グラフィック薄氷大魔王[479]ファイル整理、一気に進む
── 吉井 宏 ──

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先々週、「1992年分フォルダから整理スタートして一年かかって2002年分まで来た」と書いたばかりなのに、今は2007年分に取りかかってる。この二週間の進度がすごい。

時期的に、雑誌関連のイラスト仕事からキャラクター方面に軸足を移しつつあり、フォルダの数が目に見えて少なくなってるのも、理由のひとつなんだけど。そういう「自分史」を俯瞰できるのもファイル整理の楽しさ。

整理前の276GBをBD-Rに焼いて安心したので、SSDに残すファイルの選択が大胆になってきてる。あまり執着がなくなってどんどん捨てられる。っていうか、完成ファイルとラフスケッチ以外を全削除って感じのフォルダが多い。

そしてやはり、2002年あたりから拡張子やカラープロファイルをつける習慣ができたのが、手間が少なくなった大きな理由。




それ以前のファイルは、数10枚の画像を開くのにいちいちプロファイルの設定をしなくちゃいけなかったのが、今は一瞬で全部開く(多い場合は警告無しで読み込んでプロファイル変換するアクションも使う)。ファイル名もデタラメではなくなってるから修正不要。

あと、決定的なのが、この期間のメインツールがZBrushだったこと。ZBrushの高解像度メッシュファイルは数MB〜数10MBもある。制作段階を保存してあって1GB超のフォルダがいくつも。

当時ZBrushをどう使ってたかというと、だいたいの形を作って白いままレンダリングして陰影を作り、Photoshopで形を整えて乗算レイヤーに色塗り。ちゃんとした3Dソフトとして使ってなく、2Dイラスト制作の補助。

なので、その頃のZBrushのオブジェクトを残しておいても、再利用する価値がほとんどない。一応、OBJファイルとして取っておきたいものは残した上で、ZBrush関連ファイルは全部捨てる。これで一気に整理が進んだのでした。

ただ、この後の、MODOがメインツールになってからが大変になっていく見込み。MODOは仕様が何度か変わったため、古いファイルを現在のバージョンで読み込んでも、そのままレンダリングできない。

仕上がりの見た目がぜんぜん異なる。マテリアルやテクスチャやレンダリング設定を細かく修正しないと使えないのだ。

MODOで作ったモデルやテクスチャ画像は普通に再利用できるものが多いので、ここから現在までの10年分は、全部きっちり今のバージョンで使えるように保存しなおしていくことになるだろうな。それこそ一年くらいかかりそう……。


【吉井 宏/イラストレーター】
HP  http://www.yoshii.com 

Blog http://yoshii-blog.blogspot.com/


仕事は集中力がちっとも続かなくて困ることが多いけど、ファイル整理は半日ぶっ続けでやってたりする。数日間の大半をファイル整理に費やしたり。こういう作業が好きなんだろうな。高校生のときの職業適性クレペリン検査のお勧め職業は薬剤師や司書だったし。

で、ふと気になったので念のため「薬剤師や司書 クレペリン検査」でググったら、2011年秋、この連載に同じこと書いてたw 同じこと何度も書くようになってしまったか。ちなみに前回書いたのはカセットテープのデジタル化と整理の話でした。
https://bn.dgcr.com/archives/20111005140100.html


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・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii


・rinkakの3Dプリント作品ショップ
https://www.rinkak.com/jp/shop/hiroshiyoshii