装飾山イバラ道[252]あなたのギガは足りていますか?
── 武田瑛夢 ──

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外出先でスマートフォンのインスタグラムを見たりすると、データ容量を使ってしまう。テレビでも、ギガの大容量や使い放題のCMばかりの気がしますよね。

自分には関係ないことだと思っていたけれど、外出先でインスタグラム中、気に入ったお店のライブを見ていた時に、とうとう画面が固まり始めた。カクカクしたり止まったりだ。

契約形態にウトいタイプなので知らなかったけれど、今までは使っていない部分が繰り越されていたらしい。先月はその繰越部分も使うほど使用量が増大していて、とうとう制限がかかったのだ。しょうがないので、追加データを1ギガ1000円で購入した。

するとこの1ギガという単位が、あっさりとなくなる。やはり基本契約を見直すべきだと思って、近所のソフトバンクのカウンターへ出かけた。





駅前の店舗は広くて快適。ソファもたくさん用意され、白いロボットのPepper(ペッパー)もいる。

こんな地味な店舗にいるほど、Pepperはもう珍しくはないらしい。誰も話しかけられず宙を見ている感じだ。遠くから見ている私と目があったら、気づくくらいのロボットになるとまた楽しいかもしれない。目があったら会釈して近づいてくるとかね。少し怖い?

夫とソファで待っている時に、若い女性と高齢の男性がスタッフと話していた。どうも高齢男性はお怒りのご様子だ。居合わせた不機嫌な人の出すエネルギーって強いので、つい気になってしまう。

「だから、この子が契約内容は全部自分で選ぶんだ。話はこの子から聞いてくれればいいんだよ!」「今回の場合、名義人となっている契約者本人様との、ご契約なので……」(スタッフ)

どうやら、おじいさんが契約者となっている家族(孫娘)の携帯電話の契約内容の変更に来ているらしい。

「この前だって、ずーっと待ってて。わたしが決める訳じゃないんだから、最後までいる意味がないだろう!」

孫娘らしい女性は、ずっと静かに聞いていた。

「働き始めて、もう自分で払える歳なんだら自分で払えば?」。結局は、孫本人の契約に変更するということで、話が落ち着いたようである。何かあるたびにこれを繰り返すより、ずっといいに違いない。

スタッフも辛抱強くて、丁寧な説明と対応だった。おじいさんもだんだんと機嫌が直ってきたようだ。よかった、よかった。

「この前はね、携帯電話の機種を選ぶ時に見せられた電話機の色が、後からなかったとか言って。この子は気に入ってないのを今は使ってるんだ。見せて聞いておいて、ないなんて。可哀想だろ」

結局はお孫ちゃん思いの、優しいおじいちゃんなのである。家族契約だと安いところが多いけれど、家族が何か変更する度に呼び出されている人も多いということか。

スマホのカラーの選択肢は、在庫のあるなしにかかわらず、すべて見せることになっているのかもしれない。契約や販売に関する決まりごとも、万全にやろうとすれば時間がかかる。

契約なのだから契約者本人がいないと変更できないのは当たり前だ。しかし、何かとめんどくさいだろうなというのも理解できる。

そばに立っていたPepper君は、それこそ我関せずの感じで、そこに佇み続けていた。もし進化してオロオロしたり困った顔をしたりしたら、それはそれで可愛いけれど、もっと怒られかねないな(笑)。

私はギガをだいぶ増やした契約に変えたけれど、千円くらいの金額アップで済んでよかった。おそらくこのままで、出かけた時に使うくらいなら足りそうだ。


【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


スマホのゲームはしばらくしていなかったけれど、App Storeの「Dig it!」という指を使って砂を掘って、ボールを転がすゲームにハマっている。単純なんだけれど、物理法則を使っているので夫もドハマり中で、二人で競い合っているところ。