グラフィック薄氷大魔王[389]「時間割り当て」「著作権保護70年」他、小ネタ集
── 吉井 宏 ──

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●「時間割り当て」は効果的かも

仕事が忙しくなくてもやるべきことはいっぱいあるのに、GWで業務連絡とか少なかったせいもあって気が抜け、いろいろ非常に効率落ちてた。最近考えてたのは、継続して積み上げていくようなToDoには、やっぱ「時間割り当て」が効果的なんだろうなと。

例えば、先日とりかかったファイル再整理など、一日一時間作業しても半年かかりそうなToDoは、やはり一日一時間をきっちり半年続けないと終わらないわけで。思いつきで一週間に一回とかやってたら何年もかかっちゃう。

「そういえばこれやらなきゃ」って思いつきで時間作って一日中使っても、結局ダラダラしてしまってたいして進まない。「時間割り当て」で強制的に自分にやらせる。まあそれがiCal的時間割スケジュール管理なわけだけど、苦手。予定の時間が見えてしまうのに耐えられない。

英語でも何でも一万時間勉強しないとモノにならないとか言うじゃん? 一万時間って、一日10時間勉強しても1000日かかるのよ! 3年だよ〜。一日一時間なら30年w いや、英語のプロになるわけじゃないから2000時間ありゃ普段の業務用には十分とは思うけど。

素人とプロの境界線は「一万時間」だった
< http://matome.naver.jp/odai/2136028774798719601
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唯一、「コツコツ続ける」的にやってるのはTDW(日課の作品制作)。ところが、3Dに転向以来、一点に3時間かかってるとして、この10年で約3000時間しか使ってない。たったの3000時間。10年で、だよ!

10年は87600時間。机の前にいられる時間を12時間としても40000時間以上。その8%しかTDWに使ってない......!! 計算してみて驚いたわ。時間ってけっこう有り余ってるものなんだなあ。

やはり、「時間割り当て」は有効でしょう。一日一時間を2〜3項目の「何か」に確実に割り当てたら、10年後にすごいパワーになるかも。

っていうか、1月に田中圭一氏のインタビュー読んで「そうだ! ムリにでも時間作って勉強」って思ったのだった。すっかり忘れてたw

田中圭一氏『「メチャクチャそっくりにすることがリスペクトなんだ」。ノートに一日一ページ手塚タッチの練習を2年続けたとか。』。すごい上手い天才!じゃなく、地道にコツコツ練習してるんだ!って驚いたのだった。

そういえば......「立体制作やりたい、ストアやりたい」の件に思い至って、ショック! 立体制作に今までどんだけ時間かけたのか?? 集中的にやってる時期もあったけど、合計したら半年にもならないだろう。作業時間で言えば、2000時間かそこら......甘すぎる!!

立体制作を始めた2006年以来、2000時間しか使ってない。何かの成果が出るのを期待するのは8000時間早い!

いろいろヤベー。

●「TPP交渉、著作権保護期間70年で合意へ」

だそうで。「著作権保護70年」はほとんど誰も幸福にしないと思う。父親や祖父が偉大な著作権者だったら、子供は自分の人生を歩めないかもしれない。祖先の著作を管理したり売る人生ってどんな罰ゲームだよ!

「90歳で亡くなった作家の20歳の時の作品の著作権が切れるのって、発表後140年」って、ほとんど「先祖の呪い」w その計算で言うと、明治7年の作品の著作権が切れるのが今年。

要するに、会ったこともなく興味もない祖先の作品の著作権管理をやらされる誰かには絶対なりたくないっていうことなんだけどさ。ばんばん儲かるなら別だけど、滅多にそんなことないだろうし。

で、管理テキトーにやってると、祖先の作品のファンから「ちゃんとやれ!」とか「冒涜だ!」とか怒られる。じゃあお前がヤレ!みたいなw

創業何百年の老舗の一人息子とか大変だと思うけど、似たようなもので。たまたまそこに生まれちゃったために、祖先の呪いから逃れられない。

ミッキーマウス法とか言われてるけど、著作権切れても意匠権や商標権でずっとイケるので著作権70年はあんまり関係ない。あと、著作者死後70年と発表後70年がゴッチャになりそう。映画の著作権は「公表後50/70年」。そのへん、ジャンルによって計算方法が違うので注意。

70年に延ばすと、コンテンツが有効活用されない期間が延びて忘れ去られ、二度と浮上しないものが多くなる。それは文化の損失。短い保護期間ならどんどん活用されて文化の循環になるかも。

まあ、アメリカが「全世界同じルールにしろ!」という70年なのでどうしようもないんだろうけど。ただ、フェアユース的使用もセットでないと他の国は一方的に不利になるばかりだよなあ。

「大切に保護した結果忘れ去られる」のと、「どんな形でもいいから利用されて何らかの影響が後世に残ること」を比べると、僕は後者のほうがぜんぜんいいと思うし、そう思ってる人多いんじゃないかなあと。

●Let's Go Fly A Kite

「メリーポピンズ」のサウンドトラックの「Let's Go Fly A Kite」という歌のサビ部分(24秒あたりから)を聴いたら......、
<
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似たメロディ......昔の特撮番組かアニメのエンディングっぽいメロディが、ゾロゾロと古代の記憶から引きずり出されてきたんだけど、何だろう?

思い出したメロディ全部をGarageBandで音にしてみた。

< http://www.yoshii.com/dgcr/nazo.mp3
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マーチ調で男声合唱で特撮番組のエンディング曲のイメージ。「ジャイアントロボ」「マイティジャック」「マグマ大使」とかの。他にそういう番組あったっけ? たぶんすごい有名な曲なんだろうと思う。YouTubeで有名どころの番組主題歌見てみたけどわからない。

......などとツイートしてたら、教えてもらえた!
「この曲は『キャプテンウルトラ』の挿入歌?だったかの『宇宙マーチ』だと思います。」

YouTube < http://bit.ly/1nuPXRc
>

これだ〜! メロディほぼ完璧に覚えてた。あ〜〜スッキリした。実は先日からこのメロディが頭をぐるぐる回って大変だったw キャプテンウルトラってカラーだったのか。白黒テレビでしか見たことない。怪獣の造形が洗練されててカッコイイんだよな〜。

作曲は冨田勲ですって。この頃の印象に残ってる音楽って冨田勲作品多いなあ!!

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com
>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/
>

GW前の「MacBook Proラブ」で、Mac Proを手放すときに「こんなデカくて重いマシンは懲り懲り」って書いたけど、2006年のこの連載第81回で、Power Mac G5を手放して「全部ノートパソコン」にして「もう一度このデカくて重いマシンを買う気にはならない」なんて書いてあるの発見。同じこと何度もやってるw

・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
< https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii
>
・ハイウェイ島の大冒険 < http://kids.e-nexco.co.jp
>
・INTER-CULTUREさんの3Dプリント作品販売
< http://inter-culture.jp/Buy/products/list.php?category_id=63
>