もじもじトーク[29]スーツケースのお話
── 関口浩之 ──

投稿:  著者:



こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。先週末はWeb系イベントに参加のため、二泊三日で仙台出張でした。東京に帰る日曜日、ホテルで目が覚めると、声がでないぐらい喉が痛くなっていました。

前日の夜まで風邪を引く兆候はなかったのですが、急激に風邪の症状になり、その後二日間ダウンしていました。寒暖の差が激しいこの季節、みなさんもご注意ください。

さて、今回は「スーツケース」のお話です。イベントやセミナーに年20回ぐらい参加している関係で、僕にとってスーツケースは必需品なのです。




●スーツケースの車輪がパンクした

数か月前のことですが、スーツケースの車輪がパンクしました。えっ、パンクするの? 証拠写真はこちらです。ジャーン!
http://goo.gl/gFQJL8


プラスチック製の車輪ならバキッって壊れると思うんですが、僕のスーツケースの車輪はゴム製で、中が少し空洞の構造になってました。

スーツケースを買い換えると数万円の出費になるし、メーカー修理は高いらしいし…。かなり気に入っているスーツケースなので、買い替えしたくないという理由もありました。

じゃあ、自分で修理するのはどうだろうか……。でも、難関がありました。

・ホイールが簡単に外れそうもない。
・同じサイズの車輪、同じ直径のボルト(車輪軸)が手に入るか?
・ボルトの固定処理はきちんとできるか?

検索してみると、諸先輩がすでに成功例を掲載していたので、それらを参考にしてトライすることにしました。

●自分で修理してみよう!

まずは部品探しです。僕の大好きなホームセンター「ドイト」は家から歩いて3分のところにあります。

DIYには用事がなくても月に数回は足を運んでます。でも、さすがに、スーツケースが故障した際に代用品になりそう車輪とネジは、今まで物色したことはありませんでした(笑)

ドイトに行く前に、車輪幅と車輪径をきちんと測りました。幅が20mm、直径が50mmでした。スーツケースの車輪としては比較的大きな部類になると思います。

キャスター部品のコーナーへ足を運んでみると……、あ、あ、ありました!!

まさに、僕のスーツケースのために用意されたような部品でした!!! あっ、取り付ける前に写真とっておけば良かったですね…。

撮影忘れたので、「工具の通販モノタロウ」サイトにて購入した部品をご紹介します。
http://www.monotaro.com/p/0822/7046/


ハンマーキャスター「425G-R50」という部品なのですが、サイズも素材もピッタリでした。購入した部品と購入価格はこんな感じです。

・ホイール 170円
・ボルト 100円
・ナット 30円
・ワッシャー 20円

これ以外で必要な道具は、ホイールの車軸を切り落とすための「糸ノコ」と「瞬間接着材」です。これらは常備品としてもっていました。

作業はこんな感じで進めました。

1. 糸ノコで車軸を切り落とす
2. ホイールと車軸を外す
3. ホイールカバー周辺をきれい掃除する
4. 購入した車輪とボルト(車軸)を取り付ける
5. ボルトの片方をナットで固定する
6. 滑らかにスーツケースが動くかテストする
7. ナットが外れないよう瞬間接着剤で固定する
8. しっかり乾かす

作業工程の写真を撮っておけば良かったのですが、失念しました。なので、車輪交換後の様子や、車輪軸ネジの予備などを掲載しますね。
http://goo.gl/zQwNeu


実際に作業してみて、自分が苦労したことをメモに残しておきます。

・車輪と車輪カバーの隙間が狭いので、糸ノコでカバーを傷つけないように注意して作業しました。隙間が狭い場合は、かなり薄い糸ノコでないと作業できないかもしれません。

・車輪軸は簡単には切れません。ステンレス製だと思うので、最初ギリギリ引いてみたときは「ほんとに切れのかな?」と心配になります。根気よく丁寧にやったところ20〜30分で切り落とせました。

・車輪軸の代用品として「六角穴付ボルト 6×50」を選びました。他店を探せばもっと良い代用品が見つかると思います。次回の出張が迫っていたので、ドイトの在庫から選びました。

・車輪軸の代用品のボルトはナット固定するわけですが、締めすぎるとホイールカバーが内側にたわみます。なので、たわまないギリギリの位置でナットを二個使って固定しました。

・あとでナットが外れないよう工夫する必要があります。自宅に金属にも使える瞬間接着剤があったので、それを使用しました。ネジ固定専用の瞬間接着材もあるようです。自分で修理したのち、三回出張しましたが、今のところ、ナットゆるみはありません。

なお、スーツケースの車輪部分の仕様や構造は各社まちまちなので、上記の通りにうまくいくとは限りません。もし実施する際は自己責任でお願いしますね。

●スーツケースの最大積載重量ってあるのかな?

今年は、月にだいたい二回は泊まりの出張が入ってました。大きなイベントだと二泊することが多いですね。

前日に現地入りして取引先訪問したり、セミナーの準備したり…。そして、イベント当日は懇親会があるので二泊になります。

僕はかなり荷物が多いほうなんです。理由はいくつかあります。

・汗をかきやすい体質なので着替えをたくさん用意します。セミナーで登壇するとなれば、脇の下が大変なことになってしまうのです。なのでシャツ多めになってしまいます。

・カセットテープの音源が好きなので5〜10本のテープ(1980年代のエアーチェックもの)をお供させます。

・ホテルでセミナー資料作成や原稿書きするとき用に、ニアオーディオスピーカーも持っていきます。JCVケンウッドの「SP-ABT1」というBluetooth対応スピーカーなのですが、音がすごくいいのです。

・簡易ドリップ式のコーヒーパックをたくさん持参します。ホテルには瞬間湯沸かしポットがありますので。

・セミナーで紹介する文字グッズをたくさん持参します。写植文字盤、鋳造活
字、覆刻本、各社文字見本帳、などなど。

・カタログをセミナー会場に事前送付できないときは、50〜100部のカタログを運びます。

・参考文献を5冊ぐらい持参することもあります。

・マックノートを予備機を含めて2台、iPadやWindowsノートPCも持参することもあります。

これだけの荷物が入るとかなり重いです。スーツケースをコロコロしながら乗り換えで結構歩くし、街中を駆け回ることも少なくありません。

スーツケースの積載最大重量を調べたことありませんが、たぶん、超えていると思います。

●スーツケース考察

個人的な意見ですが、スーツケース選びで一番気になるのは「車輪」で、堅牢性と安定性が重要です。次に気になるのは「鍵」です。

スーツケースに入れるものが、着替えの衣類が中心であれば問題ないと思いますが、書籍やカタログも運ぶことを想定すると、車輪がしっかりしたものを選ぶ必要がありますね。

でも、車輪部分がしっかりしているスーツケースは、結構いい価格になってしまいます…(汗)

現在、使用しているスーツケースは定価が3万円ぐらいしたのですが、少しキズがついているということで(見た感じ、ほとんど気にならなかった)、半額で購入できました。車輪がかなり大き目だったのと、鍵がダイヤル式だったのも大きなポイントでした。

先日、ヨドバシカメラ秋葉原店のスーツケースコーナーに立ち寄りました。すごい種類のスーツケースが置いてありますね。

僕はダイヤル式が好きなのですが、ほとんどのスーツケースは鍵で閉めるタイプでした。唯一、サムソナイトの5万円ぐらいのものでダイヤル式+鍵式併用のスーツケースがありました。

さすがに5万円は高いなぁ…。今のスーツケースを大事に使うことにしよう。だいぶ傷だらけになっているので、パルテックス雑巾できれいにしましょう。

ところで、「TSAロック」って、みなさん、ご存知ですか? 最近のほとんどのスーツケースには、こんなマークの鍵が付います。
http://goo.gl/bIP3h8


このマーク見たことあるし、TSAロックという名称も知ってましたが、詳しく知らなかったので、調べてみました。〜ウィキペディアから一部引用〜

「TSAロック」とはアメリカ運輸保安庁(Transportation Security Administration)より認定を受けた、スーツケース等に備えられた施錠機構の総称のことだそうです。

アメリカ合衆国領土で飛行機に搭乗する際、手荷物または預け入れ荷物は透視検査を行いますが、TSA係官が中身を直接目視検査する場合もあり、一切施錠しないよう求められます。施錠された荷物についてはTSA係官が錠機構を破壊することも認められており、破壊されたり内容物の盗難があったりしても補償は一切ないとことです。

しかし、TSAロック機能が装備されたスーツケース等は持ち主が自分の鍵で施錠してあっても、TSA係官が専用の合鍵を使い随意に開錠し荷物を検査することができ、検査後は元通りに施錠できる、という仕組みになっているんです。

僕は1980年代から1990年代に、米国駐在や出張で日米間のフライト、米国内の飛行機をたびたび利用しましたが、このような仕組みや運用は当時ありませんでした。

2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件以降、検査が厳しくなったということなのです。TSAロック機能は日本国内旅行では意味のない機能と言えます。

最近の出来事ですが、2015年9月、インターネット上にTSAロックのマスターキーの写真が流出し、この写真を解析した一部のユーザーがマスターキーの3Dデータを作成して公開し、3Dプリンターで誰でも合鍵が作れる状態となったことが話題になりましたね。

TSAロックの種類はTSA001からTSA011までが存在していて、この流出事件では001〜007の合鍵が作られたと言われています。

とはいえ、スーツケースが盗難にあった場合は壊されてしまうでしょうし、貴重品や大事なものは手荷物で持参するのが得策ですね。

スーツケースのお話がデジクリのネタになるとは自分でも思いませんでした。今回、「TSAロック」を勉強することができてよかったです。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
http://fontplus.jp/


1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。

その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。

小さい頃から電子機器やオーディオの組み立て(真空管やトランジスタの時代から)や天体観測などが大好き。パソコンは漢字トークやMS-DOS、パソコン通信の時代から勤しむ。家電オタク。テニスフリーク。