もじもじトーク[78]皆既月食、観ましたか?
── 関口浩之 ──

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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。

昨夜は3年ぶりの皆既月食でしたね。みなさん、ご覧になりましたか?

ご覧になった方も、ご覧になってない方も、素敵な皆既月食の写真をご覧ください。じゃーん!

http://bit.ly/2nuKoqd


関東地方の天気予報は曇天だったので、天体観測はあきらめてました。21時過ぎに帰宅して、ベランダから東の空を見上げてみると、あれっ、お月さまが見えるじゃありませんか!

しかも、お月さまが、すでに半分ぐらい地球の影に入って、欠けている状態ですし……。

ベランダ天体観測おじさんとしては、完全に油断してました(笑)





皆既月食が始まる21時51分までに撮影準備できればいいじゃん、ってノリで、今回はあまり気合いは入れず、望遠鏡とカメラを15分ぐらいでセッティングしました。

そして、皆既月食が始まる10分前から、パシャパシャと50枚ぐらい撮影して、そのうち5枚を掲載しました。

●なぜ、皆既月食のお月さまは赤いの?

最後の写真、赤色できれいですよね! 皆既月食のお月さまの色を、赤胴色(しゃくどういろ)とも表現します。

皆既月食のお月さまは、地球の影にすっぽり入っているので、本当は、真っ暗のはずです。

赤くなる理由は、太陽の光が地球の大気を通過する際、青い光は外側に反射するけど、赤い光は内側に屈折して、地球の影に入っているお月様を赤く照らしているからなんです。

太陽光の青色は波長が短いけど、赤色は波長が長いので、空気の粒に影響されずに、大気に入り込んで、内側に回りこんで、真っ暗なはずのお月さまを赤く照らしているのです

太陽と地球(と大気)と月を、紙に書いてみると理解しやすいと思います。

●スーパー・ブルー・ブラッドムーン?

今回の天体ショーを米航空宇宙局(NASA)は「スーパー・ブルー・ブラッドムーン(Super Blue Blood Moon)」と呼んでいます。

「スーパームーン」とは、お月さまが、地球に近づいている際、大きく見えるからです。月は楕円軌道で地球を周回しているため、地球から月までの距離は、約35万7000kmから40万6000kmまで変化しています。

近点の満月は、遠点のものよりも、最大で14%大きく、30%明るいそうです。今回のお月さまは、比較的、近点に近い距離のようです。

月って、思っていたより近いんですね。地球一周は約4万kmなので、地球の約10周分の距離です。でも、近くはないか……(笑)

そして、満月が同じ月に2度訪れることを、「ブルームーン」と呼んでいます。月が青くなるわけではありません。平均で3年ごとに、そのような現象が起きるようです。

つまり、月初1日と月末31日に満月が観られる確率は低いので、特殊な月と言えます。

更に、皆既月食は赤い色になるので、「スーパー・ブルー・ブラッドムーン(Super Blue Blood Moon)」が完成したわけです。今回の皆既月食は奇跡がいくつも重なった、素敵な天体ショーだったのです。

銀河系や宇宙全体のことを想像すると、楽しいけど、わけが分からなくなります。だけど、一番身近な宇宙である、お月さまの神秘的な出来事は、じっくり観察すると理解可能なことが多いので、まずは、お月様と仲良くしていきましょう!

ということで、久しぶりの宇宙ネタでした。

前回のもじもじトークで、「フォントかるた(後編)をやりますよ」とお伝えしましたが、今回は、臨時ニュースの「皆既月食」をお送りいたしました。

次回の「フォントかるた(後半)」では、かるたを楽しみながら、書体の見分け方を学んだり、セミナーの様子をお送りします。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
http://fontplus.jp/


1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。

その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。