もじもじトークの関口浩之です。
先週の6月16日に、クリエイターイベントに出演のため、秋田を訪問しました。
イベント名は「CaT vol.3 Special!」。なんとも可愛らしい名前のセミナーでした。「CaT」といっても猫ではなくて、「Create and Think」の略です。
「つくる、そして、かんがえる」をテーマに、試行錯誤を行う中で最適な解と思えるものを発見しよう、という趣旨のイベントです。
では、イベントの様子を何枚かご紹介します。じゃーん!
http://bit.ly/2tpfdzw
今回の秋田行きで、すべての全国都道府県の訪問を達成しました。全国制覇です。パチパチパチーー
さて、今日のお題は、「欧文を考える(その2)」です。
●引用符
会話や他の文章を引用する際に、和文では、かぎ括弧「」を使います。また、その言葉を強調する場合にもよく使います。
では、欧文ではどうでしょうか? かぎ括弧にほぼ相当するものが、引用符(Quotation Marks)になります。
・ダブルクォーテーション(Double Quotation Marks)
・シングルクォーテーション(Single Quotation Marks)
以前に日本語版と間違って買ってしまった「Steve Jobs by Walter Isaacson」という欧文書籍と、いま僕が読んでいる「Just My Type: A Book About Fonts」の二冊の本の中で、引用符をどのように使っているか、みてみましょう。
http://bit.ly/2tpT2ZQ
おっ、米国出版社が発売した書籍の引用符はダブルクォーテーション、英国出版社が発売した書籍の引用符はシングルクォーテーションでした。
一般的に、アメリカ英語ではダブルクォーテーション、イギリス英語ではシングルクォーテーションが使われることが多いようです。みなさん、ご存知でしたか?
また、引用符で括られた中で、さらに他の人の会話を引用するときは、こんな利用方法になります。
http://bit.ly/2lmePhq
日本語では、かぎ括弧「」と二重かぎ括弧『』を使いますが、利用方法が似ていますね。
●マヌケ引用符
ダブルクォーテーションとシングルクォーテーションに似た、約物記号があります。半角引用符です。
代表的な欧文書体「Times New Roman」「Palatino」「Helvetica」「Univers」の英文引用符と、半角引用符を並べて掲載しているので、じっくり観察してみてください。
http://bit.ly/2MGZ4xW
引用符の始まりは、くるりんと伸びる方向が上を向いているか、斜め右上に細く伸び上がる形状をしています。(開き引用符)
そして、英文引用符の終わりは、くるりんと伸びる方向が下を向いているか、斜め左下に細く下がる形状をしています。(閉じ引用符)
引用符の使い方で、日本人が陥りやすい間違えは、半角引用符を使って、会話部分を括ってしまうパターンです。
http://bit.ly/2K3OSkK
「デザインの現場 小林章のタイプディレクターの眼」の「マヌケ引用符」の記事をご覧ください。なるほどなぁと思うでしょ!
https://blog.excite.co.jp/t-director/14994675/
英語圏では「マヌケ引用符(dumb quotes)」と呼ばれます。日本政府関係の印刷物で、これをやってしまうのは、残念なことです。
なぜ陥りやすいかというと、キーボード入力だと、半角引用符や、下向きにくるりんと延びている引用符(閉じ引用符)が、最初の候補に表示されてしまうからなのかもしれません。
海外に旅行した時に、「この日本語、なんかマヌケな使い方してるじゃん」と感じること、ありますよね。逆に、英語圏なネイティブな方が見ると、「えっ、この英語表記、すごくマヌケじゃん」と言われないようにしたいですね、
まずは、「引用符の使い方、基礎編」をご紹介しました。
●アポストロフィ
省略記号として「アポストロフィ(Apostrophe)」があります。
「アイアム」の略の「アイム(I'm)」、「ロックンロール」の略の「ロッケンロー(rock 'n' roll)が代表例ですね。
「アポストロフィ」と「シングルクォーテーション」は見た目は同じですが、省略記号と引用符の違いがあります。
もじもじトークは、2020年東京五輪に向けて、「誰でもわかる欧文講座の基礎」を連載したいと思います。今回は、引用符にフォーカスしてお話しました。
では、また二週間後にお会いしましょう。
【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
http://fontplus.jp/
1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。
その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。