こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。みなさん、シルバーウィークはいかがお過ごしだったでしょうか? 僕は最初の二日間は実家へ帰ってましたが、東京に戻って久しぶりの休暇とったら風邪をひいてしまいました。
さて、今日は宇宙のお話・第三回「銀河系」をお送りします。
●天の川
みなさん、綺麗な天の川を見たことがありますか?
天体写真やドキュメンタリー番組で見たことあるけど、実際に肉眼でくっきりとした天の川を見たことがある人は多くないと思います。
僕は二回あります。一回目は高校生の時、八丈島を旅した際、天の川がくっきり見えました。40年ぐらい前のことなので星空と天の川がすごく綺麗だったことは記憶にありますが、具体的にどんな感じだったかは忘れてしまいました。
二回目は10年ぐらい前に那須高原のペンションに宿泊した時です。わりと最近のことなのでしっかり覚えてます。
夜中にたまたまベランダに出てみたら、星がすごく綺麗だったんです。なので、外でちゃんと見ようと思ったら,玄関は施錠されていたので非常階段から外に出てみました。
すると……、なんと、天の川がくっきり見えるじゃないですか!
「まさに星が降ってくる感じ」「牛乳をカーペットにこぼしたように乳白色がくっきり」「まさにMilky Wayです」「神々しく感じた」「綺麗すぎてびっくり」でした。
そして、流れ星が何個も流れました! そりゃあもう、大感激でした。残念ながら証拠写真はありません………。
このことがきっかけで、天体望遠鏡や赤道儀などを買い集めることになったような気がします(笑) おまけに、小さい頃に天体写真やっていたので、天体少年の血が騒いでしまったわけです。
ペンションのオーナーに聞いてみましたが、あれだけ綺麗に天の川が見えるのは滅多にないそうです。
天の川がくっきり見える条件はこんな感じでしょうか。
・街の明かりに影響をうけない場所
・空気が澄みきっている
・月が出ていないタイミング
・天の川の濃い方向が空に昇っている季節
ところで、天の川って何なのでしょうか? 正答率90%以上だと思いますが……、我ら「銀河系」です。
じゃあ、いつ見えてどっちの方向か知ってますか? 天の川の濃い部分は射手座や白鳥座の方向になります。つまり、夏の星座です。
それを理解するためには、太陽系が銀河系のどのあたりに位置するかを知ることが一番早いです。
ウィキベディアの「銀河系」のページを紹介します。
< https://goo.gl/CpnKLa
>
この写真は銀河系を二次元で表現していますが、写真中央の下のほうに「オリオンの腕」(Orion Spur)と書かれています。そこにSunと書かれていますが、そこが我らの太陽系です。
そして、地球から見て、夏の星座の射手座方向が銀河系の中心方向、つまり、光を放つ恒星がたくさん集まっている方向なのです。
ちなみに、銀河系の大きさは、直径で10万光年です。端から端までの距離が光の速度で10万年かかるということですね。厚さは1,000光年なので、平べったい渦巻銀河ということです。
そして、太陽のような恒星の数は2000〜4000億個と言われています。
●銀河と星雲
我ら銀河系のご近所の「アンドロメダ銀河」は、以前、「アンドロメダ星雲」と呼ばれることが多かったです。
両方とも正しいのですが、紛らわしいので、雲のように見えるが恒星の集団、つまり、我ら銀河系の外にある銀河は「銀河」と呼ぶことしましょうという分類法が一般的になりました。
わかりやすく分類すると、こんな感じです。
・銀河系 … 我ら銀河、天の川銀河、太陽系を含んでいる銀河
・銀河 … 銀河系の外の銀河。たとえば、アンドロメダ銀河
・星雲 … ガスや塵の集まり。地球から見えるものは銀河系の中の星雲
1970年代に制作された『宇宙戦艦ヤマト』では「小マゼラン星雲」「大マゼラン星雲」と呼んでいましたが、2012年の公開された『宇宙戦艦ヤマト2199』では「小マゼラン銀河」「大マゼラン銀河」と呼んでます。
星雲は言葉が示すように「雲状に見える天体」「ガス状の天体」です。星雲の形状や成り立ちから、四つに大別されます。超新星爆発により発生したガスだったり、恒星になる過程の星間ガスの集まりだったりします。
・暗黒星雲
・散光星雲
・超新星残骸
・惑星状星雲
地球から見ることができる星雲は(ほとんどがハッブル宇宙望遠鏡の撮影ですが)、銀河系の中の天体です。銀河系外の銀河の中で発生している星雲は撮影することは困難ですので。
もっとも有名な星雲は、暗黒星雲である「馬頭星雲」ではないでしょうか? ウィキベディアの「馬頭星雲」のページを紹介しますね。たしかに馬の後ろ姿に見えますよね!
< https://goo.gl/MSTuFk
>
●太陽系より外の天体を自分で撮影してみた
三年前からベランダで天体観測を時々していますが、東京都内は空が明るいこともあり、太陽系よりも外側の天体を写真でとらえることは正直むずかしいのです。
唯一、写真にとらえることができたのが、この写真です。じゃーん!
< http://goo.gl/8Nhh2M
>
しょぼい天体写真のように見えますね……。でも遥か彼方1,300光年先の星雲をベランダから写真でとらえたことは、僕にとっては大きな第一歩であり、記念すべき出来事だったのです。
つまり、この写真に写っている光は1,300年前の光なわけです。ということは、飛鳥時代から奈良時代の頃の光を撮影したことになります。
どのくらい遠いかというと、地球から冥王星までの距離の1,000倍くらい先にある星雲なのです。NASAが2007年に打ち上げした「ニュー・ホライズンズ」(太陽系外縁天体の探査を行う無人探査機)が八年以上かけて冥王星に接近しましたが、それよりも1,000倍先にあるのがオリオン大星雲なのです。
太陽系から一番近い恒星はケンタウルス座の「プロキシマ・ケンタウリ」という星になります。その星までの距離は約4光年(光の速度で約4年かかる)なので、その約300倍先になります。
銀河系の直径が10万光年と言われているので、距離の話をすると訳が分からなくなりますね。宇宙全体規模で距離の話をすると、さらに訳が分からなくなります。
次回、宇宙のお話・第四話(最終回)は、更に範囲を広げて、宇宙全体のお話をお送りする予定です。
【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
< http://fontplus.jp/
>
1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。
その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。
小さい頃から電子機器やオーディオの組み立て(真空管やトランジスタの時代から)や天体観測などが大好き。パソコンは漢字トークやMS-DOS、パソコン通信の時代から勤しむ。家電オタク。テニスフリーク。