もじもじトーク[12]カセットテープが好き!
── 関口浩之 ──

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こんにちは。もじもじトークの関口です。

今年も、文字やフォントにまつわる話題を中心に隔週木曜に寄稿しますので、お付き合いください。よろしくお願いします。

もじもじトークでは、自分の趣味に関連した天体観測、IT、オーディオなどのネタもときどきお送りいたします。

本日のテーマは「カセットテープ」のお話です。

みなさん、カセットテープを製造している(もしくは製造していた)メーカー名、何社言えますか?

では、僕の手持ちのカセットテープを写真を何本か掲載します。
< http://goo.gl/apGRnv
>

写真掲載したのは4社のみですが、僕が使用したことのあるメーカーを書きだしてみました。

富士フイルム、日立マクセル、DENON、That's、SCOTCH、SONY、TDK、YAMAHA、TEAC、AKAI......まだまだあると思います。




●音楽はステレオの前で聴くもの?

時代はさかのぼりまして、小学生の頃(1970年前後)、自宅に家具調のステレオシステムがありました。センターにレコードプレイヤーとアンプが鎮座し、両側にスピーカーが備え付けてあるタイプです。

アンプの中を覗くと真空管が入ってました。まだトランジスタが普及してなかった時代ですからね。

当時の録音装置は、オープンリールぐらいしかなかったような気がします。なので、音楽を聴くときは、家具調ステレオシステムの前で聴くしかなかったのです。そういうものだと思ってました...。

ソファーは、当時、応接セットと呼ばれてましたね! 網々の白のレースが掛かってましたw 家族揃って応接セットに座って音楽鑑賞です。なんか素敵ですね。そういえば、カラーテレビも家具調だったような気がしますw

その後、ハンドヘルドタイプのカセットレコーダーが我が家にやってきました。当時のステレオシステムやテレビには、外部出力端子がなかったので、ピンコード接続ではなく、スタンドマイクで録音しました。

1970年代、音楽を楽しむにはレコードを買って聴くか、ラジオかテレビから流れてくる音楽を聴くしかなかったのです。

でも、小中学生のおこづかいでは、レコードはめったに買えません。そこで、テレビやラジオから流れてくる音楽をメディア(カセットテープ)に残して、自分の部屋で楽しむということに対してすごく貪欲だったと思います。

録音中に「ごはんできたよ〜」と雑音が入っても(笑)、悲しいけど、それはそれで楽しかったです。

●カセットテープ、最強の時代へ

1980年前後に群馬から東京に上京し、ひとり暮らしをはじめました。上京してまず最初にしたことは...、秋葉原のオノデンに足を運んで、三洋電機の「おしゃれなテレコ U4」を買いました!

やぁ〜、正真正銘のラジカセです。CDプレイヤーなんぞ、付いていませんw

FMがステレオ音声で聴けて、なおかつ、カセットテープに音楽がステレオ録音できる! 音楽好きな僕としては、もう涙がちょちょぎれました。

ラジカセ本体にタイマー録音機能がなかったので、てんとう虫の形をしたタイマー装置でエアーチェックをバンバンしたのを鮮明に覚えてます。テントウ虫の形をしたタイマーとは「あと何時間したら電流ながしますよ」というタイマーです。

●カセットテープにはいろいろな規格がある

ノーマルテープ、クロームテープ、メタルテープの3種類ありましたね。さらに、ドルビーBタイプやドルビーCタイプという、ドルビーノイズリダクションシステムをカセットデッキに搭載したものが流行りましたね。

最近のラジカセやカセットデッキには、dolbyシステムのセレクターが付いたのはあまり見かけませんが...。

我が家には、現役のカセットデッキ「パイオニア T-WD5R」とインテリア用(駆動ベルト切れ)の「ティアック ff-55」がありますが、しっかり、dolbyシステムに対応しています。

だけど、持ってるカセットテープが、dolby onなのかdolby offなのか、カセットレーベルに印付けるのを忘れてました。

カセットテープが好きな理由を並べてみました。

・1980年代のカセットテープのデザインが素敵
・パッケージングも素敵だったりする
・爪を折ると録音できなくなる
・セロハンテープ貼ると書き込み可能に
・鉛筆でテープのたるみを調整できる
・レタリングでオリジナリティあるタイトルができる
・FMステーションのインデックス素敵だった
・思ったより劣化が少ない

●MDってメディアの登場

そういえば、MDってメディアありましたよね。MiniDiscの略ですよね。

引越しをする度にカセットテープは少しづつ古いのから処分してましたが、20年ぐらい前は1,000本ぐらいまで溜まってしまいました。

ラックにきれいに並べるのがかっこいいと思ってましたが(自己満足w)「邪魔だよ〜」「聴かないテープ沢山あるんじゃない」という意見もあり、200本ぐらい残して処分しました。

残したカセットテープは、アメリカ西海岸で一年間仕事して時(1985年頃)に録りためたエアーチェックものと、日本のFM局の特集番組のエアーチェックものが中心です。

米国FM局の番組はDJトークがかっこいいのと、CMがなかなか素敵なんです。英語なので、BGMで流して仕事するのにもちょうどいいですし。

なぜ大量処分に踏み切れたかというと...、その頃「これからMDの時代がくるぜ〜」という感じがして、ヤマハのMDレコーダーとMDウォークマンを購入したのです。聴きたくなったらCDから録音し直しすればいいやと思ったので。

しかし、新品のMDカセットが100枚ぐらい、今でも押入れの中に眠ったままです。MDで音楽を聴いたのは4〜5枚だけでした。僕にとって、MDの時代はいつの間にかやって来て、いつの間にか去って行ってしまいました。

●なぜ、カセットテープが好きなの?

新たにカセットテープに録音することはほとんどありませんが、30年前に録音したカセットテープを、今でもウォークマン(カセットテープタイプ)で聴くのが好きなのです。

何が良いかって? なかなか表現が難しいです。言葉にするとこんな感じです。

・ダイナミックレンジが広い気がする
・奥行き感がある
・デジタルデジタルしていない
・あったかみがある
・テープヒスノイズが心地よく感じる時がある

意見には個人差がありますので(笑)、結局は自分が心地よいと思う環境にて、好きな音楽を楽しめるってところが大事ですよね〜!

いまだに、現役で活躍してるウォークマンが5台あります。かなり変態かもしれませんw

もちろん、ITガジェット好きなので、iPhoneで音楽聴きますし、音楽専用プレーヤーも10種類ぐらい買って使ったことがあります。それぞれ、素敵で楽しいです。

でも、なぜか、カセットテープで音楽を聴く機会が今でも一番多いってことは、単にカセットテープと相性がいいのだと思います。

たまには、アナログ感覚の音楽素材を聴くのもいいかもしれませんよ。

【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
< http://fontplus.jp/
>

1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。

その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。

小さい頃から電子機器やオーディオの組み立て(真空管やトランジスタの時代から)や天体観測などが大好き。パソコンは漢字トークやMS-DOS、パソコン通信の時代から勤しむ。家電オタク。テニスフリーク。