前回の続きです。
●15分録あらため20分録
128回で書いた「15分録」。仕事を細かく分割して予想所要時間を割り当て、ブロック積みのように予定を組む。そして、キッチンタイマーで計って15分ごとに作業内容を記録していく、という方式。3月の半ばからは20分ごとに変更。
この方式のおかげで、締め切り間際にあせらずに済んだ(後述の音楽制作を除き)。グローバルイルミネーションでレンダリングしてみようと欲を出して失敗したほかは、目立ったトラブルもほとんどなく、見積もった時間内で作業を進めていくことができた。後半になると、高いレベルの集中を保ったまま、丸一日作業なんてことも。
●15分録あらため20分録
128回で書いた「15分録」。仕事を細かく分割して予想所要時間を割り当て、ブロック積みのように予定を組む。そして、キッチンタイマーで計って15分ごとに作業内容を記録していく、という方式。3月の半ばからは20分ごとに変更。
この方式のおかげで、締め切り間際にあせらずに済んだ(後述の音楽制作を除き)。グローバルイルミネーションでレンダリングしてみようと欲を出して失敗したほかは、目立ったトラブルもほとんどなく、見積もった時間内で作業を進めていくことができた。後半になると、高いレベルの集中を保ったまま、丸一日作業なんてことも。
●WindowsXPのインストールCDが見つからない〜
しっかり効率的に仕事とか言っているくせに、へんなところで時間を無駄にすることもある。今回、最も無駄だった行動は、Windows XPのインストールCDが見つからずに探しまくったこと。
他の複数台のマシンにインストールした3ds Max(アクティベーションしなくて可)を連携させてネットワークレンダリングすると、1台でレンダリングするよりも何倍もの速さでレンダリングが可能。今までにも借りたマシンを含めて、最大で4台のマシンでレンダリングしたこともある。
前回書いたように、当初は非常に時間のかかる設定でレンダリングしようとしたため、ネットレンダーが欠かせないはずだった。マウスコンピュータのCore2Quadマシンをメインに、MacBook ProとMacBookのBootcampのXP2台分が使用可。ところがMacBookはLeopardを入れたときに全消去したままで、まだXPを入れてなかったのだ。
で、XPをインストールしようと、うちにふたつあるXPのパッケージを探すも、ひとつしか見つからない。以前2台のMacをXPで使っていたので絶対2つあるはず。クローゼットの物を半分以上引きずり出し、物置部屋の段ボールを全部開け、スピンドルケースに何百枚も入ってるCDを全部確認しても無い! 半日くらい無駄にしてしまった。
グローバルイルミネーションは無理っぽいとわかったことと合わせて、結局ネットレンダーはあきらめた。プラスMacBook Pro1台分のパワーでは、1.5倍くらいのスピードアップにしかならないのだ。ネットレンダー用にレンダリング設定を変更するほうが面倒。
その後、あれだけ探して見つからなかったXPのパッケージは、クローゼットの一番手前の本の束の上に載っていた。緑色とオレンジ色のパッケージ。真っ先に見つけてもおかしくない場所なのになあ。
●効果音を録音に行った
必要な効果音は「ホームから走り去る電車の音」「自動改札が開く音」「走る足音」「手をパチッと叩く音」「自動ドアの音」の5種(今回はセリフはない)。持ってる効果音CDとシンセ合成音でなんとかなりそうなのは自動ドアの音だけで、他はどれも合うものがない。
まあ、素材集を探すよりも実際に録音に行く方が早いと、Amazonのお急ぎ便でポータブルレコーダーを購入。24ビットのリニアPCM録音が可能なEDIROLのR-09というWAVE/MP3レコーダー(数日後にニューモデルが出ちゃったけど)。さっそく電車の音を録りに駅へ。
隣の少し大きな駅で録音開始。ホームの先端まで行って発車する電車を何度も録音。すごいよ、このレコーダー。その場で密閉型モニタヘッドホンで再生してみると、現実の音との区別がほとんどつかない。電車の音はよく録れたので、次は自動改札の音。ところが予想していた音と違う。「カシャーン」とか「シャキーン」を予想してたんだけど、実際の音は「ボコッ」という小さい音。録音レベルを上げると人の足音や話し声も入ってしまう。
数駅先の乗降客が少なそうな駅に移動。それでもモニターから聞こえるのは思いっきりやかましい騒音(道路の音まで聞こえる)の間に、かすかに聞こえる「ボコッ」って開閉音。機会をうかがって何度もやってみたけど、雑音なしには録れない。いや〜、普段けっこう静かと思っている環境でも、必ず何らかの騒音がしてるんだな〜と気づかされる。結局、「ボコッ」だけを短く切り出して加工した上で使いました。
