グラフィック薄氷大魔王[178]Painter11の目玉とは
── 吉井 宏 ──

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W休みを挟んで旧聞になってしまいますが、先月の23日、Painter11の発表会に行ってきました。

Corel Painter 11 アップグレード版 (初回特典ピクトリコ社 デザインペーパー付き)Painter11 デジタルペインティング
< http://www.corel.com/servlet/Satellite/jp/jp/Product/1166553885783
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新機能としては、新しいカテゴリのブラシやWACOM intuos4に対応したブラシ属性、カラー関連パレットのサイズをドラッグで替えられる機能など。あと、レイヤーの変形機能の進化などもありまずが、まあ、ちょっと地味なバージョンアップという印象。

ところが、大きな目玉機能アリ! カラーマネジメント機能が大幅に変更され、Photoshopと同じ色を表示できるようになりました。従来もRGBではPhotoshopと同じ色にまでイケてましたが、CMYKのカラーシミュレーションは黒みの表現がイマイチで実用になりませんでした。Painter11では、CMYKでもほぼ完璧にPhotoshopと同じ色で表示できます。これでPainterの色を完全に信用できるようになりました。それだけでも価値は大有り!!



他にカラマネ関連では、以前のPainterではJPEGにカラープロファイルがつかなかったけど、11では他の画像形式同様につくようになった。僕は大量のスケッチをJPEGで管理してるのですが、PhotoshopとPainterを往復するときJPEGにプロファイルがつかないと、Photoshopのプロファイルなし警告がけっこう面倒だったのです。

あと、ズーム率が変更されてます。なかなか実用本位の変更です。Painter10ではPhotoshopと同様のズーム率でしたが、Painter11では5%、10%、25%、33%、50%、66%、75%、100%、150%、200%、400%、500%、600%、800%、1000%、1200%……という感じ。特に75%と150%はありがたい。

あと、5%以下にはできませんが、ここ重要。ミスして超小さくなって拡大表示に手間取ったりすることが多かったのです。ズームのショートカットは、スペースキーを使うものとテンキーのプラスマイナスキーを使うものが、同じ倍率きざみに変更されてます。

寺田克也全部―寺田克也全仕事集発表会では、寺田克也氏がオッサンの頭部を描くデモがありました。線画から始めて次第に描き込んでいき、水彩ブラシで色をつけて陰影描写まで同じブラシでやってしまう、おなじみの手法を生で見れました。

僕はといえば、実はここ3〜4年はPainterで仕上げる2Dイラストの仕事はほとんどやってなく、年に数枚程度です。ZBrushを経てmodo等の3DCG中心にやってるのは事実ですが、2DCGをやめたわけじゃないんですけどね。Painterはもっぱら下絵やスケッチに使うことが多いです。

そういえばつい先日、12年前のイラストと同じタッチを指定されて描いた仕事がありました。その頃の技法を思い出しながら描いたわけですが、3Dみたいに視点を変えられないのが苦痛だし、根気と体力勝負みたいで大変でした。こんなことを十数年も続けてたのが自分でも信じられない。2Dイラストも続けたいとはいえ、タッチはもうちょっと軽めにしたいな。

【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com
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こないだアップルストアに行ったら、iMacに見慣れないテンキーなしのアルミキーボードが繋いであった。Bluetoothアルミキーボードが有線になったような形状。店員に聞いてみたら、現行のiMacに付属する標準のキーボードだそうだ。15インチを越えるサイズのノートパソコンにもたいていテンキーが装備されてる傾向に思いっきり逆行。噂によれば、iMacの本体をアルミブロックからくり抜いた端材を有効活用してるらしい。テンキーなしキーボードって実はけっこう好き。マウスが近くに置けるのもいいし、なにより慣れてしまうとMacBook等にテンキーがないのが苦にならないのがうれしい。まあ多少、数字を打つのに手間取るけど、このサイズで全部不自由なくできちゃうならそれに越したことない。とりあえず、テンキーなしBluetoothキーボードで特訓中。