装飾山イバラ道[212]スクイーズでストレスを吹っ飛ばせ!
── 武田瑛夢 ──

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原宿にスクイーズのブランドBLOOMを扱っている「MOOOSH(モッシュ)」の新店舗が出来たというので、先日行ってみた。

スクイーズとは、握りつぶしてもゆっくり戻ってくる低反発の人形やパンの、ストレス発散系おもちゃだ。パソコンの横に置いておくと、気分転換にちょうどいい。席から離れる必要のない気分転換法は、私にはとても都合がいいのだ。

・MOOOSH SQUISHY
https://mooosh-squishy.stores.jp


どれを選んだら良いかわからない人にも、BLOOMのものは高品質なのでおすすめできる。店舗では触り心地を確かめられるサンプルもたくさん置いていて、比べて好みのものを探すことができる(この場所をおさわり台と呼ぶらしい)。





スポンジのおもちゃにしては価格は高めで、ミニサイズでも千円位で、大きさによっては三千円台のものまである。中心的なもので二千円ぐらいだ。

しかし、高級スクイーズばかりが人気なわけではなく、最近ではダイソーやキャンドゥなどの100円ショップでも、パン型のスクイーズが買えるようになったのが話題だ。

私もダイソーのメロンパンとキャンドゥの食パンを買った。ダイソーのメロンパンは、100円とは思えない低反発だった。

「MOOOSH(モッシュ)」や「日本スクイーズセンター」のようなスクイーズ専門店は原宿に集中していて、スクイーズ店回りを楽しむ人も多い。

店の中はほとんど低反発スポンジだけというのもなんだかすごいし、その種類の多さや形のアイデアにもワクワクする。

●スクイーザーと呼ばれる人たち

そして、スクイーズのコレクターのことを「スクイーザー」と呼ぶらしい。WEBでスクイーザーと画像検索すると、ほぼレモン絞りの絵しか出てこないけれど、ユーチューバーのスクイーザーたちの集めっぷりと言ったら驚く。

新作が出るとすぐに手に入れて動画をアップするし、三色あれば三色とも買うような集め方なのだ。色やデザインが違う他に、香りがついているスクイーズも多いので、どんな香りなのかのレビューが他の人の参考になる。

誰かの参考になる動画は再生回数が上がるので、スクイーザーさんたちは頑張るのだ。

有名ユーチューバーになると、スクイーズ通販店からの提供を受けている人もいて、ドンと届いたスクイーズの箱の中からスクイーズを取り出しては片っ端から紹介している。

動画紹介の基本はブランド名、パッケージデザイン、触り心地、香り、価格というポイントを押さえているようだ。

小学生の女児でも、この基本をきっちりと説明しているのを見ると、大いにプレゼンの練習になっているのがわかる。どんな世界でもプレゼン力って大事なので感心する。

ただスクイーズを触って紹介しているだけでなく、個性があって工夫していて楽しい動画も多いので、ついチャンネル登録してしまうのだ。

参考になる動画は、商品を実際に手に取るようにわかりやすいので、感謝の気持ちのチャンネル登録という感じ。

私も最初は、そうは言っても低反発スポンジを、なぜそんなに数多く買う必要があるのだろうと思っていた。

しかし、同じようなパンの形のスクイーズでも、種類やメーカーによって触り心地がまったく違う。

「ふわふわモッチリしていてバターの香りが最高!」と、まるでパンケーキ専門店のレビューのようだ。食レポとスクイーズのレビューはとても似ている。それほど繊細な感覚を刺激するのだ。

そもそも、どちらもスポンジ系で、空気の含み方で質感が変わる共通点も多いから当たり前かな。

パンケーキ好きの人は食べ歩いてその道を極めるだろうし、食べてきたからこそ違いがわかるのだろう。スクイーズも同じで、詳しい人に聞けばその真髄への近道であるのは間違いない。

などと思いながら、小学生ユーチューバーの動画を楽しんで見ている自分にまた驚く。

●好みの触り心地

・BLOOM新作のマシュマロベア
http://eimu.com/dgcol/siroku

この白くまのスクイーズは、お店のサンプルを触って、その触り心地の良さに感動して買ってしまった。

イチゴの色はこの赤の他にピンクがあり、顔の表情も他に笑っているのがあって計四種類。私は赤イチゴのパッチリ目を選んだ。両手に収まる十分に大きなサイズ感で2,160円(税込)。価格は違うけれど、Amazonでも購入できる。

香りはストロベリーの甘くて酸っぱい感じ。パッケージの可愛さ、もっちりとした低反発な触り心地のすべてが素晴らしい。

しっとりとした表面を手のひらで包んだ時の柔らかさ、潰すと指が吸い込まれてゆっくりと戻る超低反発な質感なのだ。

もっと上手な動画のレビューがYouTubeにたくさんあるので見て欲しい。

スクイーズにはこのような「キャラクター系」と、リアルなパンにそっくりな「パン系」がある。他にもシリコン素材の中に水が入った「水系」や粘土やスライムが入った「粘土系」、「ちゅるちゅる系」など、いろいろな種類がある。

私はどちらかと言うと「パン系」から入ったので、あまり「キャラクター系」は買っていなかった。顔があるものを潰すのはちょっと可哀想な気がしていたけれど、潰されてもグーンと戻る健気さはなかなかいい。

日本だけでなく、海外のスクイーザーも同じような動画だけれど、中にはチャンネル登録数のケタが違う人気者もいて本格的だ。

本格的と書いて気がついたけれど、そもそもスクイーズの用途はストレス発散なので、ストレス発散を本格的にやっているということか。本腰を入れるとも言えるかな。プロのスクイーザーなのかもしれない。

確かにどのユーチューバーさんも楽しそうで、見ているこちらのストレスも飛ぶのだから良いと思う。

人気の人の共通点は、スクイーズを触るのが心から好きというのが伝わることだ。きっとストレスがあるから握りつぶすのではなく、好きなスクイーズがあるから、握りつぶすのだ。そこに山があるから、みたいに言ってみた。


【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


意識した途端にそればかりが目に入ってくる現象のことを、「いまのあなたの心のかたち」の回で書いたけれど、またハートの洪水に襲われてしまった。

原宿散歩の日に、表参道の「フライング タイガー コペンハーゲン」に行って雑貨を購入した。今はユニコーンがとても流行っているようで、レインボー色やパープルのありとあらゆるグッズがあった。

とても可愛くて興奮したけれど、やはり大人として実際に買うならこの感じかなと選んだのが、白い陶器製のリングホルダーだ。

・ユニコーン ジュエリーホルダー
http://eimu.com/dgcol/uniko

・フライング タイガー コペンハーゲン
http://blog.flyingtiger.jp


ゴールドの色は筆でささっと手描きされているようで、一体一体の顔が違うというもの。優しい表情のを選んだ(角と尾にかけたリングは私物)。「ワレモノは包んでおきますね」とお店の方が言っていたけれど、家に帰って初めてそれに気づいた。

ユニコーンの角が折れないように、全体を包んで巻いた薄紙は赤いハート柄で、なんと八枚も重ねられていたのだ。

でもね、これは素直に可愛いと思ってしまったので、この流れは受け止めようと思う。フライングタイガーは安いと聞いていたけれど、このユニコーンで350円。他にもクリスマスを彩るいろんなものが、どれも驚く値段で売られてました。