ここ5〜6年くらい、それ以前はほとんど意識してやったことがなかったドローイングをやってるわけですが、最近になってようやく気がついてきたことがある。誰かに見せる作品じゃないドローイングやスケッチって、なるべく汚く描くほうがいいみたいです。
いろんな人のスケッチブックやノートを見て、迷いがない美しい線で描かれたドローイングにあこがれ、あらためて紙に描くようになったのですが、僕は昔から「きれいな線画」を描くのが苦手。それを克服するために摩擦の大きい色鉛筆を使ったり紙を選んだり、鉛筆の持ち方のフォーム改造などして、快適にきれいな線が描けるように工夫してきたわけです。
スキャンして単品のスケッチ(僕の場合、キャラクター単品のドローイングがほとんど)を一つずつ切り離して、500pixelサイズに揃え、番号をつけて一つのフォルダに入れてある。ときどき見返しては少しずつ手を入れたりするんだけど、ここで問題が。きれいな線画のドローイングは、もうそれ以上何か変更したい気持ちが起きにくいのです。つまり、きれいに描いてしまったものはそこで完結してしまっており、発展させにくいってこと。
いろんな人のスケッチブックやノートを見て、迷いがない美しい線で描かれたドローイングにあこがれ、あらためて紙に描くようになったのですが、僕は昔から「きれいな線画」を描くのが苦手。それを克服するために摩擦の大きい色鉛筆を使ったり紙を選んだり、鉛筆の持ち方のフォーム改造などして、快適にきれいな線が描けるように工夫してきたわけです。
スキャンして単品のスケッチ(僕の場合、キャラクター単品のドローイングがほとんど)を一つずつ切り離して、500pixelサイズに揃え、番号をつけて一つのフォルダに入れてある。ときどき見返しては少しずつ手を入れたりするんだけど、ここで問題が。きれいな線画のドローイングは、もうそれ以上何か変更したい気持ちが起きにくいのです。つまり、きれいに描いてしまったものはそこで完結してしまっており、発展させにくいってこと。
美しく描けたスケッチは、後でいじるときに躊躇してしまう。汚く描いておけば、後でいくらでもいじり放題。また、きれいでカッコイイ線を描くのに神経や時間を使うのはムダ。以前書いたように「ドローイングこそがクリエイティブそのもの」という考えに立てば、多少汚くても素早くアイディアに形を与えるのが目的なんだから、それでいいはずです。
それに気がついてから、紙や筆記具の種類を基本的に問わなくなった。描けりゃあ何でもいいです。でも、力を入れないと描けない種類の画材はどちらかといえば向かないかな。2Hの鉛筆とか、安い色鉛筆はある程度力を入れないと濃い線が出ないので疲れる。逆によく使うようになった画材としては、油性ボールペンとかサインペンの類。これらは力を入れなくても描けるのでラク。
具体的なやり方としては、まず、油性ボールペンの黒でグリグリグチャグチャと描きます。油性ボールペンは以前はなめらかすぎて嫌いだったのですが、汚く描くことにおいてはピッタリの筆記具。何か形ができたら、サインペンや黒の色鉛筆などで線を強調したり、別の紙を上から当ててテキトーにトレース。同じボールペンでもいい。描いたらそのままで放っておく。また何かいじりたくなったら修正を加えてまたトレース。いじる必要を感じなくなった段階で、ようやくスキャン。デジタル化したドローイングは基本的にPhotoshop等で加筆などせず、ドローイングフォルダへ。人に見せる必要のあるスケッチ、つまり提出ラフなどは、形が出来上がってから、あらためてきれいにトレースすればいい。
デジタルでドローイングする場合は、線に気を使わないで済む一つの方法として、Photoshopの鉛筆ツールがお勧め。筆圧もなし。ジャギジャギの線で、形状だけ描く。形を追求するにはそれで十分。線をきれいに描くための努力はなるべく避ける。消しゴムツールもモードを鉛筆にしておけば、完璧に消せる。
もっとも、線画を描くのが得意な人はそのまんまでぜんぜんイイと思いますけどね。そういう人はうらやましい。
余談。ドローイングフォルダは日付順にしておく。変更を加えて上書き保存したものは更新日が新しいので上のほうに集まる。すると、手を加える気のおきないドローイングが下のほうに自動的にたまっていくという、押し出しファイリング的便利さもあります。
【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com
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