ。