はぐれDEATH[47]はぐれだってインフルエンザにかかる
── 藤原ヨウコウ ──

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●インフルエンザで出禁

久しぶりにインフルエンザに罹った。最後にやられたのは、まだおねえちゃんが保育園に通っていた頃だから、もうかれこれ10年以上前か?

暮れに食材を買い込んで、お正月はほとんど家から出なかったので、感染経路は極めて明白で、副業先だ!

一般に「潜伏期間は二〜三日」といわれるが、火曜日に出勤して木曜日の晩に急に激しい悪寒に襲われたので「もしかしたら……」と渋々病院に行ったら、あっさり「B型インフルエンザやな」と診断され処置された。

翌週は副業先を出禁になって(当たり前だ)、寝たきりの日々を過ごしたせいで、生活サイクルがグチャグチャになってしまった。

感染源は実に分かりやすく、昨年暮れから延々咳をしまくっていたお方で、病院に行かずお薬屋さんで売ってる薬で誤魔化していたようだが、マスクをしてくれないのには閉口した。ボク自身がマスクをするという、自衛措置はとっていたのだが……。





一週間の出禁の末にやっと出勤して、「まだゲホゲホやってたら心の中で殺すっ!」と物騒なことを考えていたのだが、ボクが出禁を食らっていた間にインフルエンザで倒れたらしい。

自業自得で済めばいいのだが、副業先はちょっとしたインフルエンザ大会になっていたようで、作業にも支障が出ていた。

出向を始めてから、電車や人混みに行かなければいけなくなったので、去年の冬から1〜3月頭くらいまではマスク男と化していたのだが、やられる時は簡単にやられるみたい。

ちなみに、最近流行らしい「季節を問わずマスク」とは縁もゆかりもありません。夏なんか暑いやん……(- -;)

ボクは上記したようにB型インフルエンザだったのだが、一般的な症状に加え高熱(平熱が35.5℃くらいしかないのに40℃も出てた)まで発症したので、シンドさ倍増。

熱の自覚症状はあったのだが、「これは37〜8℃くらいだろう」とたかをくくっていた。

ところが、お医者さんで首筋に体温計を当てられて(初めて見て温度計の進化にびっくりした)「40℃も出てるやんか」と告げられると、急に熱が上がったような気になって(いや、だから上がってるんだってば!)、それまで以上に調子が悪くなるというアホなことが……。

思い込みというのは恐ろしく(ボクだけかも)「たいしたことはない」と思っていると、それほどたいした症状に感じないもので(これは過去にも別の症状で経験あり)測定されてしまうとあっさり身体が反応してしまうというのも、馬鹿正直にも程がある、と一人嘆息をもらした。

副業先に限らず、人混みや電車の中などでマスクをしないで咳をゲホゲホしている人はよく見受けられるが、明らかにサラリーマンらしき人か、歳をとった男性が多い。

電車に乗っていて、目の前や隣の席でマスクをせずに咳き込まれると、恐怖を感じるのはボクだけか知らん?「喘息か?」と思うぐらいスゴい咳き込み方をしている人もいるのだが、ナゼかマスクをしていない。これは何の法則や?

そもそも就業先や得意先、または下請けの皆様に迷惑をかけるだけでなく、不快な思いをさせているという自覚は……ないんだろうなぁ……じゃなきゃマスクをしない理由が分からない。

「マスクをすると死んだ時に大変なコトになる」というような宗教(?)や得体のしれない妄想にでも取り憑かれてるのか? とにかくさっぱり分からん。

というわけで、副業先でもインフルエンザ大会になったのだ。バイトはともかく、正社員となるとシャレにならない。自分は「悪化して倒れました」かもしれないけど、当然休養中の作業は他の人にまわるし、肝心要の他の人もインフルエンザにかかると壊滅的な状態になるのは、予想して然るべきだろう。

それでも出社して作業を進めないといけないのなら、マスクをして換気のいい隔離部屋で(ないけど)、一人作業でもしてもらわないと危険極まりない。初歩的なリスク管理だと思うのですがねぇ?

「自分は大丈夫」という思い込みがあるのか?

ただ、上記したように思い込みには良い面(?)もあれば、悪い面(?)もある。ヤバいと感じたら、とっとと病院に行くのが賢明だろう。

病院嫌いのボクですら、発症してすぐに行っているのだ。

さんざん書いているが、ボクの病院嫌いはほぼビョーキに等しい。それでも今回のインフルエンザに関しては、明らかに発症状態が酷かった上に、環境(副業先の咳人間)も悪すぎた。

この状態で「病院嫌いだから行かんとこう」と考える方がおかしい。こんなボクですら、ソッコーで病院に行くぐらい明らかに異常だったのだ。ちなみに、発症日程は以下の通り。

1月・第2週

火曜日から木曜日まで出勤。木曜日夜、悪寒と発熱、関節痛。深夜、酷い悪寒で目が覚める(!)。

金曜日、病院。B型インフルエンザ及び40℃の熱を発症しているコトが判明。イナビルという吸気型の薬で処置。発熱が酷いのでロキソニンを処方されて帰宅、療養。予定していた出向は延期(怒)

1月・第3週

翌週、副業先から出禁を通告され、木曜日まで寝たきり。この間、熱が上がったり下がったりで悩まされる。食欲は皆無。金曜日、出向。

1月・第4週

水曜日あたりからやっと少し食欲が出てくる。だが健康時の半分。栄養状態があまりに悪すぎるので、アリナミン(!)で補給を開始。

1月・第5週(2月第1週)

復活!

