キャラクターのラフを作る機会が多く、毎月何百枚も描いている。効率を上げるため、ドローイングの手順を統一したいのだけど、デジタルで描くのと紙に描くのとまだどっちかずな感じ。タブレットは、微妙な体調や姿勢や気分で描きやすかったり描きにくかったりする。
「タブレットものすごく描きやすくてもうオレ紙なんかいらね〜や、何でも自由自在に描けるぞ!」ってのと、「さっきまで描きやすかったのはいったいどこへ行ったんだ? ぜんぜん描けねえ〜、タブレットで描く気しねえ〜」の往復状態。液晶タブレットも、「すっげ〜〜描きやすいわ10倍速だ!」って状態と、「あー手が邪魔くさいし、ビニールを貼るなどしても調整しきれない摩擦が気色悪い!」の往復。
「タブレットものすごく描きやすくてもうオレ紙なんかいらね〜や、何でも自由自在に描けるぞ!」ってのと、「さっきまで描きやすかったのはいったいどこへ行ったんだ? ぜんぜん描けねえ〜、タブレットで描く気しねえ〜」の往復状態。液晶タブレットも、「すっげ〜〜描きやすいわ10倍速だ!」って状態と、「あー手が邪魔くさいし、ビニールを貼るなどしても調整しきれない摩擦が気色悪い!」の往復。
タブレットで描きにくいときは、角度合わせが微妙にずれていたり、調子に乗りすぎて手を必要以上に早く動かしてしまってる場合がほとんど。それでも描きにくい場合は、さっさと気分を切り替えて紙を使うわけですが、最近使い始めた道具としては、ダーマトグラフとコピック。
ダーマトグラフは、ポジの袋なんかに番号を書くのでおなじみの筆記具。ねっとりした粘りのある芯の極太色鉛筆のようなもので、ガラスにも書けてしまう。軸は紙がくるくる巻いてあり、ペリペリめくって芯を出すやつ、と言えばわかるかな(ダーマトグラフは三菱鉛筆の商品名。似たような筆記具は他のいくつかのメーカーからも出ている。芯ホルダー式の製品もある)。
何が素晴らしいって、描く紙を選ばないところ。僕はある程度紙に摩擦がないと描きにくい。普通の鉛筆は滑りすぎて描けない。なのでザラザラの紙に軟らかめの色鉛筆で描くのだが、コピー用紙やノートをちぎった紙などは色鉛筆でも滑りすぎる。ダーマトグラフなら、コート紙だろうがワトソン紙だろうが書き心地にほとんど差がない。線が手で擦れないのもいい。
ただ、芯が太いので細かく描けない。必然的に大きな紙に描くことになり、腕全体で勢いよく描けるのでかえって好都合。
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=21121947
>
一方、コピック。何百色も揃った定番のマーカーペン。当たり前かもしれないけど、描くのに筆圧がいらないってのは意外に新鮮。触れただけで描ける。マーカー以外の筆記具はたいてい筆圧を入れないと描けないので。
描いた部分をすぐもう一度描いても、摩擦が変化しないところがいい。コピックはアルコールなので乾燥が早いし、同じ箇所をぐりぐり描いても乾いている紙と同じ摩擦で描ける。一般的な水性サインペンだと、描いた部分は水分で湿っているため、ペンの先が引っかかってスラスラ描けない。何度も塗ると毛羽立ってくる。あと、ノートのようなツルツルの紙でもフェルトチップの摩擦のおかげで描きやすい。
細軸のコピック・チャオでも僕には太すぎなのと、分厚い紙でさえ裏移りするのが難点。長時間使ってると揮発したアルコールで酔うし。でも、軽々シャカシャカ描けるのはキモチイイ。
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=21086762
>
なぜ今、ダーマトグラフとコピックか? 実はノートを分解した紙の分厚い束のせいなんです。あれもこれもと溜め込んできたほとんど未使用のノートの山。ノートを使いこなすのは無理だと見切りを付けて、切り刻んでペラの紙にしたもの。捨てちゃうのは簡単だけど、何かラクガキしてから捨てなければもったいない。それでノートのツルツルの紙に描きやすい画材を探したわけなんです。
●おまけ 画材売り場の店員
某有名文房具店でよく買い物するのだが、画材売り場店員の商品知識のなさに驚かされることがある。コピックのペン先は交換できるらしいことは知っていたのだが、店員によればペン先は太い角軸コピックしか交換できないとのこと。あやふやな答えだったので念のためカタログを調べてもらったのだが、やはりできないと。まあ、試しだからと何本か買って帰り、あらためてWebで調べたら、ちゃんと他のペンとの互換性あるじゃんよー!
今までで一番ビックリさせられた店員。僕は軟らかめの色鉛筆が好きなので、「どのメーカーの色鉛筆が一番軟らかいですか?」と尋ねたところ、「色鉛筆の硬さはどれも変わりません」ですとー。
一流店の店員があれでいいのか? デザイン事務所時代、ありとあらゆる画材やデザインツールを使っていたので、「オレ、これだけ画材に詳しかったら画材店に就職できるぞ」と思ったものだが、まだ大丈夫かも。いや、無理だわ。リキテックスの色名、ほとんど忘れちゃったわ。
【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com
KORGの新しいMIDIコントローラーnanoシリーズ。ノートパソコンといっしょに使う前提のミニ鍵盤やパッドなど3製品。手軽ですごくいい感じ。「10月発売予定」とのことで毎日アクセスしては発売されたかチェックしてたのに、昨日「11月下旬発売予定」に変わってた。ムキー!!
< http://www.korg.co.jp/Product/Synthesizer/nano/index.html
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>
- コピックワールド―コピックマーカーを効果的に使うために
- 美術出版社 2000-02
- おすすめ平均
- いいんですが・・・
- コピックワールド―コピックマーカーを効果的に使うために
by G-Tools , 2008/10/22