最近は興味の動きに合わせて展覧会を見歩いている。
先日は「MIYAKE ISSEY展:三宅一生の仕事」を見てきた。既に終わってしまったので記事に書くのは遠慮しようと思ったけれど、やはり素晴らしかったので書くことにする。
・国立新美術館 天井から吊るされたフライングソーサー
天井から吊るされたフライングソーサーはものすごく大きく、会場内には同じデザインで、ロープを引っぱってビヨンビヨンと動きを楽しめるものが展示されていた。下に落とすとぺったんとした厚みのない形になる。
・MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事
http://2016.miyakeissey.org
この展覧会は、三宅一生氏の45年間に渡る仕事を展示したもので、その考え方や表現の方法、人や自然との仕事の絡め方が見えてくるものだった。来場者も服飾学校の生徒さんかなと思われるような、若くてファッションに興味のありそうな人が多かった。
人体型の何かに着せてある等身大の展示物の他に、平面の「布」が身体を入れると立体になるということの面白さを伝える工夫が随所に見られた。
畳むと真四角の布がドレスになる作品では、足元に置かれたプレスされた布と、マネキンが着ている立体的なドレスが対比されている。
壁面では同じ作品のミニサイズのものを、実際に小さいボディに着せることができる体験スペースが用意されていた。触れる展示もあるのはとても良いと思った。
●人と機械がイメージを作る
生地がチューブ状の一体成型のニットになっているのが、有名な「A-POC」の展示。天井に大きなロール状の生地が吊ってあり、そこから繋がった生地をマネキンが着て立体的になっている。
天井高を生かして大きな展示物を作っていて、服飾だけには収まらないスケールを感じた。
高度なニッティング技術は、精密にプログラミングされたものだということだ。編機に設定すれば自動的に服の元となる筒状の生地が編み出され、切っても解けない部分のおかげで、セーターなどを画期的に量産することができる。
一枚のセーターだけでなく、フルコーディネイトで靴下や手袋も一気に同じ筒状に編まれている。プラモデルの板のように無駄なく配置された編み物なのだ。
ダジャレではないけれど、意図が糸になって服になる様子が流れるように連携されていてかっこいい。
そこには意図を形にするための膨大な人間のやり取りがあり、ポジションごとに具体的に何かを動かす人の手によって実現している。
編む機械とプログラミングとデザイナーのイメージが繋がって、目標物が編み出されていくのは、物作りの醍醐味の実現という感じだ。
三宅氏の作品というと、写真映えするという印象がある。原色や幾何形態のグラフィカルなイメージ、質感の複雑さや連続性が目に楽しいということがその理由かもしれない。絵になるし、動きをつけても楽しいのはWEBサイトや動画で感じられる。
会場ではプリーツのプレスをする機械を実際に動かしていて、紙と一緒に折り込むことで、横幅広くプリントされた平たい布が実物の幅のプリーツになっていくのがわかった。
プレスが終わった生地を、会場に来た人が触っていたので私も触った。夫に触らないのか聞いたら、私の服を触ったことがあるからいいとのこと。
そういえば、私はその日もPLEATS PLEASEのプリーツ服を着ていたのだ。手にはBAO BAOのバッグで、見るからにMIYAKE ISSEY展を見に来た人的な感じだ。会場でも3人くらいBAO BAOのものを持っている人を見た。
●癖になるプリーツ服
私はここ10年くらいはプリーツを着ていることが多いので「服、プリーツ多いですね」と言われる。PLEATS PLEASEだけではなく、他のブランドのプリーツも着ていて、一回着始めると便利でやめられない。プリーツは癖になるのだ。
伸縮性、通気性の良さ、肌から適度に離れてサラリとしているので気持ちがいいなどその良さはいろいろある。洗っても形状を保持する。
持っている人は知っていると思うけれど、結構洗濯機でジャブジャブと洗える。脱水の後に乾燥をかけずに、気を使って干すことを忘れなければ、こんなに手入れが簡単な服はないと思う。
気を使って干すとは、一か所に力がかからないようにするだけで、バスタオルをかけるようにサラーっとかけておけば問題ない。いろいろとプリーツ服を扱って、その絶妙な適当さがわかってきた。
一度コートのような長い服を、ハンガーにかけて数か月経ってしまい、他のハンガーとの重なりが悪かったせいか、片方の肩のプリーツが甘くなってしまい焦ったことがある。
それでもまた適当に畳んで置いておいたらほぼ治った。ハンガー掛けはなるべくやめて、ケース型の引き出しなんかにバサーッと軽く畳んで入れておくのが一番良いのだ。
メンテナンスが楽ということでつい買ってしまうという他に、プリーツにはプリーツが合うという理由もある。プリーツのシャツにデニムというのも合わない訳ではないけれど、重さ軽さのバランスが難しい。
結局、下もプリーツが安心だ。そしてどんどんプリーツの服になる。
テレビのコメンテーターにもプリーツを着ている人をよく見かける。楽なのにちょうど良いキチンと感があるし、発色もいいので画面映りが良いのだと思う。
旅行にも最適で、シワになって困るということが全くない。すでにプリーツという強固なシワがあるからだ。何度洗っても生地が古びてこないのも、数年使ってわかったことだ。お店の人の言う「ずっと着られます」は本当だった。
プリーツ服は軽く畳んでおけばいいのは間違いないけれど、生地を掴んで見ただけでは上着なのかパンツなのかインナーなのかわからなくて困るというのも「プリーツあるある」だと思う。
同じ黒だったりすると本当にわからない。普通に収納する時にやりそうな色分けの分類だとダメなのだ。上のものか下のものかで引き出しを分けたり、分類して片付けるのが良い。
今回の展覧会では、三宅氏が服飾を通してデザインやアートの枠を広げてきた歴史の丸ごとを見られたようで、素晴らしかった。企業としても拡大して多くのコラボレーションをしている。
プリーツもBAO BAOも飽きずに使えるのでこれからもチェックし続けたい。
【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト "デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/
最近、映画を見ても劇場で映画グッズが残っていなくて、買えないことが多かった。今度こそはと、「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」の場合は、ネットで探して予約や先行販売でグッズを注文してしまった。
新宿伊勢丹のコラボレーションアイテムも見てきた。Amazonで予約注文して、まだ届いていないチェシャ猫グッズが、伊勢丹ではすでに売っていて、ここで買えたのにとも思った。
毎日WEBで新しいコラボやグッズがアップされていて、作っているメーカーによってグレードが様々だ。数百円のお子様向けのようなものから、コレクター向けの数万円のものまで。
ディズニーストアで売っている5万円超えのチェスボードは、駒がアリスのキャラクターの精巧なフィギアでできていて素敵。チェシャ猫の駒だけ欲しい。
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