こんにちは。フォントおじさんこと、もじもじトークの関口浩之です。
三か月前から五十肩(六十肩が正しい表現だけど)に悩まされていますが、両手は上がるので、まだ軽症なのかしら、と思っている今日この頃です。
この二週間、仙台へ二泊出張したり、都内で筑紫座談会Vol.6を開催したり、相変わらず、精力的に活動してました。そんな中、先週11月20日の『Adobe MAX JAPAN 2018』にブース出展しました。
●フォントおじさんスタンプ
アドビ(Adobe)のイベントで、なぜ、フォントおじさんのスタンプなのでしょうか? 答えは、こちらの動画をご覧ください。
http://bit.ly/2RgB4DV
Adobe MAXというイベントは、全国から3,500名以上のクリエイターが集まる、年に一度のアドビの祭典なのですが、そのイベントにブース出展したのです。
ブース企画のひとつとして、「フォントおじさんや文字のスタンプを、無地のトートバッグにペタペタと押印してオリジナルバッグを作ろう」という企画をやったんです。
ブースの風景やフォントおじさんスタンプの様子を掲載しますね」。
http://bit.ly/2FKuOTI
ブースが入口から近かったこともあり、何度か、100名以上の行列ができました。スタンプを押してオリジナルバッグを作るという楽しさがウケたようです。30分以上、お待たせすることになり、申し訳なかったです。
お待ちいただく来場者に、文字に関連したノベルティを配布したり、文字をスタンプした紙コップで日本茶を配布したりしました。
僕の知り合いも大勢来場いただきましたが、大半は「フォントおじさん」のことを知らない人だったと思います。
初めてお会いする方々から「フォントおじさんスタンプ、かわいい!」という反応も多く、正直、はずかしかったです(笑)でも、うれしかった!
今回、フォントワークス(フォントメーカー)とソフトバンク・テクノロジー(FONTPLUSを運営)と共同でブース出展しました。Adobeが年に一度開催するフェスティバルなので、江戸時代のお茶屋さんをイメージし、楽しさややすらぎを演出しました。
実は、フォントおじさんのスタンプ企画は、僕には、ほとんど知らされてなくて、マーケティング部門で企画が進んでました。
事前に「こんな企画やります」と言われたら、「恥ずかしいので、やめて」「文字スタンプだけのほうが喜ばれるのでは」と反応したと思います。
でも、そこは、イラストレーター・スタンプアーティストである大嶋奈都子さんが手がけたので、フォントおじさんが、魔法にかかったように、素敵なスタンプになったのです。
大嶋奈都子さんのウェブサイト
http://natsuko-oshima.com/
大嶋さんのClient workやArt workに、素敵な作品がたくさん掲載されているので、ご覧になってください。
Adobe MAXのイベント後、Facebookに、フォントおじさんスタンプがたくさん流れてきて、その中のひとつの記事「フォントおじさんのスタンプを作りました」を偶然、発見しました。
それが大嶋さんだったのです。思わず、お礼のメッセージを送りました。
主催者並びに出展者&登壇者のみなさん、企画に携わったみなさん、そして、ご来場いただいたみなさん、ありがとうございました。
あっ、自分のオリジナルトートバッグ作るの、忘れた……。
●Adobe MAX JAPAN 2018
3,500名以上の方が来場する超大型イベントでしたので、フォントおじさんが目立つように急遽、「フォントおじさん」オリジナルTシャツをシルク印刷で制作しました。
Tシャツのロゴデザインを担当してくれた、大阪のフォントダスの林直樹さん、ありがとうごさいました。
その効果もあって、Adobe Creative道場の突撃インタビューと、クロージングステージに出演させていただきました。
http://bit.ly/2DKERFE
聴きたかったセッションがたくさんありましたが、今年は出展者として参加したので、ひとつしか受講できませんでした。
なお、各セッション(一部を除く)の様子は、アーカイブ動画として掲載されるようなので、楽しみです。みなさんも、ぜひ、ご覧ください。順次、アーカイブ動画がアップされるようです。
・Adobe MAX Japan 2018 アーカイブ映像
https://maxjapan.adobe.com/archive/2018/
僕が参加したセッションは、松田直樹さんの「Webフォントを120%活用するための基礎知識&最新動向」でした。「SVGおじさん」としても有名な松田さんです。
そのセッションに、サプライズゲストとして、10月にロサンゼルス開催の「Adobe MAX US 2018」に登壇した鷹野雅弘さんも交えて、楽しく、Webフォントを学びました。
アーカイブ映像はまだ公開されていませんが、松田さんのスライドは、早くも公開されています。あわせて、Adobe MAX Japanの本家であるAdobe MAX USの鷹野さんの講演レポートも共有します。
・Webフォントを120%活用するための基礎知識&最新動向 Naoki Matsuda
http://bit.ly/2RhHmDg
・Adobe MAX 2018 セッション 〜9年ぶりの日本人登壇! 鷹野さん講演レポート〜
https://adobe.ly/2FI41qR
●Adobe(アドビ)とは
日刊デジタルクリエイターズを読んでいる方なら、多くの人が知っている会社ですよね。Illustrator、Photoshop、InDesign等のソフトウェアメーカーとして有名です。
Adobeという会社の歴史を知りたくなったので、簡単にまとめてみました。
〜Adobeのざっくりとした歴史〜
Adobe創業者は、パロアルト研究所に所属していたチャールズ・ゲシキとジョン・ワーノック。
1982年
Adobe Systems設立。社名の由来は、ジョン・ワーノックの自宅の裏を流れる小川、Adobe Creekの名前からとったと言われている。えー、そんなんだーー。知らなかった。
1985年