走る足音はうちの玄関でスニーカーでタカタカ足踏みして録音。簡単だったのは手を叩く音。短いしね。
●音楽制作で七転八倒
映像も効果音も完成し、最後の音楽制作。っていうか、遊びじゃなく正当な理由で音楽を作れる、または音楽制作のためにまとまった時間を使えるってことがうれしくてたまらない。僕のアニメーション制作の楽しみの半分以上がこれ。
本当ならプロにお願いするところだろうけど、アニメの用途から言ってそこまでのクオリティは不要。とりあえず何か音楽が入ってればいいレベル。今回はGarageBandではなく、購入以来ほとんどいじってなかったLogic Express 8を使用し、ついでに基本機能をマスターしてしまおうと。
どんなイメージの曲にしたいかってのは早くから決めていた。「晴れやか・未来への期待」って感じ。Capsuleというユニットのちょっと前の曲「RGB」か「宇宙エレベーター」。これらを参考に、それっぽいのを簡単にでっち上げられるだろうと。たった30秒だし。
ところが、いくらやってもそれっぽくならない。いくつか異なるタイプの曲を作りかけてみるけど、しっくり来ない。元々ちゃんと音楽をやってるわけでもないから実力がぜんぜん足りないのだ。
他に何かないかと、iTunesライブラリの曲を聴きまくったりiTunesストアで試聴しまくったりしたけど、前述の2曲以上にピッタリな曲調のものは出てこない。3日ほど七転八倒しても出口が見つからない。困った。
何とか脱出できたのは、うちの奥さんの「キャッチコピーを歌にしちゃえば?」って助言。なるほど〜! 3語の英単語のコピーをMacのスピーチ機能のVictriaに読み上げてもらい、Logicのボコーダーを通して和音を歌わせてみたところ、なかなか良い。これをサビにしたら他の部分はスルスルと作れてしまった。なんとか完成。う〜ん、コード進行とかちゃんと勉強しようかな。
【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com
これじゃ単に作業記録レポートか独り言日記だなあ。ところで、温暖化防止のため白熱電球が製造中止になるかもしれないそうだけど、頻繁に点けたり消したりするトイレなどは蛍光灯の消耗がはげしいし、適材適所がいいんじゃないかなあ。値段も高いし、蛍光ボールを作るための電力などのコストも電球にくらべて大きい気がする。欧米の蛍光灯の普及率は2割ほどだそうで、照明の6割が蛍光灯の日本ではちょっと話がちがうし。製造中止にするのでなく、白熱電灯に税金をかけて環境保護にまわすほうが建設的だと思う。また、蛍光灯の有毒な水銀の問題もある。液晶のバックライトだってその観点からもLEDに転換されてる最中。蛍光灯推進ではなく、まだ非常に高価なLEDライトを優遇するほうがいいんじゃないかなと。白熱電球がなくなったら、ヒヨコはどうするんだ? と思って検索したら、ちゃんと専用の「ヒヨコ保温球」なんてのがあるのね〜。
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>
しっかり効率的に仕事とか言っているくせに、へんなところで時間を無駄にすることもある。今回、最も無駄だった行動は、Windows XPのインストールCDが見つからずに探しまくったこと。
他の複数台のマシンにインストールした3ds Max(アクティベーションしなくて可)を連携させてネットワークレンダリングすると、1台でレンダリングするよりも何倍もの速さでレンダリングが可能。今までにも借りたマシンを含めて、最大で4台のマシンでレンダリングしたこともある。
前回書いたように、当初は非常に時間のかかる設定でレンダリングしようとしたため、ネットレンダーが欠かせないはずだった。マウスコンピュータのCore2Quadマシンをメインに、MacBook ProとMacBookのBootcampのXP2台分が使用可。ところがMacBookはLeopardを入れたときに全消去したままで、まだXPを入れてなかったのだ。
で、XPをインストールしようと、うちにふたつあるXPのパッケージを探すも、ひとつしか見つからない。以前2台のMacをXPで使っていたので絶対2つあるはず。クローゼットの物を半分以上引きずり出し、物置部屋の段ボールを全部開け、スピンドルケースに何百枚も入ってるCDを全部確認しても無い! 半日くらい無駄にしてしまった。
グローバルイルミネーションは無理っぽいとわかったことと合わせて、結局ネットレンダーはあきらめた。プラスMacBook Pro1台分のパワーでは、1.5倍くらいのスピードアップにしかならないのだ。ネットレンダー用にレンダリング設定を変更するほうが面倒。