大体こんな流れなのだが、普段は鼻に来るのに、今回は喉に来た。あくまでも個人的な経験則だが、ボクが咳き込むのはかなり珍しい。

●人が集まるところが感染源

インフルエンザに関しては、新種や亜種(現在確認されているのは20種)が報告されているのである。

今年はA型(厳密にはAH1pdm09型。AH1pdm09型とは、2009年に「新型インフルエンザ」として大流行した型である)流行のようだが、本来熱がさほど出ないと言われているB型で高熱を発症したボクなどは、亜種のほんの一例に過ぎないだろう。

ちなみに保育園、特に乳児さんから預かってくれるところは危険度MAXである。

おねえちゃんは一歳児クラスから預かって頂いたのだが(早生まれなので、同じクラスでも産まれてからの期間が短い)、最初の一年目はすごかった。もういきなり点滴である。

と言いつつ、毎年のようにインフルエンザに罹っても、彼女は病院に行けば一晩でケロッと治り、後に残されたボクと奧さんが続いて発症して、一週間は確実にパーになる。完治となると二〜三週間は確実に掛かる。

素人考えだが、おねえちゃんの場合は、一年目の発症時に何らかの免疫ができたとしか思えない。

その証拠と言ってはなんだが、保育士さんは長年勤めている方の方がインフルエンザに罹りにくい。

これはこの保育園だけかもしれないが、一年目から三年目くらいの保育士さんが次々に罹患して一時リタイアしても、ベテランの保育士さんは普段と変わりなく子供と付き合っている。実に不思議だったので聞いてみたことがあるのだが「一応、予防接種は受けてるで」らしい。

これはもう、あらゆる亜種に対する免疫力があるとしか思えないのだが、いかがなもんだろう?

体力的なコトもあるかもしれないが、とにかくおねえちゃんの治りの早さには驚かされる。インフルエンザに限らず、発症していても異変が起きなくて、あとでボクや奧さんが発症して「おねえちゃんが持って帰ってきたな」で終了。

別におねえちゃんが悪いわけではない。保育園同様、小中高も危険度はそこそこ高いのだ。

「人が集まるところは一大感染源」と、ボクが思うのもそれほど驚く話ではなかろう。

保育園から(小中高含む)家庭にもたらされる感染症だって、元を辿れば保育園の外であり、親が持って帰ってくるケースだってもちろんあるだろう。

可能性だけの話なら温暖化が進む現代、この国にない(あったがなくなった)東南アジア発祥の感染症なり何なりに、罹患してもおかしくないのだ。人が持って帰るのではなく、媒介する虫やら何やらの生息範囲の北限があがれば、可能性は十分ある。

マラリアや日本脳炎は一応完治できるらしいけど(ちなみにこの二つは元々日本にもあった土着の疾病らしい)、変種化していたらどうなるんだろう???

罹患するのは別にどうでもいい(いや、本当は困るんだけど)。問題はその後である。

インフルエンザだからこの程度の話で済んでいるだけで、もっと妙な感染症に罹った人が病院にも行かず、マスクもせず、人が集まる場所に行ったらどうなるか?

症状や種類にもよるだろうが、まぁ感染するでしょうなぁ。感染力が弱ければまだマシ、程度に思っておいた方がいい。

家庭を持つ人なら感染範囲はさらに広がるだろうし、乳幼児さんがいたり、二世代住居だったら更に悲惨になり、お爺ちゃんかお婆ちゃんがどこかに通っていたら……。

まぁ、この辺にしておこう。大体予想はつくだろう(笑)

「話、盛り過ぎちゃう?」と思う方も少なくないだろうが、感染症というのはこんなもんだ。

●重装備で臨め、ってせいぜいマスク

この稿を書くに当たって、ざっとネットでインフルエンザに関する比較的まともそうな記事を読み漁っていたのだが、ボクのいつものクセで周辺情報まで手を広げたら、現在もパンデミック(世界規模の流行)起こす可能性がある感染症が、相当数あるところまで行き着いてしまった。

2009年型のインフルエンザももちろん含まれるが、天然痘、インフルエンザ、AIDSなどのウイルス感染症、ペスト、梅毒、コレラ、結核、発疹チフスなどの細菌感染症、原虫感染症であるマラリアなど、さまざまな病原体によるものが存在する。

AIDS、結核、マラリア、コレラなど複数の感染症については、世界的な流行が見られるパンデミックの状態にあり、毎年見られる季節性インフルエンザ(A/ソ連、A/香港、B型)の流行も、パンデミックの一種と言える(Wikiより引用)。