PostScriptを発表。当時、アップルコンピュータは新しいレーザープリンターを開発していたが、Adobeが開発していたページ記述言語「PostScript」の存在を知り、Apple LaserWriter(レーザープリンター)へAdobeのPostScriptを搭載することになる。当時、Apple社が支払うライセンス使用料がAdobeの売上げの大半を占めていたようです。
1987年
Illustratorを発表。ベクターイメージ編集(ドロー系)ソフトウェア。イラストはもちろんのこと、チラシや印刷物の制作ではデファクトスタンダードになった。
1989年
Photoshopを発売。ビットマップ画像編集(フォトレタッチ系)ソフトウェア。画像編集の分野ではデファクトスタンダードになった。
1991年
Adobe Premiereを発売。映像編集ソフトウェア。
1993年
Adobe Acrobatを発表。PDFデータの作成、編集ソフトウェア。PDF形式の書類データは、誰もが使ったことありますよね。このフォーマット、Adobeが開発したフォーマットなのです。PDFはPortable Document Format(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)の略称です。
1994年
DTPソフトPageMakerで有名なアルダスを買収。InDesignの元となる技術を手に入れる。
2005年
マクロメディアを買収。マクロメディアは、90年代にオーサリングツールDirectorやShockwaveで有名になった。Flashもマクロメディアが開発元。また、WebオーサリングツールのDreamweaverや、Web用画像編集ツールFireworksもマクロメディアの製品。
2009年
オムニチュア(Omniture)を買収。
2012年
Adobe Creative Cloudを発表。
2016年
Adobe Senseiを発表。
ざっくりですが、Adobeの歴史はこんな感じです。だいたいのことは知ってま
したが、改めて紐解いてみると、すごい会社ですよね。デジタルなクリエイテ
ィブシーンでは、なくてはならない存在なのです。
●パソコンおじさんの時代
僕は、1980年代に電子機器メーカーでプリンターやラスタライザー(ベクトルデータをビットマップ変換する技術)の仕事に関わっていました。平行して、ワープロやDTPシステムの黎明期を、それらの製造するメーカーで営業や企画、技術の仕事を経験しました。
なので、1980年代に「PostScript」という凄い技術が登場したこと、最近のことのように覚えています。
発売当初、A4のPostScript対応レーザープリンタは最低でも50万円だったので、個人で購入できるものではありませんでした。もちろん、Macintosh(マッキントッシュ)のパーソナルコンピュータも高額でした。
Macintosh Color Classic(カラークラシック)が登場した1993年頃から、個人でも買える時代になりました。僕も手に入れました。
1980年代半ばから1990年代にかけてのDTP(デスクトップパブリッシング)時代において、アドビシステム社が果たした役割は、すごく大きかったですよね。そして、現在、クリエイティブ分野では、ほぼ向かうところ敵なしです。
決して、Adobeの回し者ではありません(笑)
僕は、パーソナルコンピュータの黎明期に、電子機器メーカーに約10年勤務しました。1986年〜1988年に米国駐在する機会があり、僕が当時、使用したパソコンは「Compaq Portable」(1983年リリース)でした。世界初の持ち運び可能なパーソナルコンピュータでした。
ポータブルとはいえ、重量は12.5kg(笑) 毎日、持ち歩いてました。移動は車でしたけど。メモリは128Kバイト。5.25インチフロッピーディスクドライブと9インチのグリーンモニターを内蔵。
でも、当時は、最高傑作のPCで、ノートPCの先祖かもしれないと思いました。
とにかく格好良かったです。当時、西海岸は、IBM AT互換機で盛り上がってい
るタイミングでした。
その後、ワークスステーションやパーソナルコンピュータの時代になり、SONY NEWSが誕生したり、NEC 9801全盛期も経験しました。
これからはインターネットの時代になると思い、1995年に、ソフトバンクへ転職しました。最初の仕事がYahoo!の検索エンジンを作る仕事でしたが、その後、アメリカ西海岸の様々なサービスやソフトウェアのローカリゼーション・ソフトウェアリバブリッシュ・コールセンター、ソフトウェアの流通・ダイレクトマーケティング・ECモール店長などを10年間、経験しました。
そんな20年間を経験した後に、フォントの仕事に就くようになったのです。
「フォントおじさん」でGoogle検索すると1位を獲得するようになったのが、まだ一年前のことです。フォントの仕事に専念するようなってから、まだ七年ぐらいなのです。
ということで、フォントおじさんになる前の約25年間は、「パソコンおじさん」だったのです。
では、二週間後に、またお会いしましょう。
【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
フォントおじさん
https://event.fontplus.jp/about/hiroyuki_sekiguchi.html
1960年生まれ。群馬県桐生市出身。1980年代に日本語DTPシステムやプリンタの製品企画に従事した後、1995年にソフトバンク技研(現 ソフトバンク・テクノロジー)へ入社。Yahoo! JAPANの立ち上げなど、この20年間、数々の新規事業プロジェクトに従事。
現在、フォントメーカー13社と業務提携したWebフォントサービス「FONTPLUS」のエバンジェリストとして日本全国を飛び回っている。
日刊デジタルクリエイターズ、マイナビ IT Search+、オトナンサー等のWebメディアにて、文字に関する記事を連載中。CSS Niteベスト・セッション2017にて「ベスト10セッション」「ベスト・キャラ」を受賞。フォントとデザインをテーマとした「FONTPLUS DAYセミナー」を主宰。
フォントおじさんが誕生するまで
https://html5experts.jp/shumpei-shiraishi/24207/