Take IT Easy![57]May the force be with you
── 若林健一 / kwaka1208 ──

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こんにちは、若林です。今回は、久しぶりにユーザーインターフェースのお話。

最近、タッチパネルや音声認識のように、製品に搭載されたエポックメイキングなユーザーインターフェース技術が少ないと感じていたのですが、先日発売されたApple Watchや新しいMacBookに搭載された「Force Touch」には、新しい可能性を感じています。

「Force Touch」とは、Appleが開発した触覚フィードバックを実現するデバイス「Taptic Engine」を使った機能で、タッチパネル上に描かれたボタンを押すと、まるで本当のボタンを押し込んでいるかのような感覚が得られる仕組み。

触覚フィードバックとは、操作した結果を機器を振動させることで物理的に利用者に伝える方法で、携帯電話やスマートフォンの画面をタッチすると本体や液晶画面が振動して押されたことを伝えたり、ゲーム機では銃を発射した時の反動やダメージを与えられた時の衝撃を、振動で表現する場合などに使われています。




携帯電話のほとんどがタッチパネルを搭載したスマートフォンになった今、画面上の操作が受け付けられたかどうかを確認するためには画面を見なければならず、従来のハードウェアキー搭載の携帯電話のように画面を見ないで操作、ということができなくなっていました。

携帯電話の一部には、画面をタッチすると本体や液晶が振動するものもありましたが、ハードウェアキーを押した感じには程遠く、画面を見ずに操作できるほどのものではありません。これがタッチパネル型スマートフォンの弱点のひとつとなっています。

Appleが開発した新しい触覚フィードバックの仕組み「Force Touch」は、実際に指で押した部分だけが押し込まれたような感覚を再現しているのが特徴で、これがiPhoneに搭載されれば、文字入力の操作結果が触感で得られるようになり、ブラインド操作ができるようになるかもしれません。

現在はハードウェアボタンが使われているホームボタンも「Force Touch」によって「タッチパネル」の一部で実現できるようになるでしょう。

iPhoneのホームボタンは物理的な故障の多い部分でしたので、可動部品ではなく擬似ハードウェアキーにすることで故障トラブルが減ることも期待できます(もちろん「Taptic Engine」の耐久性にもよるのですが)。

私は、Appleが「Force Touch」による物理的な動作だけではなく、音によるフィードバックとの組み合わせで、より自然な操作感を実現するのではないか? という点にも期待しています。

本体のホイールを操作するタイプのiPodが販売終了となって久しいのですが、iPodのホイールを操作した時に、カチカチというクリック音がしていたのを覚えていますか? 

初代iPodからソフトウェアで実現されていた音によるフィードバックですが、あの音だけでもまるで本当にホイールが回って(初期のiPodは本当にホイールが回っていましたが)物理的に音が出ているように感じられていましたよね?

Appleは、こういった過去のノウハウをうまく蓄積して、ユーザーインターフェースに採用することを今までにも繰り返してきたので、きっと今回も今までにない操作体験を提供してくれるはず。

今年の秋、もしかすると6月に開催される開発者向け会議「WWDC」でも発表があるかもしれません、今年のAppleは「Force Touch」に注目です。

【若林健一 / kwaka1208】 kwaka1208@pote2.net
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