さらに、パンデミックに発展する恐れのある感染症は19疾病あるとされるらしい(一部重複)。肝炎、髄膜炎がこの中に入っているのには驚いた。

ちょっと前(?)に、結核が流行って大騒ぎしたコトがあったと思うが(専門学校の非常勤講師時代の教え子が、何人か社会人になって罹患した)、なくなったはずの病気だって、予防注射をしなければたちまち復活するのですよ。

結核に関して言えば、ボクと奥さんはもちろんワクチンを打たれた世代だし、おねえちゃんは復活したワクチンを打たせている。確か任意だったような気がするのだが、このへんは記憶が曖昧なのでパス。

とにかく、一度のインフルエンザであれ程の免疫力を持った子である。打って損はなかろう、とかなりテキトーな気分で打たせたような気がする。

ちなみに、インフルエンザの予防接種をボクはしていない。予防接種をしても後の発症リスクが高い(免疫力が低い)からだ。あまり意味ないと思っている。

予防接種すべてを否定するわけではない。予防接種による発症リスクが明らかに低いものは接種している。この辺の線をどこで引くかは、個人差があって当然だと思う。

インフルエンザの予防接種の、発症リスクの高さには正直驚く。毎年それなりに流行しているし、罹患者数だってそこそこいるはずなのに。何か特別な理由でもあるのか?

と、思ってちょろっとググったら厄介なのはA型らしい。

生物学はド素人に等しいのだが(雑学もこの分野はナゼかすっぽり抜け落ちている)A型に関してはどうやら選択的スプライシングという、タンパク質合成の際に10種類のタンパク質を合成するという。ここに8つの分節を持つ遺伝子が絡むことにより、ややこしくなるようだ。

ボクは何となくイメージできるのだが、上手に文章に出来るほど、この分野に関してはよくわかっていない。ただ、突然変異とは異なるようで、あくまでも限られた範囲内での組み合わせ(それだけでも結構な量になりそうな気もするけど)によるようだ。

単純な乗算だが、それぞれに二種類の組み合わせがあり、それが発展していくとどうなるだろうか。これは簡単な計算式で理解できる。

2×2=4
4×4=16
16×16=256
256×256=65536
(以下延々続く)

ちなみに、選択的スプライシングは乗算ではないので、ここまでの組み合わせは考えずらそうだ。生物はホンマにややこしいなぁ……。

そういえば、何年か前まではなにかと言えば注射を打っていたような気がするけど、最近はほとんどない。

小学校時代は予防注射と称して、毎年何種類か注射をバンバン打たれてたし、風邪引いて熱が出たら即注射、社会人になっても「疲れたような気がする」でいきなりブドウ糖点滴、じんま疹(これはめちゃめちゃ酷かった)が出た時もソッコーで注射打たれたし、とにかく注射は頻繁に打たれていたような記憶があるのだが、最近はとにかく投薬ばっかりで、注射と言えば血液検査の時ぐらい???

話を戻す。とにかく感染症は、いつどこで何に罹ってもおかしくないと考えていた方がいい。

という心構えでいれば、最悪でも体調が良くないと気が付いたら、マスクくらいはするだろうし、病院にも行くだろう。もちろん、罹患していたら隔離するのが一番なのですがね。

ところが、上記したようなマスクをしないで出勤してくる「大人の事情」的妄言者は、ことごとくこうした前提を無視してくれる。知ってて無視してるのか、単なる無知なのかは分からない。

医者にも行かず、どこから「自分は大丈夫」という根拠のない自信がくるのかもさっぱり分からない。恐らく、自分が周りに迷惑をかけていることにすら気がついていないだろう。少なくとも、ボクの今回のインフルエンザの感染元の人物はそうだった。

最初は確かにただの風邪だったのかもしれない。でも風邪で身体が弱ってる時ほど、他の病にだって罹りやすいし、抵抗力も弱っているのですよ。下手をすれば重篤化しかねないし、そんな人のウイルスが感染するなんて想像しただけでぞっとする。

ノーマスクで延々咳をしまくっていたお方は、周囲に少しは気を遣う程度の知
能すらないらしい。こうなればもうお手上げである。

とにかく50歳を過ぎたので、「お前はアホか?」というぐらいの重装備で、インフルエンザにはのぞんだ方がよさそうだ。といっても、せいぜいマスクをすることと、マスクの密着率が高めのモノを使う程度なんですがね。

最近はマスクの種類もめちゃめちゃ増えててビックリできる。もっとも、基本は花粉症対策のようだが、ボクは幸い花粉症アレルギーはないので(あくまでも今のところ)気がつかなかったのだ。

年明け早々に酷い目に遭ったわ!(激怒)


【フジワラヨウコウ/森山由海/藤原ヨウコウ】
YowKow Fujiwara/yoShimi moriyama
http://yowkow-yoshimi.tumblr.com


編集部言い訳:ずいぶん前に原稿もらっていたのにうっかり忘れていました。1月の話を今頃。放置するとどんどんズレていくので、むりやり投入します。