もじもじトーク[124]おかしな英語、伝わらない英語
── 関口浩之 ──

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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。

新型コロナウイルスの関係で、自分が主催する2件のイベントの中止手続きしたり、出演が決まっていた5件のセミナーのキャンセル調整したり、慌ただしい毎日です。

そんな中、3/1(日)大阪開催予定の『第40回リクリセミナー Webデザイントレンド in 大阪 2020』も開催中止になりましたが、主催者と登壇者で協議し、「動画配信版」を後日、実施することになりました。
https://recreators.doorkeeper.jp/events/100638


このセミナーの主催者と登壇者は、合計で10名ですが、住んでいる場所はまちまちです。グループメッセンジャーを使って、セミナー開催の是非、代替案はあるか、スケジュールなどの決定を、忙しい本業の隙間時間に、みんなで意見を出し合いました。





迅速に方針が決り、直ちに実行に移すことができたのは、主催者がしっかりと旗振り役をやっていたこと、そして、登壇者全員が自分事と捉えて動いていたからだと感じました。

すでに申し込みいただいた約130名の方々に返金対応して、動画版セミナーを新たに募集開始するのですが、皆さん、動画撮影に情熱を燃やしているので、どんなイベントになるか、楽しみです。

さて、今日のもじもじトークは、『おかしな英語、伝わらない英語』をお送りします。

●新国立競技場のおかしな英語。これでいいのだろうか?

新国立競技場(オリンピックスタジアム)の案内版の英語が「なんかおかしい」と、Twitterで話題になりました。この看板です。
http://bit.ly/mojimoji124a


HELLO, OUR STUDIUM. という英語表現、なんか違和感ありますよね。「ようこそ、新しい競技場へ」と表現するのであれば、Welcome to our new stadium. が自然な表現ですよね。

この英文は、Hello, my friends. って感じで、スタジアムに対して呼びかけているように感じます。ネットでいろいろと調べてみたら、「来場者へようこそ」のメッセージではなくて、イベントタイトルの一部の表記のようです。

ニューズウィークジャパンに記事として掲載されていますので、詳しくはこちらを。
https://www.newsweekjapan.jp/rochelle_k/2019/12/hello-our-stadium.php


この看板が使われるシチュエーション(どこで使われて、誰に対するメッセージなのか)を考えることができるなら、この場面で、この英文は使用しないと思います。

二枚目の写真の「情報の庭」を Joho no Niwa と英文表記したサインボードも、おかしなことです。

英語圏のネイティブの人が、Joho no Niwaを読んでも、何があるのかわかりません。日本語のローマ字読みを表記するのではなく、Event Spaceなのか Informationなのか、その場所が何であるのかの情報が書かれていることが、この場面では重要ではないでしょうか。

三枚目の写真は、さらに意味不明です。calm down, cool downという英語は、「頼むから、落ち着いてくれ!」というニュアンスに感じます。調べてみると、このスペースは、「障害がある人の利用を想定した、大勢の中から視線を遮り気持ちを落ち着かせるスペース」のようです。

●なんで、こうなるの!?

毎日通勤で使っている東京メトロ東西線ですが、新型車両には、扉の上にモニターが付いて、行き先案内や運行状況もお知らせしてくれ流ので、とても便利です。

先日、日本人の僕も、「ギョッ」となった英語が表示されたので、思わず、iPhoneを取り出して写真を撮ってしまいました。こちらをご覧ください。

http://bit.ly/mojimoji124b


Lineという単語が、Linとeとが改行で、分かれてしまうのは、ありえないでしょ。一つの英単語が二つに別れて改行されるということは、一つの漢字の偏(へん)と旁(つくり)が改行されていると同じぐらい、ビックリすることだと思います。しかも、全角等幅なので、読みづらいし。

それから、二つ目と三つ目の写真ですが、「文字が小さすぎて読めない」です。しかも、3〜5秒ぐらいで次ページに切り替わるので、同じ画面が戻ってくるまでに1分ぐらいかかります。

視力2.0で動体視力が高い人でないと、役に立っていないのでは思いました。これだけの情報量を表示する場合は、ポスターにして目の届く高さで表示するのが親切だと思いました。

僕の矯正視力は0.8ですが、日本語も英語も小さい文字は読めませんでした。

限られた液晶画面のスペースで、天井に釣り下がられている高い位置のサインボードの表示情報として、何を表示したら乗り間違いが起きないか、現地と同じ環境で事前に試験とかをやってないのだろうかと疑ってしまいます。

●米国で一番人気の絵文字はこれらしい!?

なんの番組だったか忘れてしまったのですが、数日前、絵文字に関する面白い調査結果が流れていたので、反射的にiPhoneをテレビに向けて撮影しました。

絵文字や顔文字は、最近、海外でも人気がでてきたらしいです。欧米で、一番人気の顔文字はこれだそうです。ジャーン!
http://bit.ly/mojimoji124c


日本では、 ^_^ や (^ ^) などが一般的によく使われる顔文字ですが、海外では、この顔文字が人気のようです。

カタカナの「ツ」が、海外の方には、スマイリーフェイス(ニコちゃんマーク)に見えるようです。

そして、海外では有名なボディランゲージとして、肩をすくめて手のひらを上にするポーズ(shruggie)がありますよね。それに似ているのです。

僕は中学生の頃、アメリカ西海岸に憧れて、1980年代の学生時代に西海岸にホームステイし、社会人になって二年間、アメリカに滞在していましたが、このマーク、当時、すごく目にしたのを記憶しています。

ちなみに、肩をすくめて手のひらを上にするポーズは、「さあ」「どうでもい
いけど」「関係ないし」など、幅広い意味で使われていますよね。

文化が異なると、同じマークを見ても印象が変わる場合があります。仕事で英文を公の場で使うときは、ネイティブの方がいる翻訳エージェントさん等に、費用を払ってチェックしてもらうことをおすすめします。予算がない場合は、知り合い(または知り合いの知り合い)のネイティブさんに見てもらうことをおすすめします。

では、二週間後にまたお会いしましょう。


【せきぐち・ひろゆき】sekiguchi115@gmail.com
関口浩之(フォントおじさん)

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1960年生まれ。群馬県桐生市出身。1980年代に日本語DTPシステムやプリンタの製品企画に従事した後、1995年にソフトバンク技研(現 ソフトバンク・テクノロジー)へ入社。Yahoo! JAPANの立ち上げなど、この20年間、数々の新規事業プロジェクトに従事。

現在、フォントメーカー13社と業務提携したWebフォントサービス「FONTPLUS」のエバンジェリストとして、日本全国を飛び回っている。

日刊デジタルクリエイターズ、マイナビ IT Search+、Web担当者Forum、Schoo等のオンラインメディアや各種雑誌にて、文字やフォントの寄稿や講演に多数出演。CSS Niteベスト・セッション2017にて「ベスト10セッション」「ベスト・キャラ」を受賞。2018年も「ベスト10セッション」を受賞。フォントとデザインをテーマとした「FONTPLUS DAYセミナー」を主宰。趣味は天体写真とオーディオとテニス。

フォントおじさんが誕生するまで
https://html5experts.jp/shumpei-shiraishi/24207/


Webフォントってなに? 遅くないの? SEOにはどうなの?
「フォントおじさん」こと関口さんに聞いた。
https://webtan.impress.co.jp/e/2019/04/04/32138/