
僕は映画の中に完全に入り込んで観ちゃうタイプなんだけど、こんな怖い映画だったかな、ってくらい怖かった。もうずっと体が震えっぱなしだし、口がカラカラになってノドの奥がくっついてしまい、ペリペリはがさなくちゃならないような状態になってしまった。で、すごくイイ。美しいし映画としてうますぎる。歴代映画のベストに選ぶ人が多いのもうなずけるなあ、と。
で、Wikipediaを見てみたところ、衝撃の事実が。「ゴッドファーザー」は1972年公開。マーロン・ブランドは1924年生まれ(2004年没)。ということは、ヴィトー・コルレオーネを演じたブランドはまだ48歳の若さだったのだ! 1970年の映画制作開始時には、今の僕と同じ46歳ってことになる。同じく現在46歳のトム・クルーズがヴィトーを演じるみたいなもんだよ。
いや〜、まいった。冒頭で結婚式の裏でいろいろ相談を受けるシーンでは、肌がツヤツヤしてて意外に若いのかな? と一瞬思ったんだけど。「ゴッドファーザー」と聞いて思い浮かべるあの渋いブランドの顔は、60歳代後半と信じて疑わなかったものだ。

で、復活といえば、手塚治虫の話。1970年頃の時点で手塚氏はすでに過去のマンガ家と見なされており、長くヒット作が出ない状態だった。どのマンガ誌も描かせようとしない。少年チャンピオンの編集者が大御所に最後の花道として用意したのが「ブラック・ジャック」の連載枠だったそうだ。これの大ヒットで手塚治虫は大復活を遂げ、おかげで偉大なマンガ家としての地位を不動のものにできたとのことです。1973年のBJ連載開始時点で45歳。


かと思えば、それまではイマイチ地味な作家だったのに、1988年のアニメ開始でブレイクした時69歳の、やなせたかし氏とかいるしね〜。42歳でマンガ誌デビュー後、ブレイクしっぱなしの水木しげる氏とかも。まあ、いろいろか。まだブレイクも落ち目も復活もしてない僕としては、なんか希望が持てる話ではあります。
【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com
昔観た映画を今観るとぜんぜん印象がちがう。いろいろ観直したくなってきた。ところで、1980年に「カリオストロの城」を観るまで、自分はアニメオタクだと思い込んでいた。でも、夢中になっていたのは宮崎駿が関係する作品ばかりなことに気がついたのでした。実は宮崎オタクだった。マーロン・ブランドのCGでの復活は実際やった役だからおいとくとしても、コマーシャルに故人の俳優や有名人文化人を使うのって、本人の了解も得られないのに良くないんじゃない? と思います。もうちょっとCG技術が進んだら、過去の有名俳優が新作映画にどんどん出演するようになるんだろうな、ギャラ次第で。倫理問題はどうなる? 楽しみでもあるんだけど。ところで全然関係ないけど、Adobe CS4、アップグレードできなくなるぞと不安をあおる某広告が鼻につく。あれはぜったい逆効果だと思うぞ。
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