もじもじトーク[131]フォントおじさん還暦を迎える の巻
── 関口浩之 ──

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こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。

2週間ぶりに東京メトロ東西線に乗りました。テレワーク生活を開始して2か月半になりますが、月に2回ほど電車通勤しています。電車の混雑が、新型コロナ前の混み具合に、少しずつ、近づいてきたような気がします。





●アフターコロナで過去の日常に戻るのか?

「緊急事態宣言が明けてから、以前の日常に戻りつつあるね」という会話を、最近、耳にするようになりました。でも、アフターコロナは「過去の日常に戻る」ということではありません。

たとえば、僕の大好きなとんかつ屋さん『マ・メゾン』では、満席になっても、以前の半分ぐらいの席しか座れません。みんなが安心して食事ができるよう、いつも笑顔の店長やスタッフが、さまざまな除菌対策のもと、普段の数倍の気配りをしているのがよくわかります。

その結果として、僕らは安心して食事を楽しむことができるのです。頑張っているお店のスタッフに感謝です。

そして、スーパーやホームセンターの買い物では、ソーシャルディスタンスが当たり前の生活スタイルになりました。無印良品では入場制限もあるし、会計を済ませて出口へ向かう導線が一方通行で、対面接触を極力さける工夫がされています。

レジでのクレジット決済では接触を避けるために、カード端末機に自分でカードを読み取らせるスタイルが一般的になりました。

今でも、週に一、二回しか外出してないですが、新しい生活様式がどんどん生まれています。コロナ前の、過去の日常に戻っているのではありません。

新しい生活様式や行動様式では、手間が掛かることや面倒くさいことが発生することが多いですね。そして、今までは目にしなかったビニールシートがあちこちに垂れ下がり、違和感のある景色が広がっています。

しかしながら、これらの手間の掛かる手続きや違和感は、時間の経過とともに、見栄えのいい製品が開発され見た目も美しくなり、ITやAIの力を借りて効率の良い仕組みに置き換わっていくはずです。

世の中が、安全で健康に暮らせるのであれば、多少の違和感は許容できるし、不便なところはすぐに改善されて、気にならなくなると思います。

これを良い機会と捉えて、エコロジーな生活、持続可能な社会、すべての人にとってアクセシビリティな社会が、自然な形で進んでいくと期待しています。期待するというよりも、ひとりひとりが行動しなくっちゃ、ですね。

●マインドセットのバージョンアップ

生活様式や社会基盤の変化は目に見えるので、それらへの適応は自然と進むと思っています。社会や生活様式が変容している中で、「個々人のマインドが変革すること」と「人類の考え方が変容すること」が、いま、一番大事なことではないでしょうか。

「マインドセットをバージョンアップしよう!」というメッセージを、数日前に、日本マイクロソフトの澤円(Madoka Sawa)さんの講演で耳にしました。

まさに、その通りだなと思いました! イエスキリストの風貌で有名なエバンジェリストの澤さん、大好きです。

さて、「マインドセット」という言葉は、数年前からよく耳にするようになりましたが、ウィズコロナ時代、そして、アフターコロナ時代において、とても大切な概念なのです。

「マインドセット」を調べてみると、グロービス経営大学院のWebページの説明が、分かりやすかったです。

マインドセットとは?
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-12011.html


マインドセットとは、いままで経験してきたことや学んできたこと、そして先入観から形成された思考や心理状態などを多面的に捉えた考え方であり、価値観や信念なども含まれます。

今、まさに、自然との共存、多様性の許容、さまざまな価値の創造が求められています。アフターコロナの時代においては、過去の成功体験は、何の役にも立たなくなる可能性さえあります。

だから、想像力をフル回転させて、「自分のマインドセットをバージョンアップすること」が大事なのです。自分をバージョンアップさせるのって楽しいよね!(この、おおらかな前向きさが大事なのです……w)

●きれいごとでいいじゃないか!

マインドセットは、個人では生き方に関わる根本的な思想だったりします。会社ならビジョンに関わる基本的な考え方だったりします。だからこそ、それをバージョンアップすることは、相当な熱量や情熱が必要なのです。

ソフトバンクの孫正義が20年前ぐらい前から、「情報革命で人々を幸せにする」って言葉を熱く語っているのを、何百回も見聞きしてきました。

なんか胡散臭いなとか、きれいごとじゃんとか言う人もいますが、これこそが、いま、さまざまな会社が取り組んでいるAIやITを活用した新しい行動様式の製品開発だったり、サービス開発だったりします。

きれいごとを否定することが大好きな人も少なからずいますが、それは、ダークサイドに落ちてもいいということなのかもしれませんね。

もし、きれいごとを本当に実現できるなら、素晴らしいことです。多様性が求められ、誰もが健康で幸せな世界を求められる今だからこそ、きれいごとが大事でなのです。

それを口先だけでなく、本気で情熱を注げる人間が、アフターコロナで求められている人物像だと思います。

●フォントおじさん、還暦を迎えるの巻

先週、60才になりました。誕生日メッセージをたくさんいただき、ありがとうございます。

60回目の誕生日は、フォントおじさんにとって、日常の単なる通過点と思っていたので、普段と変わりない一日でした。赤いちゃんちゃんこは着ませんでしたよ(笑)

でも、一昨日、「赤いフォントおじさんTシャツ」と「赤いフォントおじさん帽子」を仕事仲間からいただきました。早速、着替えてみました。ジャーン!
https://bit.ly/mojimojitalk131


新しい制服が増えました(笑)

ここ10年、日本のどこかのイベント懇親会で誕生日を迎えることが多かったのですが、今年はアニバーサリー休暇をとりました。

午前中は健康診断に行って、午後はとんかつ屋さんで美味しいヒレカツを食べて、その後、コージーコーナーのケーキを買って、自宅でお祝いしてもらいました。これこそが、ウィズコロナにおける最高の、そして幸福なイベントだと思いました。

今月末で定年退職を迎えますが、来月から『フォントおじさん第二章』として、引き続き、活字やフォントの伝道師として、バージョンアップした活動を再開したいと思っています。

フォントおじさんのマインドセットもバージョンアップして、学びとチャレンジの一年にしたいと思います。みなさん、これからもいろいろ教えてください。フォントおじさんをいじくったり、楽しく一緒に遊んだりしてください。

では、二週間後に、また、お会いしましょう。


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関口浩之(フォントおじさん)
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1960年生まれ。群馬県桐生市出身。1980年代に日本語DTPシステムやプリンタの製品企画に従事した後、1995年にソフトバンク技研(現SBテクノロジー)へ入社。Yahoo! JAPANの立ち上げなど、この25年間、数々の新規事業に従事。現在、活字や文字の楽しさを伝えるフォント伝道師(エバンジェリスト)、フォントおじさんとして活動。