グラフィック薄氷大魔王[192]大判モレスキンノート<RHODIA<ペラ紙 /吉井 宏

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みなさんたいてい文房具好きですよね。僕もたぶん文房具マニアです。他のマニアック関連グッズにくらべて格段に安いのでいろいろ買って比べたりでき、マニアになれる敷居が低くて楽しいわけです。

僕の場合、文房具好きでこだわる自分と、役に立ちさえすりゃ何でもいいじゃん的自分の戦いが常にあります。その意味では、究極にカッコイイ文房具より、そのへんのキオスクやコンビニで買えるノートとボールペンを使いこなすほうがカッコイイという感覚もよくわかる。紙ナプキンや使用済みコピー用紙の裏に書いたアイディアからスタートするビッグビジネス、なんて最高にカッコイイ。使いこなす道具としてのかっこよさと、純粋にデザインや高級感のかっこよさって別のものみたいです。わかっていてもついついカッコイイ文房具を買っちゃうのです。

でも、やはり好みに合わなかったり使いこなせなかった文房具が部屋の中にあるのが非常に苦しい。デジタルガジェットや楽器の類は、気に入らなかったらどんどん買い取り・下取りしてもらうので、手元から消えるだけマシなのです。こりゃいいぞと購入したソフトも、気に入らなければアンインストールすれば消えてなくなってしまう。



その点、文房具はペンやノートなど、実際に消費しはじめた上で「ダメだコリャ」になるわけで、使い続けるのも苦痛、最初の一枚しか描いてないノートを捨てちゃうのも苦痛ってことで、どうしようもない。試し書きしただけのノートや筆記道具がどんどんたまっていく。幸い、ノートやスケッチブックの紙製品は切り刻んでペラ紙にしちゃえばその後も役に立てられる。

Plain Notebook A3 (Moleskine Srl)もうね、そういう自分の行動パターンはよーくわかってるので、欲しいと思ってもガマンする習慣はついてるのですが、「特大モレスキンノート」だけはやはりガマンできませんでした〜。店頭であの大きな黒い表紙を見かけるたびに気になってしまい、まあ、使えなくても切り刻んでペラ紙にしちゃえばいいや、と、ついに購入。A4サイズのスケッチブックタイプです。

使ってみました。やはり大きいです。見開きでA3ヨコサイズなのです。広くて描きやすいのは確かなのですが、思わぬ落とし穴がありました。ノートの上のほうが遠すぎるんです。A4サイズの紙を横位置で使ったり、A5サイズの紙を机の手前で描くクセがついているため、A4サイズの紙の上のほうが描きづらい。ペラ紙の場合、机からはみ出す分は手前に垂れ下がっていたけど、硬いノートなのでノートのこちら側が腹につかえて手が届かない〜。あと、A5サイズのペラ紙が使いやすいのは紙をぐるぐる回して自由自在に描けるからだけど、A4モレスキンはまったく回せない。

疲れるなあ〜、と、あらためてペラ紙に描いてみると、信じられないくらい描きやすい。うむー、やっぱノートはダメだと再確認できました。もったいないので、とりあえず分解ペラ紙化はしません。何か用途を探してみよう。

ブロック No.11【方眼】 cf11200ところで、オレンジ色の表紙が目印のRHODIA。ロディア。最近は「ロージャ」と読むらしい。こちらはペラ紙志向にマッチするので、用途別に大小3種類をしばらく前から使ってます。

RHODIAがいいのは、何かを書き留めるだけ、という用途が明確なところです。「紙質の良さをテキトーな罫線で高級感をカモフラージュして使いやすくしてあるんじゃないか」という説がありますが、確かにそう思えてしまう。罫線の印刷が本当にテキトーです。刷りの色や濃度も極端にマチマチだし、裁断の位置もマチマチ。罫線はスキャンすると濃すぎてしまい、ホントに仮のメモにしか使うなって感じですが、そこがいい。国産のLiFE CLIPPERという同様のメモ用紙も使ってますが、こちらは実に神経が行き届いた造りで美しく、完璧です。本気で描くなら国産ですが、走り書きにはRHODIAです。

使い方は、何かを走り書きでメモするだけです。後でパソコンに必要な情報を移し替えた後で、ペリペリペリと破って丸めて捨てるのが快感です。ただし、文字の走り書きでなくて絵の場合は、最初にペリペリ破ってからペラ紙にしてから描くことが多いです。そのほうが描きやすいので。

ところで、最近、紙をもっと粗末っぽく使おうってことで、新しい方法をやってみました。A3サイズのコピー用紙を二回折ると持ち歩きに便利なA5サイズになる。これを拡げて描くのです。きっちり折ってしまうと折り目のところが描きにくいので、ゆるく折る。それも、きっちり半分とかじゃなくてテキトーに折るのがお勧め。

これだと別にA5やA4サイズの紙でもいいと思うでしょうけど、折り目が入ってることで大切な紙じゃないんですよ、ということを見た目で強調してるわけです。A3はやはり広い。広いけど、折りたためるので手が届かないこともない。たくさんのスケッチがひと目で閲覧できる。どんどん描く。スキャンしてゴミ箱へ。

紙ナプキンのメモ書きがカッコイイと書いて思い出した。タブレットPC用のスケッチソフトAutodesk Sketchbook pro(以前はAlias社)の背景用にいろんな罫線や五線譜などの用紙が入ってるのですが、その中にギャグだろうけど、紙ナプキンも用意されてました。よくわかってるな〜と思いましたよ。

【吉井 宏/イラストレーター】hiroshi@yoshii.com
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Snow Leopardをインストールしたら、なぜかHDDの容量が20GB以上も増えてしまった件について、謎が解けました。以前は二進法で1MB=1024KBと定義していたが、Snow Leopardでは十進法で1MB=1000KBとするようになった。なので、実際に空き容量が増えたのではなく、表示方式が変わっただけなのでした〜。なるほど。