huluはお試し期間を過ぎても解約せずにいろいろ見ている。「アメリカン・ホラー・ストーリー」は現在はシーズン2までがhuluで見られるので、PC画面、iPad、テレビなど場所を変えながら、結局全部見てしまった。
最初のシーズンが始まってから四年も経っていて、シーズン4まで作られている。「Glee」の製作総指揮ライアン・マーフィーによるスタイリッシュ・ホラーだそう。 FOXのサイトでは「エロ・オシャレ・スリラー」とコピーがついていたけれど、女性向けを意識してもいるらしい。
確かにポスターデザインとかわかりやすくクールに作っている。このドラマは日本では訳された時期の違いからか、シーズンのサブタイトルが何通りかあるので、DVDタイトルを選ぶ時は要注意だ。※以下はネタバレがあります。
・海外ドラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー」公式サイト
< http://video.foxjapan.com/tv/ahs/
>
私は「アメリカン・アイドル」も好きだから単純に「アメリカン」がつけば何でも好きなんじゃないの? って言われそうだ。なんでアメリカ人はタイトルにアメリカンとつけたがるのだろう。
でも、そう言えば日本の番組でも「ニッポンの〜」とつくタイトルは最近やたらと多い気がする。きっとみんな自分の国が好きなのね。純粋な日本人の私は、ニッポンのでもアメリカンでも面白ければどっちでも良い。
「アメリカン・ホラー・ストーリー」はシーズンごとに場所も設定も変わるのに、レギュラー俳優数名が全く別人の役で出ているのも変わっているところ。
正統派とはちょっと違う人ばかりだけれど、新シーズンでも登場した時に、既になじみのある俳優というのが「待ってました感」を満たして良い感じだと思った。
●アメリカン・ホラー・ストーリー:呪いの館 シーズン1
ジャンルはホラーだけれどすっごく怖いという訳でもないので、私は夜中に一人で見ても全然平気だった。でもこれは激辛料理と同じで、辛さレベルの感じ方が人によって違うように怖さの感じ方もいろいろ。
私の場合はシーズン2での残酷シーンがあまりに強烈な時には、AppleTVで大画面で見ていたのを、サッとiPadに切り替えたりして対処した。耐性があると自覚していた私でも、正直目をそむけてしまうシーンが多々あったので、次のシーズンを見るかどうかは決めていない。
このドラマはR指定が入っているせいか、残酷シーンに遠慮がない。怖いシーンの予感はあるけれど、最初はたぶん全部は映さないだろうとタカをくくっていた。
しかし、バッチリと見てしまったので、え? えー! っという感じで二度驚く。シーン自体に驚き、R指定の許容度にもう一回驚く感じだ。
ココまでやるのかぁという驚きで、だんだんと身構える癖ができてくる。
わかりやすく言うと、切るシーンはカミソリであろうとオノであろうと、そのまま切れるのが映っているし、流血もリアルだとこんな感じだろうという量が勢いよく出ている。ありのままの残酷さだ。
もちろん特殊メイクで作られているので、実際に人間を切っているわけではない。血しぶきは赤いけれど血の海は黒い。きっとリアルで血の海って黒いのかもしれない。けれどあんまり考えたくない。もう、こういうのは限界かもな(弱気)。
私は怖さでは日本のホラーで特に「心霊」の文字がつくと急に苦手になる。心霊写真なんて漢字だけ見ても、今入力しただけでもすごく嫌だ。
たぶん子供の頃に見た「3時のあなた」の、心霊写真特集のコーナーのせいだと思う。毛布が何を守ってくれるのか知らないけれど、何かかぶらないと見られなかった。
しかし、海外のホラーは、出て来るのが「ゴースト」だからちっとも怖くない。原体験にないという安心感からかもしれない。でも今、回のドラマで切るシーンは苦手だと自覚した。
シーズン1は「呪いの館」で、立派な洋館に引っ越してきた一家(夫婦と高校生の娘)が散々怖い目に遭うというベタな設定。
過去に館であった恐ろしい殺人事件が序所に明るみになるのだけれど、一回ではなく何度も何度も違った形で恐ろしい事件が起こってきた場所らしい。
