こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。
7月下旬から8月上旬にかけて、最高気温40度というすごい酷暑が続きましたね。暑がり屋にとっては、死ぬかと思った出来事でした・・・・・・。
先週ぐらいから、最高気温が30度前後になり、「過ごしやすくなったねー」という会話が聞かれるようになりました。
とはいえ、冬でも汗だくになる、暑さに弱い人間にとって、30度の気温も、しっかり酷暑です(笑)
そういえば、小さい頃(50年前)、夏でもクーラー無しで過ごしてましたよね。昔の夏は涼しかったのかな?
それとも、当時、クーラーは一般家庭には、まだ普及してなかったかのかな?
●体感温度5度ぐらいアップ?
「昔の夏は涼しかったねー」という会話も、最近、よく耳にしますよね。
じゃあ、50年前の夏の気温って、今よりかなり低かったのかなぁ?
気象庁ホームページで、夏の平均気温、100年の変化トレンドの資料を見つけました。
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/sum_jpn.html
日本の夏の平均気温は上昇傾向が続いており、長期的には100年あたり約1.09℃の割合で上昇しているらしいです。
50年前の夏の平均気温より、最近の夏の平均気温は、体感的には5度ぐらい高いと感じていたけど、データ的には、0.5〜1.0度ぐらいの変化ということなのでしょうか。
夏の平均気温を毎年見比べると、昔も猛暑の年があったり、冷夏の年があったりで、長い年月を掛けて調査しないといけないようです。
いろいろ調べてみましたが、大半の意見は、この50年で夏の気温が急上昇したわけではない、ということでした。測定する地域による違いもありますが。
僕は1960年から1978年まで群馬県の田舎で過ごし、1978年から40年間、東京暮らしです。
個人的な意見ですが、こんな観点で、昔と今の夏を比較してみると、体感温度というか、人間が実際に感じる温度は、5度ぐらいアップしているような気がします。
・小さい頃に住んでいた群馬も、上京したばかりの東京も、今より緑は多かったし、今ほど、コンクリートやアスファルトに囲まれていなかった。
・気象庁が設置している温度測定装置(百葉箱)は、たしか、芝生から1.2〜1.5mの高さで測定すること、だったと思う。恵まれた環境だよね。
・一方、僕らが暮らしている環境は、ヒートアイランド現象をもろに影響を受ける。西新宿の高層ビルが最初に建設されたのが、京王プラザホテルで、1971年だから、47年前のことなのだ。
・50年前、暑かったらランニングシャツ1枚になればいいって感じだった。僕が通った高校の先生は、男子校ということもあり、夏はランニングシャツ1枚で授業していたし(笑)
つまり、百葉箱の環境は50年間、変わってないけど、僕らが暮らす環境は、この50年間で大きく変化して、夏の体感温度をどんどん急上昇させたのではないか、というのが僕の結論でした。
ということは、我々人類が、クーラーがないと生活できない環境に変化させてしまったのではないでしょうか。
●クーラーとエアコンのお話
さっき、何気なく『クーラー』って言葉を使ってしまいましたが、『エアコン』のほうが最近の一般用語ですね。
でも『クーラー』という言葉は、50年前の正式名称だったんですよ。自称、家電おじさん、でもある僕は、「樹氷」というナショナルの家電製品をリアルタイムで体験しました。
なんか、ギンギンに冷えそうな製品名でしょ。
・ナショナル製ルームクーラー「樹氷」
「樹氷」というブランドの『クーラー』が1969年に発売されました。室内機と室外機が二つに分かれた、壁掛けセパレート型としては世界初です。
さすが、世界のナショナル(パナソニック)! これが、現在のクーラー(エアコン)の原型となったと言われています。
「樹氷」は暖房する機能はなくて、冷房機能だけなんです。冷やすだけだからクーラーなのです。
このクーラー、群馬の実家で使ってました。昔の家電って、筐体設計デザインといい、機能性といい質実剛健って感じで大好きです。こちらです。ジャーン!
http://bit.ly/mojimojitalk-cooler
そして、1973年にルームクーラーの普及率が10%を超えたようです。
・ナショナル製ルームエアコン「楽園」
ついに、冷房と暖房の両方の機能が付いた『エアコン』が1974年に発売されたのです。
暖房機能が付いちゃったので、家電業界的に製品カテゴリーを、『クーラー』ではなくて、『エアコン(エアーコンディショナー)』に、変更する必要があったのです。
そして、ナショナルのエアコンブランド名は、「エオリア」という爽やかなものに変貌していったのであります。個人的には、「樹氷」とか「楽園」とかのブランド名、僕は大好きなんですけど・・・・・・。
おっ、後半は、文字の話を書こうと思ってたんですが、夏の気温の話と、クーラーとエアコンのことを書いていたら、時間切れになってしまいました。
今日のもじもじトークの締めは、セミナー情報です。
●FONTPLUS DAY in 大阪(リクリセミナーコラボ)
書体デザイナー藤田さんをお招きして、筑紫書体の現在・過去・未来を語っていただきます。フォントおじさんコーナーもあります。
第36回リクリセミナー「フォントのホント リターンズ with FONTPLUS DAY」
http://bit.ly/fontplusday-in-osaka
関西周辺の方で、筑紫ファンのみなさん、フォントが好きなみなさん、文字っ子じゃないけどフォントの世界に触れてみたいみなさん、ぜひ、ご参加下さい。
有料セミナーですが、60名定員に対して、募集開始二日間で、すでに40名の方からお申込みいただいてます。ありがとうございます。
席数が少なくなってますので、ご興味あれば、ぜひ! はじめて参加される方、フォントマニアの集まりって感じの参加しづらい(もしくは怖い・・・笑)イベントではありませんよ。肩の力を抜いて、誰でも楽しめるセミナー企画です。
なお、このイベントは、デジクリでもおなじみ“コロ”こと、川合さんにもお手伝いいただいてます。
では、またお会いしましょう。次回のもじもじトークは、文字に関するお話になる予定です。
【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
Webフォント エバンジェリスト
http://fontplus.jp/
1960年生まれ。群馬県桐生市出身。電子機器メーカーにて日本語DTPシステムやプリンタ、プロッタの仕事に10年間従事した後、1995年にインターネット関連企業へ転じる。1996年、大手インターネット検索サービスの立ち上げプロジェクトのコンテンツプロデューサを担当。
その後、ECサイトのシステム構築やコンサルタント、インターネット決済事業の立ち上げプロジェクトなどに従事。現在は、日本語Webフォントサービス「FONTPLUS(フォントプラス)」の普及のため、日本全国を飛び回っている。