前回、「こんなことができるのかっ!」って2Dソフトで驚いたのはいつだっけ。Synthetic Software社のStudio Artistの自動描画が最後くらいかな。それでも10年も前だ。このGenuine Fractals 5日本語版、久しぶりに心底驚かされました。
Genuine Fractals 5 日本語版
< http://www.swtoo.com/product/onOne/gf/index.html
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画像を拡大するツールです。小さい画像をPhotoshopで拡大すると輪郭部分が変な風にボケて非常にみっともないが、これを使うと、細部のディテールはそのままに、3倍でも10倍でも平気で拡大できてしまう。前身のpxl SmartScaleも試してみたことはあるのだが、ここまで驚異的な効果は感じられなかった。
Genuine Fractals 5 日本語版
< http://www.swtoo.com/product/onOne/gf/index.html
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画像を拡大するツールです。小さい画像をPhotoshopで拡大すると輪郭部分が変な風にボケて非常にみっともないが、これを使うと、細部のディテールはそのままに、3倍でも10倍でも平気で拡大できてしまう。前身のpxl SmartScaleも試してみたことはあるのだが、ここまで驚異的な効果は感じられなかった。
・見本画像1(CG画像)
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オリジナルを800%拡大した結果。Photoshopのバイキュービック(拡大用)とGenuine Fractalsを使用。オリジナルの幅はたったの174pixel。もちろん、元の情報量が多い大きな画像ほどいいに決まってるけど、これだけの画質ならVGAサイズの画像をB1ポスターにだってできそう。この見本は輪郭のシャープさがどこも均一なCG画像なので、効きが特に良い。レイヤーやアルファチャンネルも同時に拡大される。購入したのはRGB画像用のスタンダード版だけど、Print Pro版ではCMYKにも対応。
・見本画像2(デジカメ写真)
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写真の一部を500%に拡大。人物の輪郭が鮮明なのはいいんだけど、輪郭以外の部分の処理に調整の余地あり。シャープネスやしきい値を調整したり、引き延ばされたベタ面が単調に見えないようにテクスチャを加えたり、フィルム粒子を加えて自然に見せることも可能(コンパクトデジカメ写真なので、JPEGな上にもともとシャープネスがかかっているため、いい見本じゃないかも)。
・操作画面
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この操作画面を開かなくても、単純に拡大率だけを入力するモードもある。
Genuine Fractalsを使うと僕的に何ができるかというと、印刷用解像度の350 dpiを確保するためにCGのレンダリングに長時間待たなくて済む。数分の一のサイズでレンダリングしてGenuine Fractalsで拡大すればいい。数倍程度なら実寸でレンダリングするのと画像の品質はほとんど変わらない。同じ時間内で数回レンダリングのやり直しができるので、「ライティングちょっと気に入らないけど、まあこれでいいや」ってことがなくなる。また、3Dアニメーションの連番画像をこれで拡大すれば、フルHDサイズ1920×1080pixelもこわくない。
※注意 このソフト、本家サイトでダウンロード購入もできるんだけど、英語版のデモを試したところ日本語版のPhotoshopでは動作しないようです。以前Strata 3D[in]で英語版をDL購入してしまい、返品手続きが大変でした。
●おまけ 逆に縮小の場合、デフォルトの「バイキュービック法」を使うことが多いでしょうけど、注意。普段は「バイリニア法」だけを使い、最終的な仕上がり画像にするときだけ、結果を確認しながら「バイキュービック法」を使うほうがいいと思う。というのは、バイキュービック法ではアンシャープマスクがかかったりなど、見栄えを良くするための小細工が入る。何度も拡大縮小を繰り返すと、不自然な画像になってしまう。
【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com
デジクリ夏休み期間中、「〜以前・〜以後」に分けたいような大きな出来事がいくつもあった。Googleストリートビュー開始、赤塚不二夫死去、北京オリンピックなどなど。オリンピック開会式の日、11年間使ってあと3年もたせるつもりだったブラウン管テレビの電源が突然切れるようになり、液晶32インチテレビに買い換えた。オリンピックに合わせたんじゃないよ。スポーツぜんぜん興味ないです。ニュース番組の中でスポーツのことやるな、スポーツはニュースじゃないだろくらいの。せっかくデジタル放送が見れるようになってチャンネルが少々増えたのに、どこもかしこもオリンピック。普段から見る番組が少ないと嘆いていたのに、頼みのNHKもオリンピックばかり。おまけに、どのチャンネルがどの放送局か、まだよくわからない。面倒なので、もともとあまり見ないテレビをもっと見なくなった。
平城遷都1300年祭の「せんとくん」に続いて、宮崎駿氏がデザインした小金井市のキャラクターがボロクソに言われている。金太郎、僕はいいと思う。言われているような適当なやっつけ仕事ではなく、宮崎氏のあたたかい部分がよく表れた、肩の力が抜けた良いキャラクターだと思う。誤解されがちだけど、作家が自主的にキャラクターを作ってムリヤリ採用させたのでない限り、そのキャラクターの善し悪しの責任は、作家を選んで制作させ採用した側に100%ある。採用された以上、手抜きだろうがやっつけ仕事だろうが関係ない(生みの親としての心情的な責任は作家の内側にあるかもしれないし、矢面に立たされるのはいつも作家というリスクもあるけど)。巨匠のネームバリューがほしかっただけかもしれないけど、できたものが良くなければ不採用にすることもできる。巨匠だからとダメ出しできないなら最初から依頼するべきじゃないと思う(小金井市がそうだと言ってるんじゃないよ。一般の話)。一方、奈良の「せんとくん」。第一印象、どうしてもツノが禍々しくてイヤな感じがした。でも、その後一般募集された対抗馬の候補30点を見たら「こういうキャラクターはこの種の『ゆるキャラ』であるべき」みたいな固定観念をアリアリと感じて非常につまらなかった。「せんとくん」のほうがぜんぜんイイ。キャラクターとしての力強さと凄みを再認識した。
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- Genuine Fractals 5 日本語版
- .. 2008-06-26