その後、あれだけ探して見つからなかったXPのパッケージは、クローゼットの一番手前の本の束の上に載っていた。緑色とオレンジ色のパッケージ。真っ先に見つけてもおかしくない場所なのになあ。
●効果音を録音に行った
必要な効果音は「ホームから走り去る電車の音」「自動改札が開く音」「走る足音」「手をパチッと叩く音」「自動ドアの音」の5種(今回はセリフはない)。持ってる効果音CDとシンセ合成音でなんとかなりそうなのは自動ドアの音だけで、他はどれも合うものがない。
まあ、素材集を探すよりも実際に録音に行く方が早いと、Amazonのお急ぎ便でポータブルレコーダーを購入。24ビットのリニアPCM録音が可能なEDIROLのR-09というWAVE/MP3レコーダー(数日後にニューモデルが出ちゃったけど)。さっそく電車の音を録りに駅へ。
隣の少し大きな駅で録音開始。ホームの先端まで行って発車する電車を何度も録音。すごいよ、このレコーダー。その場で密閉型モニタヘッドホンで再生してみると、現実の音との区別がほとんどつかない。電車の音はよく録れたので、次は自動改札の音。ところが予想していた音と違う。「カシャーン」とか「シャキーン」を予想してたんだけど、実際の音は「ボコッ」という小さい音。録音レベルを上げると人の足音や話し声も入ってしまう。
数駅先の乗降客が少なそうな駅に移動。それでもモニターから聞こえるのは思いっきりやかましい騒音(道路の音まで聞こえる)の間に、かすかに聞こえる「ボコッ」って開閉音。機会をうかがって何度もやってみたけど、雑音なしには録れない。いや〜、普段けっこう静かと思っている環境でも、必ず何らかの騒音がしてるんだな〜と気づかされる。結局、「ボコッ」だけを短く切り出して加工した上で使いました。
走る足音はうちの玄関でスニーカーでタカタカ足踏みして録音。簡単だったのは手を叩く音。短いしね。
●音楽制作で七転八倒
映像も効果音も完成し、最後の音楽制作。っていうか、遊びじゃなく正当な理由で音楽を作れる、または音楽制作のためにまとまった時間を使えるってことがうれしくてたまらない。僕のアニメーション制作の楽しみの半分以上がこれ。
本当ならプロにお願いするところだろうけど、アニメの用途から言ってそこまでのクオリティは不要。とりあえず何か音楽が入ってればいいレベル。今回はGarageBandではなく、購入以来ほとんどいじってなかったLogic Express 8を使用し、ついでに基本機能をマスターしてしまおうと。
どんなイメージの曲にしたいかってのは早くから決めていた。「晴れやか・未来への期待」って感じ。Capsuleというユニットのちょっと前の曲「RGB」か「宇宙エレベーター」。これらを参考に、それっぽいのを簡単にでっち上げられるだろうと。たった30秒だし。
ところが、いくらやってもそれっぽくならない。いくつか異なるタイプの曲を作りかけてみるけど、しっくり来ない。元々ちゃんと音楽をやってるわけでもないから実力がぜんぜん足りないのだ。
他に何かないかと、iTunesライブラリの曲を聴きまくったりiTunesストアで試聴しまくったりしたけど、前述の2曲以上にピッタリな曲調のものは出てこない。3日ほど七転八倒しても出口が見つからない。困った。
何とか脱出できたのは、うちの奥さんの「キャッチコピーを歌にしちゃえば?」って助言。なるほど〜! 3語の英単語のコピーをMacのスピーチ機能のVictriaに読み上げてもらい、Logicのボコーダーを通して和音を歌わせてみたところ、なかなか良い。これをサビにしたら他の部分はスルスルと作れてしまった。なんとか完成。う〜ん、コード進行とかちゃんと勉強しようかな。
【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com
これじゃ単に作業記録レポートか独り言日記だなあ。ところで、温暖化防止のため白熱電球が製造中止になるかもしれないそうだけど、頻繁に点けたり消したりするトイレなどは蛍光灯の消耗がはげしいし、適材適所がいいんじゃないかなあ。値段も高いし、蛍光ボールを作るための電力などのコストも電球にくらべて大きい気がする。欧米の蛍光灯の普及率は2割ほどだそうで、照明の6割が蛍光灯の日本ではちょっと話がちがうし。製造中止にするのでなく、白熱電灯に税金をかけて環境保護にまわすほうが建設的だと思う。また、蛍光灯の有毒な水銀の問題もある。液晶のバックライトだってその観点からもLEDに転換されてる最中。蛍光灯推進ではなく、まだ非常に高価なLEDライトを優遇するほうがいいんじゃないかなと。白熱電球がなくなったら、ヒヨコはどうするんだ? と思って検索したら、ちゃんと専用の「ヒヨコ保温球」なんてのがあるのね〜。
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>