普通の館系ホラーは、謎の怪奇現象が起こったりして館が呪われているということがわかるけれど、このドラマの場合は、ゴーストが普通に家に「人」としてやってくる。
そして、人間関係が出来上がっていくにつれどうもおかしいということがわかり、本物の人間の方が危険で壊れていることに気づかされていく。高校生の娘は親子問題や自傷行為、恋愛問題などを抱えていてとてもイマドキの感じだ。
私には、ドラマの山場もこの子のシーンだったと思うけれど、家が怖いなら住まなきゃいいという結論に、たどりつけない家族のジレンマがもどかしい。
●アメリカン・ホラー・ストーリー:精神科病棟 シーズン2
ストーリーとしてはシーズン2はシーズン1より面白かったと思う。特にまとめ方が凝っていて、救われるところもあったのがいい。
今回は50年程前の古い精神科病棟が舞台だ。監獄のような病院を修道女シスターたちが切り盛りしているところに、人を殺して皮をはぐという連続殺人鬼が患者としてやってくる。
一番残酷なシスター長をジェシカ・ラングが演じていて、このドラマの中心的存在になっている。その後、連続殺人鬼の精神鑑定をする医師や女性ジャーナリストがこの舞台に加わる。
病院では何が異常で何がまともなのか、考えさせられることがいっぱいだ。当時治療と信じられていた恐ろしい行為が繰り広げられる。電気ショックや熱湯風呂、ロボトミーとか、もう治療と実験とお仕置きがめちゃくちゃなのだ。
こういうのを見ていると、心の拠り所として「まともな人」を探してしまうものだ。しかし、まともな人探しを続けながらドラマを見ていると、次々と裏切られ、欺かれていくのだ。
残忍なシスター長が、従順で優しい顔をしていた部下のシスターに陥れられる。案外この残忍なシスター長がまともだったんじゃないかと、ただ心に弱みがあっただけの志の高い人だったと思ってしまったりする。
見ている人の、人を見る目が試されているような感じだ。
館と違って精神科病棟なので、物理的にも勝手に外に出られないのが恐怖を高めている。精神科病棟の休憩室には当時流行っていたシスターの歌「ドミニク」の陽気な音楽がかかっていて、陰湿な世界との対比が効いている。
しばらくは「ドミニークニックニーク〜」のメロディが頭から離れなかった。私が生まれる前に流行ったらしいので、私はこの曲をよく知らなかったけれど日本でも流行ったと夫に聞いた。
●ジェシカ・ラングが凄い
結局、シーズン1と同じく人間って怖いわぁ、という感想だけれど、どちらのシーズンもジェシカ・ラングがやっぱり凄い。
若い時に「郵便配達は二度ベルを鳴らす」に出ている名女優さんで、確かに若い頃はきれいだったろうなというはっきりとした顔立ち。六十代の彼女は、プライドが高過ぎるような独特の雰囲気を見事にコントロールしている。
登場するたびにおばさんが出す嫌〜な感じを、レーザー銃のように周囲に打ちまくるのだ。シーズン1では洋館の隣人役で、いつの間にか家の中に入りこんでくる遠慮のなさがウザい。
館で起こった恐ろしい事を知っているのに、自分の目的のために家族を利用するのだ。出て来る生身の人間の中で最も怖い。
しかし、彼女の娘が悲劇に遭うシーンでは、複雑な心情表現が見事で、思わず涙が出てしまう。それまではあまりにヒドイ性格のこのおばさんのために同情することなんて絶対ない! と思っていたのに。
見る人を引き込むって、こういう女優ができることなんだと思った。
現在FOXでシーズン4:怪奇劇場を放映している。ジェシカ・ラングはこのシーズンでの降板を発表していて残念。しかし、四作も鬼気迫る魂の入った演技をし続けたのだから、もう充分なのかもしれない。
私はシーズン3と4はまだ見ていないけれど、ジェシカ・ラング見たさに結局見てしまうかもしれない。それこそ怖いもの見たさだ。
【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
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クラッシュ・オブ・クランでは、ホグライダーも作れるようになって嬉しい。ブタに乗っていて壁も飛び越えちゃうのが可愛い。アーミーキャンプをわざと移動させて、自分の村で走らせたりしている。